院長ブログ

有機ゲルマニウムと癌2

2020.3.3

呼吸には外呼吸と内呼吸がある、ということは高校の生物で習っただろう。
外呼吸というのは、いわゆる呼吸。息を吸って、息を吐く。あの呼吸である。
一方、内呼吸というのは、細胞がエネルギー産生のために行う呼吸のことをいう。その核心はミトコンドリアにある。
尤も、これらは必ずしも別物ではない。
たとえば、窯業で陶器を焼く仕事に従事する者では、膀胱癌の発生率が高いことが言われている。理由は二つある。
ひとつは染料などに使われる化学物質への曝露、もうひとつは、酸素不足である。
陶器を焼くときに大量に酸素が消費されるが、1日何時間もその燃え盛る窯のそばで働き続ける。
外呼吸による酸素取り込みの低下が、そのまま内呼吸(ミトコンドリア呼吸)の不全を引き起こし、発癌へとつながるわけだ。

しかし、なぜ膀胱なのか。
酸素不足の影響が出るのなら、一見、肺や心臓などに負担がかかりそうに思えるが、なぜ膀胱に癌ができるのか。
医学部で受けた病理学の授業を思い出すがよい。
膀胱の内部を裏打ちする細胞群は、全身の細胞のなかでもかなり特殊で、特に「移行上皮」と呼ばれている。
膀胱に尿がたまり細胞表面が伸展してうすくなると、皮膚のような重層扁平上皮になるが、尿が排出されて膀胱が空っぽになると、まるで腸粘膜のような多列繊毛上皮になる。
つまり、膀胱の上皮はその両極の間を行ったり来たりすることから「移行上皮」と呼ばれているわけだ。

そう、膀胱は粘膜質であり、そのため酸素不足の影響を受けやすい。酸素が不足しがちであるということは、そのままイコール、癌になりやすい、と解釈してもらってかまわない。
このことは、逆を考えてみればわかるだろう。たとえば「心臓癌」という病名を聞いたことがあるか?
ないだろう。in vitroでも心筋の細胞を癌化させるのは難しい。ミトコンドリアが豊富で細胞分裂しにくい心筋細胞は、癌になりようがないんだ。
しかし、粘膜はそうではない。
細胞は数日のターンオーバーで常に刷新され、細胞分裂が盛んである。また、水分の代わりに分泌液を分泌する粘膜では、特に癌にかかりやすい。

過去50年、大腸癌の増加に歯止めがかからない。かつて菜食メインの日本人には大腸癌はあり得なかった。
肉由来の糖鎖が組織の炎症および虚血を促進し、発癌を促進することがわかっている。近年の肉食ブームは、今後癌をますます増加させることだろう。
https://www.pnas.org/content/112/2/542?utm_content=bufferb1c33&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

酸素不足は、癌に限らず、様々な疾患の背景に潜んでいるものであるが、外呼吸の不足(およびこれに起因する内呼吸の不足)は、意識されないことが多い。
「呼吸が浅い」、「酸素が不足している」という自覚は、なかなか持ちにくいものである。
たとえば頭痛。低酸素が頭痛の誘因となることは、高山病の例を挙げるまでもなく、十分なエビデンスがある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27146279
そこで、深呼吸である。丹田に意識を据えて、深く吸って、深く吐く。
これを何度か繰り返す。それだけのことで、頑固な頭痛が消退する症例がどれだけ多いことか。
頭痛は、ロキソニンで完治しない。まずは、今すぐ、深呼吸である。
それで効かないようなら、有機ゲルマニウムの出番である。
一般に、頭痛も含め、痛みは「組織の虚血」であることが多い。組織は痛みで以て存在をアピールし、相応のケアを求めているのである。
有機ゲルマニウムによって赤血球産生が亢進し、酸素が行きわたれば、痛みは自ずと解消するだろう。

さて、一口に酸素といっても、すべてが同じものではないことをご存知か。
必ずしも科学的に正確な表現ではないが、酸素には二通りある。陽極(プラス)の酸素と、陰極(マイナス)の酸素である。
かつて、未熟児を高濃度の酸素が充満する治療装置に入れ、未熟児網膜症を頻発させるという不幸な出来事があったが、これは陽極酸素の影響である。人工的な酸素はすべて、陽極であると心得よ。
一方、自然界が作り出す酸素は陰極である。森林浴をしたり、滝のそば、海辺に行ったときのすがすがしい感覚を思い出してみるがいい。あれこそが、豊かな陰極酸素のもたらす効果である。
有機ゲルマニウムの働きは、赤血球の再生を通じた酸素の供給であるが、このとき供給されるのは陰極酸素である。ここに有機ゲルマニウムの本領がある。

参考
『天の配慮: 命の源流を探る唾液イオン反応』(岡澤 美江子 大友 慶孝 共著)

有機ゲルマニウムと癌1

2020.3.3

有機ゲルマニウムが癌に有効であることは以前のブログでも何度か紹介してきた。
それでは、なぜ、効くのか?そのメカニズムは?

そもそも癌の内部およびその周辺では、血管からの距離が遠くなることと、過剰な細胞増殖が起こることによって、酸素供給が不足して、低酸素状態になっている。
実は、低酸素状態では、免疫系がうまく機能しないのである。
このことはすでに1960年代にHellström博士によって発見されていた。博士は、癌患者の体内に癌細胞とキラーT細胞が共存していることを報告し、世界を驚かせた。
一体なぜ、免疫系が癌細胞を攻撃しないのか?その機序の解明に向けて、世界中で研究が行われた。
その結果わかったことは、癌細胞の作り出す低酸素環境下においては、免疫細胞の産生するパーフォリンやグランザイムBによる障害活性、また、インターフェロンγの刺激を介する分化も、抑制されてしまう、ということである。
つまり、癌細胞周囲が阻血に陥ることで酸素濃度が低下し、結果、癌に対して免疫系が機能できず癌の増殖を許してしまう、ということが明らかになった。

このメカニズムは、そのまま、なぜ有機ゲルマニウムが癌に効くのか、の説明にもなっている。
有機ゲルマニウムは赤血球の「破壊と再生」を促進する。
古くて柔軟性を失った赤血球を破壊し、新しく柔軟性のある赤血球を生み出すことで、いわば、「血が一新」される。
採血で測定されるのは、単に赤血球の「数」に過ぎない。大事なのは、「質」(および働き)である。
赤血球が生まれ変わることは、大げさではなく、体が変わる、ということである。
柔軟性を増した赤血球は組織の奥まで酸素と栄養を届け、不要物(二酸化炭素など)を回収して行く。酸素と栄養の行き届いた組織は、その本来の働きを取り戻す。
有機ゲルマニウムの摂取によって、数えきれないほどの疾患や不調が改善するのは、偶然ではない。
結局のところ、赤血球の更新による全身の”生まれ変わり”こそ、有機ゲルマニウムの効能の核心である。

