院長ブログ

重曹、ニンニク

2020.1.26

『腹膜播種の除去に炭酸水素ナトリウム溶液が有用であった腹膜偽粘液腫の1例』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/77/12/77_3015/_pdf
日本語論文だから、みなさん読めます。
シモンチーニ博士が40年前からやっていた手技(重曹による癌治療)を、いまさら鬼の首をとったかのように論文にされても、日本の医療の後進性をアピールするだけだよね^^;
しかも、この論文はあくまで「腹腔内のゼリー状物質(腹膜偽粘液腫)の除去に炭酸水素ナトリウムが有効だった」ということの発見だけで、それが癌の除去にも有効であることに気付いていない。
シモンチーニ風にいえば、腹腔内のゼリー状物質はカンジダの産生する酸(あるいはカンジダの菌体そのもの)なので、ここに炭酸水素ナトリウム(アルカリ)を入れることできれいに洗浄できたわけだ。
考察部分にこうある。「粘液(ムチン)は炭水化物に富む糖タンパクを含む分泌液であり、アルカリで溶解し酸で沈殿する性質がある。炭酸水素ナトリウムにはアルカリ化による局所的な粘液溶解作用があり、腹膜偽粘液腫の粘液物質溶解にも作用したものと思われる。(中略)血圧低下が見られたが、機序としてはHCO3-が生体内でCO2になりPaCO2を上昇させ、血管を拡張させたものと考えられる」
そう、「万病は体の酸性化から起こる」というが、体をアルカリにすることで、たとえば高血圧も治る。
重曹で高血圧が治る機序としては論文に記載のある通りで、もう少し詳しく化学式を書くとこんな感じ。
HCO3- + H2O→H3O + CO2
血中の二酸化炭素濃度が上昇して血管拡張が起こる結果、血圧が下がる。
メイロンがめまいに効くのも同様の機序で、血管拡張によって内耳の血流が増加するおかげでめまい症状が軽減する。

重曹を飲む、などと聞くと、重曹になじみのない人にはちょっと抵抗があるかもしれない。
でも、日々の健康維持のために重曹を飲んでいる人や、重曹をクエン酸と混ぜて水にいれると簡単に炭酸水ができるので、これで自家製ハイボールを作る飲兵衛もいる^^
掃除にも使えて、変な合成洗剤で掃除するよりよほどきれいに落ちるし健康的だ。

シモンチーニ氏は外科医で、多くの癌患者の手術を行ってきた。自分の目で実際に癌腫を見ていくなかで彼が感じたのは、「癌は例外なく白く、まるで菌による感染症のようだ」ということだった。
この感想を単なる感想のまま終わらせなかったのが彼のすごいところで、乾癬や水虫に高濃度の食塩水を繰り返し塗布することで治した経験のあった彼は、癌治療に塩を使うことを考えた。「塩には強力な殺菌作用がある。癌が菌による感染症だとすると、塩による消毒が効くのではないか」
しかし実際にやってみたところ、うまくいかない。塩は体内にすぐに吸収されてしまって癌腫に届かない。また、皮膚などの体表への塗布は有効だったが、内臓の粘膜には刺激が強すぎて組織そのものを痛めてしまう。これでは治療に使えない。酢が水虫に有効であった経験から酢も試してみたが、失敗。様々な試行錯誤の末、ついに見つけた答えが、重曹だった。

個人的には、「重曹が、最終的にして唯一の絶対的解答」とまでは思わない。
シモンチーニ氏の仮説で含みがあるのは、「癌は真菌感染症ではないか」というところだ。だとすれば、真菌感染に効く他のハーブなども癌に効くかもしれない。
たとえばニンニク。
以前ブログに書いたけど、僕の父の話。
長年水虫に悩んでいた。市販の薬を様々に試したが、何をやっても効果は微妙。症状は一進一退、という感じだった。あるとき、ニンニクをしばらく酢に漬け、その酢が水虫によく効くとどこかで聞いて、試してみたところ、劇的に効いた。長年の症状がウソのように治ってしまった。
水虫は白癬菌つまりカビによる感染症であることが分かっている。ニンニクがカビに効いたということは、癌がカビによる感染症だとすると、ニンニクは癌にも効くのでは?

この可能性を念頭に論文を検索すると、さすが、世界は広くて、同じことを考える学者がすでにいるんだね。
こういう研究があった。
『ニンニクとタマネギ~その癌予防効果』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4366009/
「ネギ属にはニンニク、タマネギ、エシャロット、ニラネギ、チャイブ(アサツキ)などがある。これらの野菜は食材として世界中で使われており、また、医学的な効用のために珍重されている。
ネギ科植物の消費量を正確に評価していない難点はあるものの、疫学研究ではネギ科植物の摂取と癌(特に消化管の癌)リスクの減少には相関があることが示されている。この相関は介入研究によっても示されている。
ネギ科植物による癌予防効果を支持するエビデンスの大部分は、反応機構研究(mechanistic studies)で見出されたものである。これらの研究では、これらネギ科植物の抽出物や硫黄含有化合物がどのような作用機序で効能を発揮するかに焦点を当てている。具体的な機序としては、発癌物質の生物活性の低下、抗菌作用、酸化還元反応への関与などが示されている。ネギ科植物およびその化合物は、腫瘍発生の各段階に作用し、癌リスクに関係する多くの生物学的プロセスに影響している。本レビューではネギ科植物(特にニンニクとタマネギ)の癌予防効果と硫黄化合物の生物活性について議論している」

癌と診断されて以後、タマネギを生で食べるようにしたら、それだけで癌が治った、という話もある。
ネギ科植物に秘められたポテンシャルを、最近の科学は解き明かしつつあるようだ。

さらに、もっとズバリ、「ニンニクはカンジダに効くよ」と示した論文もある。
『生ニンニク抽出物がカンジダ・アルビカンスのバイオフィルムに対する効果』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4366009/
「生ニンニク抽出物がカンジダ属に効果があることはin vitroで示されており、この効果はアリシン(硫黄含有化合物)の作用によると考えられている。アリシンは生のニンニク一片につき約3~5 mg/gの濃度で含まれている。バイオフィルムを形成し付着するカンジダ・アルビカンスは、一般的な抗真菌薬に対して耐性を示す。
そこで我々は、生ニンニク抽出物がカンジダ・アルビカンス(バイオフィルム形成あり・なし)に対して有効かどうかを調べた。(中略)
【結論】:すごく効きました」

人間が科学の力で作り出した抗生剤に対しては、耐性菌ができてしまう。それならば、と新しい作用機序を持った抗生剤を作っても、その努力をあざ笑うかのようにまたすぐに耐性菌が現れる。菌とまともにやり合っても、人間はまったく敵わないんだ。
しかし、生ニンニクを潰して水に溶いただけの液体に対しては、こんなにタフなカンジダ菌があっさり死滅する。
人知の浅はかさ、そして、自然の抗菌薬のすばらしさ。こんなに明瞭な対比ってなかなかない。

癌で人生が終わるくらいなら、生ニンニクを食べて職場の同僚から「口がくさい」っていう陰口に耐えるほうが、まだマシではないですか^^

癌の代替療法

2020.1.25

癌患者は、自分が癌にかかる前に、すでに自分の身内が癌によってどうなったかを見ているものである。
医者の言うがままにいわゆる癌の標準治療(手術、抗癌剤、放射線)を受けた。それで助かったのならまだしも、まず、治療の甲斐なく命を落としている。医者は「手を尽くしましたが、癌の病勢に打ち勝つことはできませんでした」と頭を下げる。そうして頭を下げられると、何も言えない。「いえ、こちらこそありがとうございました」と場を収める。
しかし内心は違う。「ほんまかいな」と思っている。抗癌剤治療をやりだしてから明らかに体調が悪くなった身内の姿を、すぐそばで見ている。「治療どころか、死期を早めたんじゃないのか?」それが心の奥深くに潜む本心である。
さて、今度は自分が癌の診断を受けてしまった。身内と同じ轍は踏むまい、と決めているから、とりあえず医者の勧める標準治療は拒否する。
問題はそこからだ。これから、どうしたものだろう?
代替療法の探索を始めることになる。

ビワの種には抗癌作用が確認されている(もっとも、これはビワに限らず、バラ科植物(リンゴ、アンズ、サクランボ、桃、梅など)の種全般に言えることである)。
『アミグダリンの抗癌・抗腫瘍作用は本物か』http://immunopathol.com/PDF/ipp-2-e22.pdf
この論文では、アミグダリン(ビワの種に含まれる成分)が抗癌作用を発揮する機序について考察されている。結論部分で、癌だけでなく、動脈硬化、糖尿病の治療にも有効だと述べられている。
こんなふうに、すでに有効性が実証されているビワの種だが、「ビワ 種」で検索してみるといい。トップに来るのは、なんと、日本医師会監修のこのサイトである。
https://www.med.or.jp/people/knkshoku/biwa/
実に丁寧な作りで、いかにビワの種が危険であるかが力説されている。これだけクソミソにけなされたら、杏仁豆腐の立場はどうなる^^;
すごくわかりやすいページ構成で、かつ、検索のトップに来るということは、相当なお金が動いてるに違いない。
お上が躍起になって「ビワの種、ダメ!絶対!」と強調するということは、つまり、ビワの種は癌に効くということです^^;
そもそもバラ科植物の種は昔から漢方や料理に使われている。桃の種はトウニン(桃仁)として漢方の生薬そのものだし、杏仁豆腐はその名の通り、アンズの種(アンニン)を風味付けに使っている。呼吸器内科には、咳止めにキョウニン水を好んで処方する先生もいる。メジコンやフスコデが全然効かない頑固な咳も、これ一発で治ったりする。
ビワの種も、漢方では枇杷仁として「肝臓病、浮腫、咳、関節痛、風邪予防」などに効果があるとされている。
大昔から利用してきた生薬なのに、いまさら日本医師会が「青酸が猛毒!」などと危険性をわめきたてても、説得力ないよね^^;
ビワの種がなぜ癌に効くかの機序までわかっているのだから、癌の人は上手に利用すればいい。
ただし「ビワの種で癌が治る!」みたいな過大な期待はしちゃダメだよ。癌になったからには、長らくの不摂生とか生活習慣のゆがみが背景にあるはずで、そこの改善に取り組むのは絶対の必要条件。
そのうえでプラスして、ビワの種とかその粉末がネットで売っているから、試してみるといい。