なぜこんな話になったのか?
きのう、浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司さんからメールが届いた。
「岡澤先生を取り上げたブログを拝見しました。
岡澤先生はご存命中ですが、現役医師としての活動は数年前に引退され、現在は施設に入所されています。
心身ともにご健在で、私も年に何回か先生のところを訪問しますが、そのたびにいつも、ゲルマニウムについて熱く語ってくださいます笑」

そうだったのか。著書『天の配慮』の出版がまだ数年前と最近であるため、てっきり現役かと思っていた。
岡澤先生は著書のなかで、有機ゲルマニウムによる癌治療法を紹介している。
数十年にわたる臨床経験のなかで、無数の癌患者が有機ゲルマニウムによって健康を取り戻してきた。
当院にも癌で通院中の患者がいるため、岡澤先生の知識を生かさない手はない。
本に書いてあることをもっと掘り下げて知りたいことがあったため、中村さんに質問をした。

「岡澤先生はゲルマニウムを、経口投与はもちろん、静注でも併せて使っておられますが、何%溶液でしょうか?
有機ゲルマニウム粉末を生食に溶いて作ろうと思っているのですが、ご教示願います」

「点滴は中和液製剤でないと難しいかと思います。有機ゲルマニウムは酸性度が比較的強いため、そのままの静注はアシデミアを起こす可能性があり、危険です。
中和液製剤はかつて製薬会社に作ってもらっていましたが、今はありません」

そう、浅井一彦先生は当初、有機ゲルマニウムを癌の特効薬として売り出そうと思っておられた。
しかし様々な組織の思惑、利害関係の衝突、紆余曲折があり、現在、保険薬剤としては慢性肝炎治療薬のプロパゲルマニウム(商品名セロシオン)として収載されるところに落ち着いた。
有機ゲルマニウムが保険の効く癌治療薬として承認されず、代わりに、毒以外の何物でもない”抗癌剤”がはびこることになったことは、日本のみならず世界中の人々にとって不幸なことだった。今もその不幸は現在進行形である。
いざこざの余波を受け、静注のゲルマニウム製剤も生産中止となってしまった。
しかし、有機ゲルマニウムの購入が可能であることは、不幸中の幸いである。
中村さんに、重ねて質問をする。

「やはり、岡澤先生の本の中に、有機ゲルマニウムの経口投与で、1日60錠を2か月間継続して癌が治癒した症例の記載があります。
当院の有機ゲルマニウム粉末で換算すればどれくらいの量になりますか?」

「岡澤先生が使っておられたのはアサイゲルマニウムのカプセル製品です。ただ、大量投与については、私の立場からはコメントしづらいところがあります。
岡澤先生は自身の臨床経験にもとづいて高用量のゲルマニウムを使っておられました。それは一般の人には副作用が起き得る量でもあります。また、高用量のゲルマニウムを数週間継続するとなれば、やや高額の費用が必要になり、人によっては経済的に厳しいかもしれません。
私としては、一般の人が安心して服用頂ける目安量を提示するにとどめたいと思います。
ただ、岡澤先生は常々言っておられました。『癌は50万円で治る病気なのよ』と」

この50万円をどう見るか、ということである。
浅井一彦先生の願いは、癌患者にもっと安価に有機ゲルマニウムを届けることだった。だからこそ保険収載を目指したのだが、その試みは頓挫した。購入するとなれば、やや高額である。
僕が癌患者の立場なら、有害無益な抗癌剤など一顧だにせず、迷わず有機ゲルマニウムを購入し癌治療の一助とするが、結局、このあたりは個々人の価値観である。

次回、有機ゲルマニウムと癌の関係について、もう少し掘り下げる。

見えないもの6

2020.3.2

深夜に部屋で一人、電気を消して布団に入り、ユーチューブのホラー系動画を見ている。
怖くなければ「全然おもんないな」と吐き捨てるくせに、ときどきマジで怖いやつがあって、そういうときは一人でトイレに行くのもきつくなる^^;

そう、ときどき本当に怖いやつがある。ああいうときに体の内側から立ち上がってくる恐怖感って、何なんだろう。
一人でいるはずの部屋に、誰かもう一人いるような、何かの気配がする。でも後ろを振り返るのが怖い。その「何か」を認識してしまったら、、、

こういうとき、その予感は正しくて、「本当に幽霊がいる」とするのがニーチェの立場である。
つまり、「君が深淵をのぞくとき、深淵もまた君をのぞいているのだ」(…when you gaze long into the abyss, the abyss gazes also into you…)

『医師が語る霊障』(橋本和哉 著)を読んで、この感覚が何なのか、一応の説明がつくように思った。
百物語、という日本伝統の怪談スタイルがある。複数人が寄り集まって、各人が怪談を披露していき、全部で百個の怪談をすべて語り終えたときに、本当に奇妙な現象が起きる、とされる。
橋本氏の考えによれば、これは当然起こり得ることである。
夏場などに怪談イベントなどが行われると、そこには意識体やゴーストが集まりやすくなる。人々がゴーストに意識を向けることによって、共鳴が起こるためである。
「意識が、引き寄せる」のである。これは波動という言葉で説明してもいい。
多くの人は、「現象が意識を作る」と思っている。なるほど、確かにそういう場合もあるだろう。
しかし、同じ頻度で「意識が現象を作る」のだということに、多くの人は気付いていない。中にはこの考え方を非科学的だとしてあざ笑う人さえいる。
笑いたい人には、笑わせておけばいい。ただ、事実として「意識することで、引き寄せてしまう」。
このことは、普段からゴーストを意識して生活していると、さらにゴーストを呼び込んで、下手をすれば憑依されることをも意味する。
ホラー系動画を見ているときの僕は、”そういう波動”にチューニングが合っているせいで、本当に変なものを呼んでいるわけだ。

ゴーストは、天界に成仏できず、行き場なくこの世をさまよっている。そういうゴーストにとって、ある種の波動は”助けの灯り”のように見える。
蛾が光に引き寄せられるように、ゴーストはそういう波動の持ち主のもとへ向かう。尤も、多くの場合、実害はない。守護霊がすぐ追い払ってくれるから。
しかし、ときには憑依を受け、現実的な症状として出現することになる。

事実かそうでないかは別として、考え方としてはおもしろい。
引き寄せとか波動という現象は、僕もないわけではないと思う。
人生という荒海を渡っていくときに「意識が現象を作るのだ」という認識でいたほうが、人生に対して受け身ではなくて能動的になれると思う。
霊的現象もこの引き寄せや波動の考え方で説明がつく、というところに、新味を感じるんだな。

橋本先生のクリニックは、一応標榜している科としては、内科、外科、神経内科、整形外科だけど、明らかに「心霊科」とでも呼ぶべき診療を行っていると思う^^;
病気治療のために、マジで除霊をやってくれる先生なんて、他にいないでしょ?しかも本当にそれで治る症例があるのだから、おもしろい。
この本を読んで、不明熱とか倦怠感の鑑別に、霊障、というのを挙げないといけないと思った^^