日本医師会も患者を民間療法に走らせまいとして必死やのぉ笑
でもね、このネットの時代、もう情報の拡散は防げないと思うよ。
患者は、自分の家族が抗癌剤で死んでいくのを間近に見ている。こんなもんが治療じゃない、ということはわかっている。
というか、国(厚労省の役人)だってわかっている。抗癌剤は実は増癌剤で、こんなもんで癌が治るわけがないって、わかっている。
アメリカではその嘘がばれてきて、医者に言われるがままに抗癌剤治療を受ける人が減ってきたから、癌死亡率が減ってきた。

行き場のない抗癌剤の在庫処分場として、日本はいいように使われている格好で、世界で唯一癌死亡率が上昇している。
情報をきちんと仕入れて、自分の命は自分で守る、という意識がないとダメだよ。

前のブログで紹介したけど、重曹を使うのも有効だ。
『癌治療における緩和手段:炭酸水素ナトリウム~バカげた考えか、賢明な治療法か』
https://serval.unil.ch/resource/serval:BIB_197D722EF7F0.P001/REF.pdf
「医学の進歩にもかかわらず、癌は先進国の主要な死因であり続けている。結果、ますます多くの患者が代替療法に注目している。こうした治療法のなかでも、相当な関心を引いているのが、重曹(重炭酸ナトリウム)による癌治療だ。インターネット上にある自己治療報告によると、多くの患者は重曹を、簡単で、安く、しかも有効な抗癌剤だと感じている。これまでのところ、重曹の抗癌作用を実証する臨床研究はないが、多くの患者が自分の体で試した報告が、重曹による癌の進行遅延効果を示唆している。本稿において、我々は癌治療において重曹を利用する理論的妥当性を検証し、さらに、重曹の抗腫瘍活性の実験エビデンスを列挙している。
最後に、癌治療において重曹が果たす今度の役割について推測した」

重曹による癌治療を提唱したシモンチーニ博士は、40年以上にわたって多くの癌患者を救ってきたが、医学界から追放の憂き目にあった。
しかしこの方法は極めて簡単なので、その気になれば患者が自分で試すこともできる。そのため、世界中の癌患者が実際に自分で重曹を試し、その治療効果をネット上に発信している。
もう、そういう時代なんだ。医療のウソがばれて、患者に本当の情報が伝わる時代。すばらしいことだね。
そこで、シモンチーニ氏の方法をここで紹介しよう。
そもそも重曹は適量であれば無害だから、量的に厳密である必要はないけど、静脈点滴で行く場合は、5%炭酸水素ナトリウム溶液500㏄の投与でもって1回とする、というのが一応の目安。
でも、たとえば画像のようなメイロン8.4%を500㏄で行っても無害であることが確認されている。

この投与を6日間続け、次の6日間は休止する(あるいはこの休止中にビタミンC点滴をするのもいい)。
これを4~6サイクル行うと、ほとんどの癌は消滅する。部位や癌巣の状態にもよるが、通常は3~4日で退行を始め、5~6日でコロニーが崩壊するという。
飲用で行う場合は、10~20%の重曹水溶液を100~200mlくらい飲む。ざっと、コップ一杯に重曹を中さじ一杯いれる具合だ。
注意点としては、
・アルミニウムを含まない調理用の重曹を使うこと。
・1日に1回でいい。
・6日続ければ6日休むこと。
・癌が治ったらやめること。

ひとつの代替療法に猛烈に期待するのではなくて、効果があるとされている方法をいくつか組み合わせて使うといい。「救われるにはこれしかない!」という視野狭窄は危ういよ(「癌を治すには標準治療しかない!」という思い込みも含めてね)。
当院でも、癌患者にはビタミンC点滴やら各種ハーブやら、いろいろなものを使って対応している。
でもこのやり方でちょっと困るのは、癌が治っても「一体何のおかげで治ったのかよく分からない」っていうね^^;

参考
『ガンの新しい治療法』(シモンチーニ監修 世古口裕司著)

アシドーシスと病気

2020.1.23

前回に引き続き、癌は重曹で治癒できる、という研究を挙げる。

『癌細胞は重曹(重炭酸ナトリウム)によって打ち負かすことができるのか』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5954837/
「巨大な肝細胞肉腫(HCC)に対する肝動脈閉塞療法(TACE)の改良版のやり方について、Chao et al.が報告している。これによると、抗癌剤に5%の重曹(重炭酸ナトリウム)を加えて腫瘍に注入するのである。
小規模な無作為比較試験では、重曹を加えたTACEによる客観的反応率(ORR)は100%だった。TACE単独投与群のORRは63.6%であり、有意な改善率が示された (Chao et al., 2016)。
著者らは重曹によって腫瘍の乳酸アシドーシスが是正されることを期待していることから、この方法は腫瘍内乳酸アシドーシス標的TACE(TILA-TACE)と命名された。
著者らは以前、in vitro(試験管内)の研究で、乳酸アシドーシスがあると癌細胞はグルコース飢餓の状態になっても能率的に生存し続けることを示した(Wu et al.,2012)
乳酸アシドーシスという現象は、酸性度の上昇(アシドーシス)と乳酸の蓄積(ラクトーシス。乳酸血症)が特徴である。腫瘍に直接重曹を注入するTILA-TACE法によって、腫瘍内部の微小環境で乳酸濃度は変化させず、pHを上げてアシドーシスを改善することが期待できる。
この方法のキモは、乳酸アシドーシスの改善というよりは、アシドーシスの改善である。in vitroの研究では、ラクトーシスではなく、アシドーシスこそが、グルコース欠乏下の癌細胞の生存期間を延伸させることが示された(Wu et al., 2012)。
腫瘍細胞の生存にとってアシドーシスのほうがより重要であることを考えれば、重曹を腫瘍に注入して腫瘍内のpHを上げるだけで、腫瘍のアポトーシスが劇的に増えたことは、特別驚くほどのことでもないだろう」