もちろん、本の真偽は分からない。ただ、こんなぶっ飛んだ内容の本は、他にない。
霊障に効能のある良質食品として、
ぬちまーす(塩)、ショウガ、銀河高原ビール(飲んだことあるけど、そんな効用があったとは!^^)、魔王(焼酎。森伊蔵と村尾と合わせて3Mって言うんだね)が挙げられていたり、
霊障に対する防御として、
アイヌ帯、ジン(タンカレー)、シーサー(沖縄の獅子舞みたいな置物)、漢方薬(桂枝加竜骨牡蛎湯、半夏厚朴湯。別にツムラのでいいんだね^^;)が挙げられている。
先生が地道に、手探りで効果のあるものを探している感じがよく伝わってきて、おもしろいと思った。
アイヌ帯は確かに、僕も不思議な力を感じる。
岡本太郎が、縄文土器の造形や模様に呪術的なものを感じてインスピレーションを得たというけど(確かに、太陽の塔とか、縄文っぽい雰囲気がある)、アイヌの模様にも何かそういうパワーを感じる。

さらに興味深い指摘として、本からマイナスエネルギーを受けることもあるという。
「文字(およびその組み合わせからなる文章)とは、デジタルな記号である」と思っている僕にとっては、まったく異質な考え方である。
異質ではあるけれど、わからなくはない。
「すべて読書とは、著者との対話である」という言葉がある。著者にマイナスの気が宿っていた場合、その読者にも好ましくない影響が出るということは、当然あり得るだろう、という気もする。
翻って、僕のブログはどうなんだろう?
波動とか気とか、”そっち系”の目線で見たとき、僕の文章にはどのようなエネルギーが宿っているのだろうか?
僕の訳書『オーソモレキュラー医学入門』も含め、僕の情報発信にはプラスの気がこもっていると信じたいのだけど、こればっかりは祈るしかありません^^;

真菌、コレステロール、癌22

2020.3.2

「もともと健康で、何ら体に問題はありませんでした。
仕事もバリバリできるし、妻や子供との関係性も良好。ジョギングをして、食事にも気を遣って、毎日充実した生活を送っていました。
状況が変わったのは、会社の健康診断でコレステロールが高いことを指摘されたこと。医師から、コレステロール降下薬を処方されました。
飲み始めてしばらくは、何も異常は出ませんでした。ただ、半年ほど経った頃から、何ともいえない体のだるさを感じるようになりました。
もちろん薬が原因だなんて、思いもしません。体にいいと信じて飲んでいますから。
寝起きがだるくなり、毎日のジョギングに行くのも差し支えるようになってきました。
それどころか、体を動かすこと自体がおっくうになって、トイレに行くのも面倒だとさえ思うようになりました。
一日中ぼーっとして、仕事のパフォーマンスが低下したのはもちろん、休日だって何もしたくありません。体を思い切って動かすと、妙な立ちくらみもある。
薬を1年半ほど飲み続け、全身の倦怠感は病的なレベルに達しました。異常さは、自分の体感としても家族の目からも、明らかでした。
食事、生活習慣を徹底的に見直しました。そしてようやく、原因として突き止めたのが、コレステロール降下薬でした。

なぜこんなことになったんだろう、と思います。繰り返す言うようですが、本当に、体調は絶好調でした。
健康診断は何も問題のない優等生でした。ただ、コレステロールが高いという、その一点だけを除いて。
それで、医者の勧めるがままに、コレステロール降下薬を飲みました。
僕がしたのは、それだけなんです。それだけで、仕事も続けられないくらいの症状になりました。

何だかやるせない気持ちです。
薬の処方前に、医者から特に副作用の説明はありませんでした。あとで知ったのですが、グレープフルーツと一緒に摂取してはいけない、とか、いろいろ禁忌があるんですよね。
そういう説明はなかったです。ただ、「筋肉痛がでるかもしれません」とだけは聞いていましたが、薬のせいでこれほどひどい副作用が出るとは思ってもいませんでした。

薬はやめました。でも、もう薬をやめて3か月が経ちましたが、まだ倦怠感は治っていません。
何とかならないでしょうか?
治療法を模索していくなかで、ネットでオーソモレキュラー療法のことを知りました。
プロテインを飲み始めましたが、いまいち効果は実感していません。というか、これまで調子の悪い日と小康状態を繰り返すようなリズムだったのが、プロテインを始めてから、ずっと調子が悪いように感じているのですが、気のせいでしょうか?」

僕のブログを読んでくれている人で、今日、当院を受診された。
スタチン(カビ毒)に対する解毒法は、いずれブログで紹介するつもりでいたが、この患者のように「何を飲めばいいのか、どうすればいいのか、とにかく早く教えて欲しい」という人がいることを思い知らされた。
手順を踏んで、と思っていたが、予定を前倒しして、下記参考文献の著者James Yoseph氏の勧める食事法を紹介しよう。

ただ、まず最初に、上記患者の誤解を解いておきたい。
オーソモレキュラー療法とプロテインの服用を混同されているところがあるが、オーソモレキュラー栄養療法の創始者(主にはホッファーとポーリング)は、別にプロテインパウダーを勧めていない。
このことは拙訳『オーソモレキュラー医学入門』(A.ホッファー、A.ソウル共著)を読んでもらえればわかる。「高タンパク(肉、卵、乳製品、プロテインパウダーなども含め)が体によい」という旨の記述はどこにも見出すことができないだろう。
それもそのはずで、著者のソール先生自身、”ゆるやかな”ベジタリアンなんだ。ゆるやかな、というのは、「動物性食品を食べないと決めているわけではなく、食べたいときや食べる機会があるときに、良質の肉を少量食べるスタイル」ぐらいの意味である。

一方、ベジタリアンとは真逆のアプローチとして、動物性タンパク質の積極的摂取を勧める考え方に、アトキンス・ダイエットやパレオ・ダイエットがある。
これらの源流はいずれも、1930年代のウェストン・プライス博士の仕事に行きつく。
世界中の原住民を実地調査した結果、プライス博士は「精製した糖質、穀物、加工食品の摂取こそが現代病の元凶である」と考えた。ここから多くの治療家が示唆を得て、”食における原住民への回帰”が説かれるようになった。この流れは、現代日本の高タンパク・低糖質食ブームにも脈々とつながっている。
1972年にロバート・アトキンス医師が提唱したアトキンス・ダイエットは世界中で一大ブームを引き起こし、イギリスでは300万人以上が、アメリカでは11人に1人が、この食事法を試したと推定されている。
なぜ、こんなに流行するのか?
答えは簡単で、「効果をすぐに実感するから」である。
特にアメリカにおいて、肥満は国民病である。精製糖質の習慣的な過剰摂取によって肥満に陥っている人がアトキンスダイエットを行うと、みるみる体重が落ちる。スリムになるばかりでなく、頭の働きもクリアになるだろう。体験者は、こんなに素晴らしい食事法はない、と喜ぶ。
しかし、である。
しかし、何らかの改善したい不調があってその改善を目指して行う治療食が、通常の維持食としてふさわしいかというと、また別の話である。
『体脂肪を減らすための高タンパク食~その機序と危険性』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4258944/
「高タンパク食には、満腹感をもたらし、かつ、体脂肪が減少するというメリットがあって、減量法として最近ますます人気が出ている。
では、なぜ、高タンパク食によって体重が減少するのだろうか?その機序は?
それは高タンパク食によって、以下のような変化が起こるためである。
・満腹ホルモン(GIP, GLP-1)の分泌増加
・食欲増進ホルモン(グレリン)の分泌減少
・食事の熱作用の増加
・タンパク質誘発性の糖新生による血糖値の安定化
しかし、いいことばかりかというと、そうではない。高タンパク食に取り組む際には、注意しておくべきこともある。
一般的な西洋食と並行して高用量の分枝鎖アミノ酸を摂取すれば、代謝性疾患を発症する可能性がある。
また、高タンパク食は体を酸性にするため、腎臓への負荷も増大する。さらに、エネルギー需要量が低い状態(ろくに運動しない状態)で過剰にタンパク質を摂取しては、余剰分はグルコールかケトン体に変換され(糖新生の働き)、エネルギー代謝が正に傾く。これは、高タンパク食の目的が体重減少にあるのなら、好ましくないことである」

どの食事法も人によって合う合わないがあるし、目的によって、ある状況では適切でも、長期的に続けるには不適切、ということは普通にあり得る。
万人に共通して勧められるのは、とりあえず「精製糖質(砂糖菓子や小麦など)を控える」ことぐらいで、そこから先は個々人の状況に合わせてベストな方法を模索する、ということになるんじゃないかな。
上記患者について言えば、スタチンはカビ毒である。このカビ毒が筋肉にアポトーシスを起こして、筋炎が起きているはずである。
一方、プロテイン(のみならず、乳製品全般)は、カビ毒汚染のリスクが極めて高い加工食品である(パウダー製造過程の加熱によって真菌本体は死んでも、カビ毒は失活しない)。プロテインが症状の緩和に効かないところか悪化させた可能性は、説明がつくと考えている。

長文になってしまった。
肝心のJames Yoseph氏の勧める食事法は次回こそ^^;

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)

コロナウイルス対策8

2020.3.2

新型ウイルスに対する不安から、デマが広がりやすい状況になっている。
ネットやスマホを通じて情報がすばやく得られることはありがたいことだが、デマも広がりやすいことには気をつけたい。
きのう、こんな情報を見つけた。

「緑茶、紅茶、ウーロン茶のコロナウイルスに対する効果を調べたところ、緑茶に最も強い抗ウイルス活性が見られた」という記事である。
まずは、「緑茶を売りたい業者のステマではないか?」という目線を持ちたいところ。
しかし事実であれば、デマでも何でもない。予防的な意味で推奨できる(スーパーの棚から急にお茶っ葉が消える現象は勘弁して欲しいけど^^;)。
真偽を確認するため、論文をちゃんと読んでみたいところだが、中国語なので読めない^^;
そこで、英語論文を調べたところ、上記画像と同じものではないかもしれないが、SARS-コロナウイルスに対する緑茶成分の有効性を検証した論文が見つかったので、紹介しよう。
『テアフラビン-3,3′-ジガレート(TF3)によるSARS-コロナウイルス3C様プロテアーゼ活性の抑制』
https://www.researchgate.net/publication/7803904_Inhibition_of_SARS-CoV_3C-like_protease_activity_by_theaflavin-33_’-_digallate_TF3
「SARS-コロナウイルスは重症急性呼吸器症候群(SARS)の病因因子である。SARS-コロナウイルスが感染した宿主細胞において、ウイルス内コードされた3C様プロテアーゼ(3CL(Pro))がウイルス増殖のために必須であると考えられている。
本研究において、我々は3CL(Pro)に対する抑制効果について、ナチュラルプロダクトライブラリー所収の化合物720種類を検証した。
これらのうち、3CL(Pro)に対して抑制作用を示した化合物は二つあった。タンニン酸(IC(50) = 3μモル) と3-イソテアフラビン-3-ガレート(TF2B) (IC(50) = 7μモル)である。
これらは茶に含まれる天然ポリフェノールである。我々はさらに、いくつかの異なる種類の茶葉を用意し、3CL(Pro)の抑制効果を検証した。その茶葉は、緑茶、ウーロン茶、プーアル茶、紅茶である。
その結果、プーアル茶と紅茶は、緑茶やウーロン茶よりも、3CL(Pro)に対する抑制効果が強かった。
さらに、茶に含まれている他の成分の3CL(Pro)抑制効果を検証した。その結果、カフェイン、エピガロカテキン・ガレート(EGCG)、エピカテキン(EC)、テオフィリン(TP)、カテキン(C)、エピカテキン・ガレート(ECG)、エピガロカテキン(EGC)には3CL(Pro)抑制効果は認められなかった。唯一、テアフラビン-3,3′-ジガレート(TF3)にだけ、3CL(Pro)抑制効果が確認された」

2005年の研究。SARSの流行(2003年)を受けて、その対策として書かれた論文だろう。SARSの原因ウイルスは、分類的にはコロナウイルスに属するから、上記の研究は現在流行している新型コロナウイルスにも有効である可能性は充分にある。
この研究では、上記画像とは違って、緑茶やウーロン茶よりも、プーアル茶と紅茶を推している^^;
ただ、あくまで3CL(Pro)抑制効果、という点にフォーカスした結論であることに注意しよう。SARS-コロナウイルスに対してどの茶葉が一番効くか、を直接(マウスレベルとかで)示したものではない。

コロナウイルスではなく、インフルエンザウイルスに対する緑茶の効果、という点では他にもこんな論文がヒットする。
『緑茶に含まれるカテキンのインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果』
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0166354205001440
やはり、2005年の論文。
緑茶から抽出したEGCG、ECG、EGCのインフルエンザウイルス増殖抑制作用と殺ウイルス作用について検証している。結果、EGCGとECGにウイルス増殖抑制効果が見られた。その機序(MDCK細胞におけるRNA合成阻害がどうのこうの、とか)についても検証しているが、わからへんので省略しまーす^^

「緑茶が体にいい」なんてことはとっくの昔、千年前からわかっていることで、最近になって科学のメスが入り、「なぜいいのか」のメカニズムが科学の言葉で語られ始めた、というだけのことだ。
たとえばきのうのブログで言及した岡澤美江子先生の著書『天の配慮』のなかでも緑茶の健康効果について考察されている。
唾液のORP(酸化還元電位)を調べると、緑茶を飲む前では+40mVだったのが、緑茶を飲んだ後では-50から-30mVになった。つまり、唾液抗酸化力(還元力)が大幅に高まった、ということである。この効果は70度以下で沸かした緑茶で最も高く、高温で沸騰させると低下した(低下したといっても、還元力がないわけではない)。個人的に最も驚いたのは、市販のペットボトル入りの緑茶にも還元力がある商品があったこと(ただし、むしろ酸化させる商品のほうが多かったが)。いい商品を作っているメーカーもいるんだな。
総じて言えることは、水にこだわり、無農薬の茶葉から抽出した緑茶では、「確実に」抗酸化力が高まった、ということ。
唾液を使った研究というのは、採血でやる研究より、結果がスピーディーで勝負が早くて、いいよねぇ。