上記の研究は中国のもの。
重曹を抗癌剤と併用することで有効性が高まった、という研究だけど、重曹の単独注入でも十分効果が出たに違いない。しかしそういう研究デザインでやってしまうと、製薬会社から研究資金提供が受けられない、というジレンマがある。「薬いらんやん」という研究を、製薬会社はスポンサーしない。
しかし重曹の有効性を確認しようという姿勢だけでも立派というべきで、日本ではこんな研究は望むべくもないだろう。

癌と診断された人は皆、インターネットでいろいろと調べるものである。そして「癌に甘いものは大敵」ということを知り、砂糖菓子はもちろん、厳しい糖質制限をしたりする。ここまではいいとして、でもそれだけでは充分ではない、ということを上記研究は示している。アシドーシスの条件下では、グルコースの供給を断っても癌細胞は死なないわけだから。

甘いものをやめることに加えて必要なのは、体をアルカリに保つ生活習慣を意識することだ。
体液をアルカリにすることの重要性は多くの医療者が言っている。
以前ブログで紹介したDr.Sebiもそうだし、ゲルソン療法で有名なマックス・ゲルソン医師も言っている。”alkaline diet cancer”で検索すると、多くの本がヒットする。癌の背景に体液の酸性化があって、癌の改善にはアルカリが重要だというのは、欧米では相当広く認識されているようだ。

実はアルカリが大事なのは、癌の治療に対してだけではない。Dr.Sebiは「すべての疾患は、体液の酸性化から起こる」とさえ言っている。
これは極論だとしても、一般の医学でも重曹の有効性を認めている疾患はけっこう多い。
メニエール病にメイロン(炭酸水素ナトリウム)を点滴するのは耳鼻科医には当たり前の知識だし、潰瘍や胸焼けに重曹が効く機序は小学生にも理解できる(胃酸が中和されるわけだから)。
しかし、たとえば自己免疫疾患にも重曹が効く、とまでいうと、多くの医者は眉をそびやかすだろう。しかしこんな研究がある。
『重曹の飲用により、安く安全に自己免疫疾患を治すことができる可能性』
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/04/180425093745.htm
「関節リウマチなどの自己免疫疾患による破壊的な炎症が、毎日重曹を飲むだけで軽快する可能性がある。本研究は、安価なOTC医薬品の制酸薬である重曹が、脾臓に作用することで抗炎症環境を作り出し、その結果、炎症性疾患に効果を発揮することを示した最初のエビデンスである」

「酸性になると病気になるのだから、重曹を摂取してアルカリに戻してやればいい」というのは議論としては乱暴すぎるけど、深く考察してみる価値のあるテーマだと思う。

シモンチーニ

2020.1.23

イタリアの医師トゥーリオ・シモンチーニは「癌はカンジダ(Candida albicans)が原因であり、重曹(sodium bicarbonate)の投与によって治療可能である」という考えのもと、多くの癌患者を治療したという。
癌が重曹で治るとすれば、副作用の多い抗癌剤(というか、副作用で患者を死に至らしめる抗癌剤)を使う必要がなくなるわけで、極めて画期的な発見である。
しかし日本では彼の業績はほとんど知られていない。
いや正確には、知っている人は知っていて、それを広く知らしめようとするのだが、そういうことをすると当局から様々な圧力がかかる。
たとえば最近、世古口裕司氏が著書『イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法 重曹殺菌と真・抗酸化食事療法で多くのガンは自分で治せる』を上梓し、朝日新聞の広告欄に宣伝をしたところ、各所から「医学的事実に反する」との指摘が相次ぎ、朝日新聞は以下のような謝罪に追い込まれた。
https://www.asahi.com/shimbun/release/2019/20191114.pdf
この謝罪記事は、要するに、
・シモンチーニ氏はすでに医師免許を剥奪されているのに、そういう人物の呼称に「医師」と書いた点。
・「癌は重曹で治癒する」という科学的に認められていない事柄を宣伝した点。
この二点について謝罪してるんだけど、前者はゴミくずみたいに小さい問題だし、後者のせいで謝罪するくらいなら、もう本の宣伝なんて一切できないんじゃない?
既存の考えにとらわれない新しい治療法を考案しても、頭の固い学会はそれを認めなくて、「それでは広く世に問おう」ということで本を出版する、という先生はちょくちょくいる。こういう類の本は、今後宣伝できない、ということになるのでは?
朝日新聞は、南京大虐殺とか従軍慰安婦問題とか国際的に宣伝しまくって日本の国際的地位を貶めたことについてはいまだに全然悪びれる様子もないんだよね。謝罪すべき順番というか重要度が、ぐちゃぐちゃじゃないの?^^;