【まとめ】
新型コロナ対策にはコーヒー(カフェイン)を飲んでも、効かない^^同じ飲むなら、お茶(できれば無農薬のもの)を飲もう。緑茶がいいと言われているけど、プーアル茶でも紅茶でも一応の効果はあるんじゃないかな。

見えないもの5

2020.3.1

ブログにアップする文章は、それなりのエネルギーを注いで書いている。そのエネルギーの分だけ、それぞれのブログに愛着がわく。だから基本的には、いったんブログにあげた文章は、そのまま残したいと思っている。
ただ、ブログを目にした周囲の親身な人たちが、すぐ僕に連絡をくれたりする。「あっちゃん、さすがにあのブログはまずいよ!」とか^^;
ありがたいことである。こういう助言こそ、得難いものである。
しかし、その助言に対する僕の反応はまちまちである。
「そうやなぁ。さすがにまずいか」と素直に助言をいれて、そのブログを非公開にすることもあれば、「いや、このままでいい。絶対下げない」と突っぱねることもある。「せめてこの箇所の記述は削れ」と迫られ、妥協して修正に応じることもあれば、そうではないときもある。
以下の文章は1年以上前にブログにアップしたものの、諸事情で非公開にしたものである。非公開にするまでの間、1週間ほどアップしていたため、昔から僕のブログをフォローしてくれている人は、読んだことがあるかもしれない。
時間の経過によって、非公開にする理由も動機も消滅したと思われるので、表題を変えて再掲することにする。

「十年近く前のことですけど、マンガやアニメの専門店で働いていたことがありました。
店内には本やDVDはもちろん、同人誌、コスプレ衣装なんかがずらりと並んでいて、先生みたいにアニメ趣味のない人なら、3分とその空気に耐えられないんじゃないかな笑
お客さんは当然というか、オタクみたいな人ばかり。
でもオタクの人って、いい人が多いですよ。繊細でおとなしくて、恥ずかしがり屋で。リアルの女性に堂々とアプローチなんて、とてもできない。拒絶されたら、傷ついてしまう。
でも、拒絶される心配のないアニメのなかのキャラクターになら、思い切って感情をぶつけられる。アニメにはまる人の心理って、そんなところだと思います。
でもみんながみんな、羊みたいにおとなしいかっていうと、そういうわけでもないです。

ある日仕事を終えて、家に帰る途中、背中に何となく視線を感じました。誰かに後をつけられているような気がする。ふっと振り返ると、ある若い男の姿が目につきました。私が立ち止まると、その人も立ち止まる。私が歩き出すと、その人も歩き出す。
気のせいかな、たまたま歩く方向が同じなのかな。
周囲の人気はどんどん少なくなっていく。当時一人暮らしをしていたマンションが、だんだん近くなってきた。それでも、その人、ずっと私の後ろをついてきている。
明らかにおかしいと思って、近所のコンビニに入りました。近く住んでいる妹に電話して、コンビニまで迎えに来てくれるよう頼みました。
すぐに来てくれて、いつのまにかその男の姿もなくなっていました。

数日後、私の家のすぐ近所で、一人暮らしの女性が男に乱暴される事件があったとニュースで見ました。被害女性が男の特徴を覚えていたおかげで犯人はすぐに逮捕されましたが、私、このニュース見て、はっとしました。
私の後をつけてきた男と同じ人かもしれない。警察に電話し、後をつけられたことを話しました。
直接話を聞きたいと、刑事さんが来て、詳しくお話しました。
その後、男の事情聴取から、私もその人のターゲットの一人だったということが分かりました。
私の働く店のお客さんでもあって、そこで私に目を付けたようなんです。被害者女性は、家まで後をつけられ、鍵をかける前に玄関に無理やり侵入、暴行されていました。
危なかった。
本当に危なかったんです。
危険を感じて妹に迎えに来てもらったおかげで助かったけど、後をつけられていることに気付かないで、まっすぐ自分の家に帰っていたら、と思うと、心底ぞっとしました。

そのあたりのてんまつを店長に話しました。すると、店長、
「あのさ、ちょっと変なこと言っていいかな。たまたま尾行されているのに気付いて、たまたまタイミングよく妹が迎えに来てくれて、たまたま犯人が暴行をあきらめてくれた、だなんて、本気で思ってる?君が助かったのはね、偶然じゃないんだよ」
「どういうことですか」
「君の身内、多分君のお父さんだと思うんだけど、いつも君のそばにいるんだよね」

父は私が25歳のときに癌で亡くなっています。
だから、店長がいうところの「父が私のそばにいる」というのは、物理的な意味ではありません。
「お父さん、どんな格好をしていますか」
「男性にしては長い髪で、スカジャン着てジーパンはいてて、おしゃれだね。笑顔の素敵な人だよ」
父の姿そのもので、店長、本当に見えてるんだなって思いました。
父への感謝とかなつかしさとか、何だか感情が胸に急にこみあげてきて、泣きそうになりました。
私は霊感とか全然ないから、そういうの分からないんだけど、いわゆる「見える人」に言わせると、必ず言われます。お父さんが君を守ってくれているよ、って。
先生、そういう霊的な話、大嫌いなんですよね笑
ごめんなさい、でも本当のことなんです」

いや、ちょっと待ってくれ。何も霊的な話が嫌いというわけじゃないよ。別にそういうものの存在は否定しない。
というかむしろ、怖い話とか好きだし、そういうものがあったほうが世の中おもしろいとさえ思う。
見えるものばかりが真実じゃないし、科学が万能じゃないことは当然のことだ。
ただ俺が許せないのは、その「見えなさ」につけ込んで人々の不安をあおり、それで金儲けしている連中のいることだ。
「先祖霊のたたりだ。供養してくれ、でないと成仏できないと言っている。つきましては、当寺では50万円から永代供養を承っておりまして。。。」
「あなたの腰痛の原因は霊障だ。腰に蛇が巻き付いている。除霊には、まず、この70万円の壺を買って頂き、、、」
アホちゃうかと。
こういうぼろい商売してる奴らがいるかと思うと、まじめに仕事する気なくすわ、ほんま。