検索すれば、シモンチーニ氏の業績を紹介するサイトはたくさんヒットする(ボロクソにけなすサイトも同じくらいたくさんヒットする)。
しかしそういう二次情報ではなくて、シモンチーニ氏の生の声(一次ソース)に触れるのが一番説得力がある。
英語が読める人は、シモンチーニ氏の著作”Cancer is a Fungus: A Revolution in Tumor Therapy”(『癌は真菌である~癌治療における革命』)を読むといい。

しかし値段がとんでもなく高騰している^^;需要が大きいのに当局から出版を止められているものだから、こういうことになるんだね。
でもありがたいことに、ネットの時代である。
http://getmoldtested.com/uploads/Cancer_is_a_Fungus-Tullio_Simoncini_MD_Oncologist.pdf
なんと、無料で読めてしまう。英語が読めることが前提だけど、情報は開かれているんだ。

gogle scholarで「tullio simoncini 」で検索すると、シモンチーニ氏の論文も出てきた。
http://www.artikelkanker.com/download/Cancer/CANCER%20-%20Is%20the%20Cause%20of%20Cancer%20a%20Common%20Fungus.pdf

シモンチーニ氏の方法に対して、「既存の医学で認められていない」という生産性のない批判ではなくて、真っ正面から検証すればいい。それが科学者同士のやりあい方でしょ。
と思って調べていると、こういう論文があった。
『癌の治療戦略として腫瘍の酸性度に対するアプローチ』
http://cancer.cytoluminator.com/cancer-photodynamic-therapy/Manipulating%20pH.pdf
この論文では、「癌はカンジダによって起こる」ということは一言も言っていない。ただ、癌細胞周辺では乳酸産生が亢進して酸性になっているものだから、アルカリ性の重曹を投与してはどうか、という切り口からアプローチしている。
カンジダが関与しているかどうかはともかく、治療として重曹を使うという点はシモンチーニ氏と共通している。患者の治癒こそが最優先事項だから、理屈の違いは本質じゃない。あとですり合わせていけばいい。
要約をざっと訳してみよう。

「癌の治療として、腫瘍の細胞外(あるいは細胞内)のpHに介入することは、かなりのポテンシャルを秘めている可能性がある。ほとんどの腫瘍の細胞外液は軽度の酸性である。これは腫瘍が乳酸を大量に産生するためである。
腫瘍の低酸素状態や好気的解糖は、主に低酸素誘導因子-1(HIF-1)の慢性的活性化によって引き起こされるが、これらが腫瘍酸性化の背景にある。腫瘍の酸性度は癌の進行度と相関する傾向があるが、これは、ひとつには、HIF-1が浸潤や血管新生を促進する能力を反映しているためである。
細胞外液の酸性度それ自体が癌細胞の浸潤と転移を促進し、さらに、この酸性度こそが多くの抗癌剤(軽度のアルカリ性である)に対する耐性を高め、免疫系が腫瘍を排除する働きを阻害している、ということについて、近年ますます多くのエビデンスが出てきている。
従って、腫瘍に対して細胞外液のpHを高めるアプローチは、治療戦略として充分な有用性を持ち得るものである。ネズミの実験では、重曹(炭酸水素ナトリウム)の経口投与によって腫瘍の細胞外液pHが上昇し、転移抑制と細胞毒性因子に対する反応性改善に効果があった。この治療戦略を実際の臨床現場で適用することは充分可能であると思われる。
別のアプローチとして、癌細胞のプロトンポンプを抑制する薬によっても、腫瘍の細胞外液の酸性度を緩和することが可能かもしれない。というのは、癌細胞の細胞内pHも低下することで、腫瘍の増殖を抑制し、様々な癌細胞系のアポトーシスを促進することができるからである。ヒトのメラノーマを移植したヌードマウスでは、プロトンポンプ阻害薬(エソメプラゾール)の投与により、腫瘍の成長が抑制され、生存率が高まった。
最後に、癌の好気的解糖を利用した高酸性化療法(hyperacidification therapy)の可能性について紹介しよう。これは、高血糖状態にし、さらにプロトンポンプ阻害薬(場合によってはジニトロフェノールも一緒に)も合わせて投与し癌細胞の内部を強い酸性にすることで、癌細胞を直接殺そうとする治療アプローチである。化学療法の補助的な手段として使うことも可能だろう。
プロトンポンプ阻害薬を使わない同様のアプローチとして、腫瘍の細胞外液の酸性度を極限まで高めて、そこにpH感受性のナノ分子に細胞毒性薬を詰めて、腫瘍選択的に攻撃する方法もあり得るだろう」

この論文を読んで、食物の保存技術のことを思った。
生ものを保存する、つまり、細菌による腐食から守るには、どうすればいいか。細菌の生育に適さないような極端な環境を作ってやればいい。干物(水分の完全喪失下では、菌も活動できない)、砂糖漬けあるいは塩漬け(高濃度溶液のなかでは、菌体が浸透圧を保てない)など、人間の生活の知恵は様々な保存法を編み出してきた。
上記の論文は、カンジダについて一言も言及していない。でも、極端な環境(アルカリ状態あるいは強酸性状態)にすることが、結果的には、カンジダ(=癌細胞)を叩くことにつながっている。
シモンチーニ氏の理論と全然矛盾していないところが、おもしろいね。