「先生は、何かそういう、霊的な体験ってしたことないんですか」

うーん、どうかな。
あるにはあるよ。
でも別に、不思議だなぁ何だったんだろうなぁって思うぐらいで、「霊はやっぱり実在する!」とか全然思わないけどね。
勤務医時代のこと。出雲大社の近くにある病院に勤めてたんだけど、若い統合失調症の女性患者を担当した。妄想がかなり活発で、現実見当識は極めて乏しい。会話を試みようにも、ほとんど成り立たない。
そばにはその人のお母さんが付き添っている。お母さんが言う。
「うちの家系の女性は、代々霊媒師をしております。大社からつかわされる神の言葉をうけとり、それを必要とする人にお伝えする。それが我々の仕事です。
この子は元来非常に筋のいい子で、高野山なり恐山なり、霊山で修行すれば相当ものになると思うのですが、残念ながら病気のせいで」
「よくわからないんですけど、何かこう、霊的なものが見えたりもするんですか」
「はい、見えます」
「今、何か、見えてます?」
「娘に聞いてみましょう」
お母さん、ぶつぶつ独語している娘さんに問いかける。
娘さん、こちらを見て、ぼそっと、しかし非常に明瞭な声で、「エイコさん、見守ってますよ」
さすがに衝撃は隠せない。
どこでどうやって僕の母の名を知ったのか。
患者に尋ねるが、再び幻覚妄想の海に沈んでしまい、まともな答えは返ってこない。

ちなみにこの患者さん、甘いものが大好きで、毎日コーラを欠かさず飲んでた。
有能な霊媒師も、コーラの魅力には勝てないんだよねぇ笑

コロナウイルス対策7

2020.3.1

今日、近くを通りかかった薬局の風景。

この薬局、数日前から、板藍根(ばんらんこん)という生薬をえらくプッシュしている。
医薬品ではないから効用は標榜できないものの、新型ウイルス対策として、暗にオススメしている雰囲気だ(「新型コロナウイルスに効く!」と言いたいが、そう言ってしまうと法律違反 ゚Д゚)。
僕はこの生薬のことを全然知らなかった。一般的な知名度もそれほど高くはないだろう(実際、「ばんらんこん」と入力して漢字変換を押すと「晩乱婚」と出てきた。何か急にエロいワードになった^^;)
この板藍根、ウイルスに効くとして、中国では有名な生薬である。
1988年に肝炎が流行したときや、2002年にSARSが流行したときには、この板藍根が薬局の店頭から一瞬にして消えたという。つまり、肝炎ウイルスに対してであれインフルエンザウイルスに対してであれ、とにかく「ウイルス」の働きを抑える生薬として中国では認識されているようだ。
分類学的には、アブラナ科のホソバタイセイ(Isatis indigotica)である。アブラナ科というだけあって、実際写真を見てみると、素人目にはアブラナそのもののような印象を受ける。
学名がindigoticaというだけあって、かつてはこの植物の根から抽出される青い成分(インディゴ)が藍染やジーパンの染料として用いられていた。考えてみれば確かに、板藍根というその名前自体に、かつて染料として使われていた名残がある。

さて、気になるのは、板藍根がウイルスに効くという噂に、本当に科学的根拠があるのか、ということである。
そこで論文を調べてみたところ、確かに、複数ヒットした。たとえばこのような論文。
『板藍根由来多糖類のインフルエンザウイルス感染に対するマウス防御力への効果』
https://www.semanticscholar.org/paper/Effects-of-Banlangen-polysaccharide-on-mice-to-Jun/fcd73cd9067ee98d5a91c5c5ac0d929b4589be0f
「インフルエンザウイルスに感染させたマウスに対して、実薬群ではマウスの腹腔内に板藍根由来エキスを注入し、一方対照群のマウスには腹腔内に生理食塩水を注入した。
両群での、生存率、血漿中のIgG濃度、脾臓のインターフェロンγ濃度を測定した。その結果、板藍根エキス投与群では、死亡率が有意に低下し、生存期間も有意に延長した」

うむ、あくまでネズミを使った研究ながら、一応の説得力はある。
他にはこんな研究。
「板藍根抽出物のインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス活性』
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0254627216300516
板藍根がインフルエンザに効くのはわかっているから、それではなぜ効くのか、その機序はどうなっているのか、を調べたのがこの論文。
板藍根から抽出される成分クレマスタニンB(CB)、エピゴイトリニン、フェニルプロパノイド類(PEP)、その他アルカロイド、有機酸があるが、何がどのように効いているのか。
作用機序としては、治療作用、予防作用、ウイルス接着抑制作用、殺ウイルス作用、の4つの可能性を想定した。
ややこしい話なので、途中を省略して結論部分に飛ぶと、これらの成分には、ウイルスの増殖抑制作用とウイルスの接着阻害作用によって抗ウイルス活性を発揮していることがわかった。

以前のブログで、「葛根湯は予防に著効するが、一回ウイルスに罹患してしまうと、やや効果が落ちる」といったことに言及したと思う。
漢方のプロに言わせると、板藍根は予防はもちろん、罹患したあとにもしっかり効いてくれるところが、この生薬の強みだという。
板藍根は上記の写真のように、普通に漢方薬局やネットで買える。お茶として普通に煮出して飲めばいい。あるいは飴として売っているから、のど飴感覚でなめるのもいいだろう。

世間ではマスクの品薄はもちろん、トイレットペーパーまで売り切れが続出している。
すでに多くの人が指摘しているように、ウイルス性疾患に対してマスクの予防効果はない。気道の保湿効果や咳エチケットとしての意味合いでマスクをするのなら、一概に否定しないけどね。
真剣にウイルスの予防を意識するのなら、多少なりエビデンスのあることを実行しよう。
多くの人が変にマスクを買いだめするものだから、当院も含めて、一般の医療機関はマスクが買えなくて困ってるんだよね^^;

有機ゲルマニウムと妊婦

2020.3.1

「妊婦が有機ゲルマニウムを飲んでも影響ないですか?」と聞かれた。
「もちろん大丈夫です。0歳や1歳の子供さんも安心して飲めるぐらいですから、何ら問題はありません」と即答した。
この言葉は嘘ではない。嘘ではないが、科学的に正しいかといえば、そうではない。
患者は「妊婦が飲んでも大丈夫か?」と聞いている。これはつまり、「胎児に悪影響はないのか?」ということである。
これに対して「0歳児、1歳児が飲んでも問題ない」という答えは、実質、問いに対する答えになっていない。
患者は穏やかな人だったからそれ以上追及してこなかったが、むしろ納得できないのは僕のほうである。
患者から宿題を頂いた格好で、診察後、すぐに文献を探してみた。

すると、Dr.Mieko Okazawaによる症例報告(1977.10.15)があった。妊娠中有機ゲルマニウムを服用していた妊婦8症例について、全員が”完全に健康な赤ちゃん”(原文ではPERFECTLY HEALTHY BABIESと大文字)を生んだ、という。
・症例1
第1子、第2子とも病弱であり、母親自身元来虚弱であった。第3子の妊娠初期に尿糖が強陽性(++)であった。妊娠二か月目より有機ゲルマニウムの服用を開始したところ、極めて健康な男児を出産した。
・症例8
妊娠前から、虚弱と自律神経失調症の改善のため、有機ゲルマニウムを服用していた。妊娠後期に重度の嘔吐と貧血が出現し、さらに血圧上昇も見られたため、有機ゲルマニウムの経口投与に加え、有機ゲルマニウムの静注も行った。結果、お産は非常に良好であった。