ストロング

2020.1.22

『ストロング系チューハイに薬物依存研究の第一人者がもの申す 「違法薬物でもこんなに乱れることはありません」』
松本俊彦氏
「ストロングZEROは「危険ドラッグ」として規制した方がよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります。私の臨床経験では、500mlを3本飲むと自分を失って暴れる人が少なくありません。大抵の違法薬物でさえも、使用者はここまで乱れません。
結局あれは「お酒」というよりも、単に人工甘味料を加えたエチルアルコール=薬物なのです。そして、ジュースのような飲みやすさのせいで、ふだんお酒を飲まない人や、「自分は飲めない」と思い込んでいる人でもグイグイいけます。そうした人たちが、ビールの倍近い濃度のアルコールをビール並みかそれ以上の早いペースで摂取すればどうなるのか。ただでさえ人類最古にして最悪の薬物といわれているアルコールですが、その害を最大限に引き出す危険な摂取法です。
お酒はお酒らしい味をしているべきであり、公衆衛生的アプローチを考えれば、本来、酒税は含有されるアルコール度数の上昇に伴って傾斜すべきです。それなのに、「税収ありき」の国の二転三転する方針にメーカーが追い詰められて、確実におかしな事態を引き起こしています」
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/strong-1

僕自身酒はときどき飲むほうなので、アルコール全般を「人類最古にして最悪の薬物」と切って捨てているところには同意しかねるけど^^;、この記事にはおおむね共感できる。
僕の患者にもストロングを飲んでいる人は多い。
どれくらい飲みますか?
「寝る前に、缶チューハイ2本くらいですね」
さらっと答えるものだから、別にそれほど多くないですね、なんてスルーしちゃいそうになるけど、ここでしっかり銘柄を聞かないといけない。
缶チューハイって、ストロングですか?
「ええ、そうです。よくわかりますね」
350ミリ?
「いえ、500です」

一般のチューハイか、ストロングかで、アルコールの意味が相当に変わってくる。
まず、アルコール度数の高さ。9%どころか、12%のものまで出てきた。

もうひとつは、アルコールと人工甘味料を一緒に飲むリスク。

アセスルファムカリウムやスクラロースの毒性については以前のブログで書いたから繰り返さない。
これらは単独で摂っても有害だが、アルコールと一緒に摂取することで、毒性の相乗作用が起こる。つまり、アルコールの害と人工甘味料の害の掛け算が起こる。

たとえば、こんな研究がある。
『人工甘味料入りアルコールは、砂糖などの通常の甘味料入りアルコールよりも、胃内容排出とアルコール吸収を促進する』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16945619
「オレンジ風味のウォッカ(600ml中エタノール30g含有)で、通常のショ糖で味付けしたものを飲んだ場合と、人工甘味料で味付けしたものを飲んだ場合で比較した。
エコーで半減期(胃内容物が半分になる時間)を比較すると、人工甘味料が有意に短かった。
血中のエタノール濃度のピークと、0~180分の血中エタノール濃度のAUC(グラフ面積)は、いずれも人工甘味料群が大きかった。」

人工甘味料入りの酒は、普通の甘味料入りの酒と比べて、吸収が早いということだ。
論文の著者は「この研究結果は、学校教育で教えるなり缶のラベルに表示するなりして、人々に周知させる必要があると思います。消費者はアルコール度や飲む量を気にすることはあっても、吸収速度までは意識しないでしょうから」
しかしこの研究の出るずっと前から、酒飲みはこの事実に気付いていた。
「そう、吸収が早い。そんなことはね、学者さんがどうこう言う前に、とっくの昔からわかっている。だからこそ、じゃないか。だからこそ、ストロングを飲むんだよ。手っ取り早く酔っぱらえるからね。ストロング1本で、生ビール3本分くらいの酔い心地だね」

飲料メーカーも商売だから、売れるものを作る。
そして今、ストロング系が売れに売れている。相対的に酒税も安いし、企業側としては実においしい商品だろう。
しかし、これを飲む人の健康はどうか。高いアルコール度と人工甘味料の弊害とその相乗作用とで、相当なリスクにさらされることになる。
甘いジュースのようだから、CMのようにごくごくと飲めてしまう。
リスクを知っててなお「手っ取り早く酔いたいから飲む」という人は、自己責任で好きにすればいいけど、そういうリスクを知らない人は気の毒だね。

神戸

2020.1.21

神戸の地震が起こってから25年が過ぎた。
25年といえば四半世紀。干支が二周まわって余りある時間は、決して短くはない。
地震当時中学生だった僕は、大学で県外に出て社会人として働き、そして再び、神戸に戻ってきた。
うれしいこと、つらいこと、挫折、成功、いろいろな経験を積んだ25年である。

個人が大きく変貌するように、町だって大きく変貌する。この神戸の町も例外ではない。
僕にとっての25年は、成長の時間だった。世間知らずの中学生が、クリニックを開業し、一応曲がりなりにも生計を立てる術を得るに至ったのだから。
しかし残念ながら、神戸にとっては衰退の一途の25年だった。