なぜ、有機ゲルマニウムを服用していた妊婦には周産期異常(早産、低出生体重児、早期胎盤剥離など)が見られず、皆安産なのか。
低出生体重児がますます増える傾向にある近年、この問題には一考の価値がある。単に母体と新生児の健康のためだけではなく、一般の人にとっても有益な示唆を得られる可能性がある。

妊娠中、母体(および胎児)にとって最も必要なのは酸素である。
好気呼吸を行う生命すべてにとって酸素が重要なのはもちろんだが、なんといっても、妊娠中は食事も酸素も「二人前」必要である。酸素の重要性は、普段に倍していると考えないといけない。
こういう状況で、母体内の環境が酸性に傾いていたら、どうなるか?
酸性環境下では赤血球のヘモグロビンの酸素運搬能力が著明に低下する、というのが、生理学の教えるところである。子宮内の胎児にとっては、一本の臍帯が、文字通り”命綱”であるが、ここに酸素がろくに運ばれてこないとなっては、生命の危機そのものである。

では、なぜ、体内環境が酸性化してしまうのか?
ひとつには、精神である。ストレスや不安は、血液の酸性化を招く(逆に、血液の酸性化が不安や不穏を招く)。「笑っている人は病気にならない」という言葉は、確かに真理を含んでいる。気持ちが穏やかで、前向きであることが大事だ。
もうひとつには、食生活である。ただでさえ、農薬や添加物など、体内に様々な毒物が蓄積する現代である。妊娠前にろくすっぽ食べ物に気を遣っていなかった妊婦は、ひどいつわりによって、日頃の不摂生の代償を払うことになる。妊娠してからでも決して遅くはないから、食べ物に配慮することだ。体を酸化させる食材(粗悪な肉や脂肪酸など)は控えることが好ましい。

このように考えていくと、「有機ゲルマニウムは、妊婦さんが飲んでも安心です」どころではない。
酸素の重要性が倍加している妊婦こそ、率先して有機ゲルマニウムを摂りたい。以前のブログでも紹介したので詳述しないが、有機ゲルマニウムは赤血球の代謝亢進を促す。古くて固い赤血球にご退場願い、新しく柔らかな赤血球を生み出す(一般の採血データは古いも新しいもなく、単なる赤血球の数しか見ていない)。新鮮な赤血球が各器官に酸素を供給することで、様々な不調が一掃される。

ところで、この興味深い症例報告を書いたDr.Mieko Okazawaなる人物は、どのような人なのだろうか。症例報告したのは1977年、今から43年前のことである。今も存命中の先生だろうか。
ネットの時代である。検索してみたところ、岡澤美江子医師は98歳の今も横浜・金沢区で開業医をされている現役医師のようだ。
著書も出されていて、『天の配慮: 命の源流を探る唾液イオン反応~自然摂理は永久の真理』という本がKindle版であったので、さっそく購入した。

岡澤先生は、敗戦の雰囲気が色濃くなってきた1944年に東邦大学医学部の生化学研究室に入り、唾液の研究をしていた。
この研究を通じて、先生はひとつの着想を得た。それは「唾液とは血液である」というものである。
食事をし、それが胃腸で吸収されて血流に乗り、血液が唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)をろ過されて唾液になる。
つまり、唾液の性質(酸性アルカリ性の状態も含め)に血液の状態がモロに反映されているのだから、わざわざ採血をせずとも、唾液を調べることで体内環境を把握できるのではないか?
こうした仮説のもとに研究を進め、ついに大友慶孝氏とともに、唾液の酸化還元確認計(ORP)を開発するに至った。先生はこの機械を臨床に使って、着実に成果を上げているという。

非常におもしろいアイデアだと思った。確かに、唾液は医学的情報の宝庫だろう。これを臨床に応用する手法がすでにあったことに、驚かされた。
広く普及すればいいと思うけど、既得権益に阻まれて、なかなか難しいだろうな。
岡澤先生と有機ゲルマニウムの出会いについても書かれていた。
先生は、有機ゲルマニウムの発見者浅井一彦先生と面識があり、浅井先生から直接有機ゲルマニウムのすばらしさを教わって、自身の臨床にも使うようになったという。

長寿の医者というのは、長寿であるというだけで、その言葉の信憑性が5割増し、というところがある^^
98歳の今も現役の臨床医であり続けているというのは、やはり、この先生のアプローチ(酸・アルカリへの意識、有機ゲルマニウムの活用)は”本物”だと思うんだな。

『かたち』と『はたらき』

2020.2.29

嘘がまかり通っているのは、内科や精神科ばかりではない。整形外科も同じようだ。
長らく市中病院で整形外科医をしておられた坂井学先生は、西洋医学の矛盾に気付いた。
膝や腰が痛い、と整形外科を受診する患者。MRIを撮れば、何の異常がないことも多い。
逆に、軟骨が磨滅してほとんどないのに、痛みもなしに普通に暮らしている人もいる。MRI所見では神経が圧迫されているはずなのに、普通にスポーツをしている人もいる。
一体、どういうことだろう?
この矛盾は、しかし坂井先生だけが気付いているのではない。
整形外科医なら、ほとんど全員がこの事実に気付いている。ただ、誰も深く追求しないだけである。

先生は、ある治療手技との出会いから、『かたち』よりも『はたらき』なのだ、と気付き、さらに、『エネルギーの流れ』の重要性を認識し、この知見を実臨床に生かすようになった。
具体的には、たとえば、「温める」ことである。
このあたりは、坂井先生の著書『「体を温める」とすべての痛みが消える―腰痛、ひざ痛、股関節痛、間欠性跛行が治った!』(坂井学 著)を参考にして頂きたい。

先生は、西洋医学の矛盾に次第に耐えがたくなり、あるときついに、安定した勤務医の身分を捨てて開業を決意した。
その思いについて、このように語っている。
「私はただ、詐欺を仕事にしたくありませんでした。
MRI所見と実際の症状が矛盾すること、つまり、『かたち』の異常と症状が全然相関しない患者がしょっちゅういることは、ほとんどの整形外科医が気付いています。
そう、整形外科の診断や治療は明らかに矛盾しているんです。ある一定の『かたち』の異常に対して、痛みは千差万別です。
診断がデタラメなのだから、その診断にもとづいて行われる治療も的外れになって当然です。
繰り返しますが、ほとんどの整形外科医がこの矛盾に気付いています。
気付いていてなお、彼らが堂々とガイドライン通りの整形外科診療を続けられるのは、一体どういうことでしょうか。
答えはひとつ、本音と建前の使い分け、です。
本当は分かっているんです。心の中で「軟骨のすり減りが痛みの原因ではないのにな」と思いながらも、「軟骨がすり減っているので、痛いのですよ」と患者に説明します。
「神経の圧迫が痛みの原因ではないのに」と思いながら、「手術して圧迫を取り除きましょうね」などと患者に言っています。
整形外科学会の公式見解が「症状は『かたち』の異常に起因する」と教えていますから、それに盾突くことなんて、よほどの勇気がないとできないんです。
これが詐欺でなくて何ですか?
私は、こんな茶番を一生の仕事にしたくなかった。それで思い立って、整形外科をやめました。30年前のことです。
振り返ってみて、この決断は正しかったと、その確信は深まっています。
症状の原因を、『かたち』から『はたらき』に求める研究は、次第に明確になっています」

ちょっと僕なりのアレンジが入っているので、先生の直接の声に興味がある人はご著書に当たってください。
坂井先生のこの独白を読んで、「科が違えども、同じような悩みを抱え、独立に至った医者がいるのだな」と共感を覚えたし、また同時に、自分の勤務医時代を思い出して、何だか胸がせつないような、苦しいような気持ちになった。
精神科に勤務していた頃、治るはずのない、毒みたいな薬を処方することが心苦しくて仕方なかった。
現場の同僚のなかには、「気付いている」人もいた。でも彼らは、僕のように悩んでいるようには見えなかった。平然と、こんなふうに言う。
「精神科的投薬で精神症状が寛解する人はいるだろう。しかしそれは治癒ではない。だって、薬をやめれば、症状が再燃することは明らかだから」
「それってさ、原因にアプローチしていないから、だよね。薬で症状を抑えているだけなわけで。そういうのって、そもそも治療なのかな」
「知らんよそんなん。『こういうときにはこういう薬を使え』って指導医から習ったんだから。それだけのことだよ」
あまり突っ込んでも角が立つので、これ以上は聞けない。
「そんな仕事、むなしくない?」と聞いたところで、「お前も同じ仕事してるじゃないか」と返されるのがオチだろう。

独立した今なら、もう少し強気に問い質すこともできるだろう。でも、僕もいささか丸くなった。
そういう、「気付いていながら、ガイドライン通りの治療を淡々と続けている医者」も、それはそれで、世の中には必要なのかもな、と思うようになった。
「病気の真の原因とか、食事の改善とか、そういうややこしい話はいいから、手っ取り早くデパスをくれ、ロキソニンをくれ」という患者が確かにいて、そういう声をくみ取る医者も必要なんだ。
それに、すべての医者が医療の闇(ロックフェラーの意向、製薬利権など)に敢然と立ち向かう!となっても、何だか暑苦しいものな^^;
僕のようなスタイルの医療を必要としている人がいて、そういう人のために、そっと助けの手を差し伸べられる。それで充分かな、という気がしている。

真菌、コレステロール、癌21

2020.2.29

酔狂なことに、僕のブログを毎日フォローしてくれている人がいる。ありがたいことです^^
ちょっと前に東京で会った大学時代の同級生もその一人で、彼にこう言われた。
「あつしのブログはね、医学的なネタのときより、そうじゃないネタのときのほうがおもしろいよ」と。

わかる。ブログを書いている僕自身、お固い医学ネタよりも、都市伝説っぽい話とかゆるいネタを書いているときのほうが楽しいから^^
そもそも、なぜブログを書くのか。
クリニックの宣伝という意味合いはもちろんある。でも、それだけではない。
栄養や健康についての調べ物をしていると、「これはみんなが知るべきだ。公共の知識であるべきだ」というようなことに出くわすんだな。
そういうときには、”書いてて楽しい”という感情や”こういう話はみんなにウケるだろうな”という打算よりも、何か使命感のようなものに突き動かされて書いている。
HofferとSaulの”Orthomolecular Medicine For Everyone”を訳したのも、同じような思いからだった。

たとえば今、ブログで複数回にわたって参考文献にあげている本”Proof for the cancer-fungus connection”は、衝撃の一冊だった。
スタチンがなぜ、どのような機序で体に悪いのかを、スタチンの開発経緯にも言及しつつ、非常にクリアに説明している。
僕が知る限り、日本語文献(ネットや書籍も含め)でスタチンについてここまで深い知識を提供する情報ソースは、他にないと思う(あれば教えてください)。
『オーソモレキュラー医学入門』を訳したときのように、著者(James Yoseph氏)に連絡をとりたいとさえ思った。「ぜひ翻訳させてください。この本の内容は、すべての日本人が知るべきだと思います」と。
しかし、勤務医時代の僕ならともかく、翻訳のためにまとまった時間とエネルギーを割くことは、今の僕にはできない。
だから、せめて、つまみ食いの形であれ、僕のブログで”公共のものたるべき”知識を紹介しようと思った。

今のところ、本の3分の2くらいの内容は紹介した。できれば残り3分の1も紹介したい。
しかしただ単純に翻訳して紹介しても、一般の人はつまらないと感じる可能性が高いから、小ネタ的な話もからめつつ、わかりやすくなるように工夫したい。
結果、単純に翻訳するよりもはるかに大きな負担になっているという^^;
いっそ著者に連絡して翻訳しちゃえばよかったかなぁ。

たとえば、「スタチンの研究から、真菌とコレステロールと癌、これら三者の関係性が明らかになった」という知識。
これ、とてつもなく重要で、医療関係者は全員知っておくべきだと思うんだけど、化学の苦手な一般の人は「HMG-CoAリダクターゼの活性阻害」とかそういう言葉が出てくる時点で、「もう無理!」ってなるかもしれない^^;
でも、身内にスタチンを飲んでいる人がいるとか、あるいは自分が癌になったときとかには、僕がブログで紹介している知識がダイレクトに生きてくると思う。
ネット空間は、その気になれば誰もがアクセスできる公共の場所である。そこに、「僕が紹介しなかったら永久にそのまま埋もれてしまうかもしれない知識」を掘り起こし、記録しておく。
誰かの役に立つ可能性のある情報なのに、言葉の壁のせいでinaccessibleになっている情報を、accessibleにしておく。そういう行為には一応の意味があると感じている。

「カビ毒が体に悪いのは充分わかった。作用機序とかの話はもういい。カビ毒のせいで病気になったとして、結局どういう治療をすればいいんだ?」
恐らくここが、みなさんの一番知りたいところだと思う。しかし、もう少し辛抱して頂きたい。
別に、出し惜しみをしているというわけではない。ただ僕としては、著者(James Yoseph氏)の論理展開を尊重したいと思っているだけだ。
それに、仮にここで早急に結論だけを提示したとしても(たとえば「カビ毒にはウコンが効きます!」とか)、そんな結論には、ほとんど意味がない。
たとえば「人生とは、旅である」と誰かが言う。なるほど、一瞬名言のように聞こえる。でもこんな、結論だけ切り取ったような言葉は、実に空疎だ。
誰が、どのような人生経験を経て、この結論にたどり着いたのか。この言葉が絞り出されるに至った過程が少しでも見えないと、何も語っていないに等しいとさえ思う。
同様に、どの食材や栄養成分が体にいいのか、その結論だけ提示しても、何も届かないだろう。
そういうわけで、『真菌、コレステロール、癌』シリーズは、もうちっとだけ続くんじゃ(←亀仙人風)