神戸といえば港町である。
主要な国際貿易港(五大港)のひとつとされ、1970年代から80年代にかけて、神戸はニューヨーク、ロッテルダムと並ぶ世界有数の貿易港だった。
ところが地震によって港が大きな被害を受け、アジア各地から集荷していたトランシップ貨物が他の国の港にシフトすることになった。かつて世界2位だった国際順位は2000年以降20位以下となり、アジアでは釜山港にハブ機能を譲り渡す格好となった。国内においても、貿易額ランキングで東京港、横浜港、名古屋港に次々と抜かれ、神戸がかつての勢いを取り戻すことはなかった。

人口の減少も止まらない。
神戸市は人口数でかつて政令指定都市の「五大市」だったが、2016年福岡市に抜かれた。さらに2019年には川崎市にも抜かれた。
人口数、出生数、生産年齢人口の減少と老年人口の増大、都市部(東京、大阪)への人口流出、女性の非婚化が著明に進んでいる。
かつて神戸市は「株式会社神戸市」といわれた。都市開発に大成功し、全国の自治体から見学者が来るほどだった。
しかし、神戸=都会、というイメージは、もはや正しくない。少子高齢化のあおりをモロに食らって衰えゆく町。それが神戸の実態だ。

なぜ、こんなに衰退しているのだろう?その原因は?
大阪への対抗意識、三宮中心主義の失敗など、いろいろと分析されている。
https://kansai-sanpo.com/kobe-1/
個人的な実感としては、単純に、住みにくいんじゃないかな。税金が高いし、家賃も高い。
神戸の人口は減っているけど、周辺の明石や西宮の人口が増加している理由はこのあたりにあるんじゃないかな。明石に住んでてても新快速一本ですぐ大阪に出られるし、何も神戸在住っていうブランドこだわるメリットが、もはやないのかもしれないね。

でも正直、どこに住もうが、日本に住んでいる限り、大差ないんだろうなとも思う。
神戸港が衰退していると言ったけど、じゃあ現在日本トップの貿易港(東京港)が国際的にどうなのかというと、箸にも棒にもかからない。
アジアでは中国や韓国の存在感が強くて、北米やヨーロッパとアジアを結ぶ基幹航路は、もはや日本を素通りしている。
神戸が失墜したんじゃない。世界の中で、日本自体が落ち目なんだ。

人口減少も同じことで、神戸の衰退というか、日本の衰退なんだと思う。
でも僕は、全然悲観的になっているわけじゃない。それどころか、一度しっかり落ちればいい、とさえ思っている。経済的成功が幸せに直結しないことをきちんと認識し、内面の豊かさこそ、幸せにつながる唯一の道なんだと気付くきっかけになればいい。
まぁどういう価値観で人生を送るにしても、「健康であること」は最初の前提条件だ。病気で伏せっていては、成功も挫折もあったもんじゃないからね。
健康管理のためには、どうぞ当院をご利用ください^^

シラジット

2020.1.20

犬を飼っている人なら、散歩中に愛犬が土を食べるのを見て、驚いた経験があるだろう。
他にも、一緒に飼ってる猫のトイレの砂を食べたり、庭にある小さな砂利を食べたり、という犬もいる。
いきなり狂ったのではない。
動物は、人間のように言葉を使って思考しないけれども、決してバカではない。内なる本能の声を聞くことができて、彼らはその声に従って、土や砂を食べている。
自分の体内にミネラルが不足していることを、適切に察知しているのだ。

人間で同じことが起これば、異食症(pica)という診断がつく。
診断がつくからには「病的」だと思われるかもしれないが、人間も動物である。本能の声が、土を求めているのである。
妊婦が壁土を食べる、という話はあちこちで聞くし、実際ある患者は僕に「妊娠中やたらと土が食べたくて、何かおかしくなったんじゃないかと思った」と打ち明けてくれた。
土に限らず、髪、チョーク、線香、マッチ棒などに食欲を感じる人もいるし、氷を食べたくなる若年女性は全然珍しくない(特に氷食症という)。

土はミネラルのカタマリだということを、僕らの本能はきちんと察している。
ただ「土を食べる」という行為が、僕らの身につけた常識とあまりにも乖離していることから、多くの人はこの本能の声を聞こうとしない。
しかし世界は広いもので、土を食べる行為が文化として確立している国もある。
ケニアのスーパーマーケットでは、オドワという妊婦や若年女性が食べるための石が、当たり前に販売されている。

オドワ売りの男がいう。
「妊婦によく売れるよ。うちのかみさんは6人の子供を産んだけど、オドワを食べて養生したから妊娠中も健康そのものだった。スイーツやチョコレートなんかの甘いものを食べてる妊婦はダメだね。体がヤワになっちまう」
ベトナムには土を網で焼いて客に出す習慣のある地域があるし、ハイチには「テーレ」という土入りのビスケットがある。日本でもアイヌの人々がユリ根と一緒に土を煮て食べていた。
そう、土を食べることは本来病的症状でもなんでもなく、僕らの内なる声だったんだ。

土を食べたい衝動を感じたとしても、現代において、その衝動を実行することはなかなか難しいだろう。本能の声にきちんと従おう、と思い立ったとしても、農薬やら除草剤やらわけのわからないものが浸透している可能性がある日本の土を食べることは、別のリスクを抱えると思う。
そういう人には、シラジットを勧めたい。

シラジットはアダプトゲン特性が確認されているハーブのひとつである。(「アダプトゲンとは何か?」については以前のブログで書いたので繰り返さないけど、簡単にいうと「抗ストレス作用のあるハーブ」のこと)。
シラジットは、アーユルヴェーダ医学で長年使われてきた歴史があって、安全性については折り紙つき。実はシラジットは、平たくいうと「発酵した落ち葉」なんだ。
葉っぱが土の上に落ちる。様々な微生物がそれを分解し、砂や土が混じり合い、土が肥沃になっていく。その、葉っぱとも土とも微生物ともつかない、天然の腐植土と植物性有機物の混合物。これがシラジットの本態だ。
主成分はフルボ酸(fulvic acid)で、フルボ酸のサプリもあるが、同じ飲むのならシラジットのサプリを勧めたい。

ミネラルが不足しがちな妊婦や若年女性にオススメなのはもちろんだが、アルツハイマー病に対する効果も認められているから、認知能力の低下しはじめた高齢者も服用するといい。
シラジットの有効性を検証した研究は数多いが、たとえばこういう論文。
『シラジット~癌に対する万能の腐植物』
https://www.researchgate.net/publication/288142673_Shilajit_A_humic_matter_panacea_for_cancer
「癌は心血管系疾患に次いで主要な死因である。癌の主要な病因としては、炎症、遺伝子変異、毒素、フリーラジカル、重金属、糖分、ウィルス、放射線などがあって、これらによって癌の発症と進行が促進される。
シラジットは黒っぽい茶色の植物性ミネラルで、世界中の多くの山岳地域で産出し生薬として用いられている。
シラジットはその成分として60~80%のフルボ酸とフミン酸(humic acid)を含む腐植物である。シラジットの生物活性は、主にこれら二つの酸の化合物によるものである。本レビューでは、シラジットおよびフミン酸化合物の癌に対する予防作用および治療特性に焦点を当てた。
シラジットおよびフミン酸化合物には、抗炎症作用、抗酸化作用、抗変異作用、抗毒素作用、抗ウィルス作用、重金属キレート作用、抗腫瘍作用、アポトーシス作用、紫外線防御作用がある。
これらの特性によって、シラジットは癌の治療および予防に効果を発揮する。さらに、シラジットには副作用の報告がなく、栄養補充に用いることもできるし、加齢に伴う諸問題に対する若返りの生薬として用いることも可能である」

癌の発生機序となる要因のすべてに対して抑制的に働いている、というのはすばらしいと思いませんか?しかも副作用もないというのだから、使わない理由が見つからない。

若年女性の貧血に対して、どうしたものかなと長らく考えてきた。
単純に鉄剤を処方するのは、別に間違っていないとは思う。でも、鉄剤はフリーラジカルの発生源でもある。体の酸化が促進され、各種疾患にかかりやすくなる。
理想的には、ケニアのスーパーマーケットで売られているように、僕も石(オドワ)を売りたい。でもそんなことをすれば、狂った医者だと思われるに決まっている^^;
だから、次善策としてシラジットを勧めるようになった。文献的なエビデンスとしてはあまりないんだけど、臨床的な印象としては、よく効いていると思う。
鉄欠乏貧血の女性というのは、実は欠乏しているのは鉄だけではなくて、他のいろいろなミネラルが不足している。そういう女性に一番効くのは、オドワのような「ちゃんとした石」を食べることだけど、「落ち葉と土の混じったもの」であるシラジットでも充分効く。
でも、シラジットが何かということについては、患者が引いちゃうからあまり言いたくないんだけどね^^;

納豆菌とカンジダ菌

2020.1.19

あるとき、患者から「発酵食品が必ずしもよくない、場合によってはむしろ有害だって聞いて、納豆は食べないようになりました。もともとそんなに好きでもなかったから、仮に一生食べられなくなったとしても、別に構わないですけどね」
へー、それはどこで聞かれましたか?
尋ねると、ソースを教えてくれた。その本を取り寄せて、読んでみた。
『「おなかのカビ」が病気の原因だった ~日本人の腸はカビだらけ』(内山葉子著)
著者の主張を簡単にまとめると、慢性的な不調(便秘、下痢、腹痛、皮膚トラブル、頭痛、関節痛、抑うつ、生理前の不調、倦怠感、食後の眠気、甘いもの欲求など)は、すべて「おなかのカビ」つまり、腸の状態が悪化していることに起因している。その原因は三つあって、抗生剤の乱用、発酵食品の摂りすぎ、日本の気候と住居、である。

いい本だと思った。素直に、「なるほど」とうなずける本だった。
患者は納豆をすっかりやめてしまったというが、別に著者は発酵食品を全否定しているわけではない。人によっては「おなかのカビ」の増殖を促進してしまう、と指摘しているだけだ。適量(あるいは少量)摂取する分には、特に問題はないだろう。
小麦や牛乳をやめ、カビの生じやすいトウモロコシ、麦、ナッツ類は控えめにすること。
逆に、カビの抑制に有効なものとして、ローズマリー、オリーブリーフ、リンゴ酢、梅干し、重曹、活性炭などが挙げてあって、参考になった。
「おなかのカビ」という表現は医学的にはまったく不正確で、研修医が頭の固い指導医の前でこんな言葉を使えば「もう一回医学部1年からやり直してこい」と言われてもおかしくない^^;しかし、感覚的にはとてもわかりやすくて、一般ウケする表現だと思う。

いわゆる「カビ」は、カテゴリーとしては真菌のことだ。真菌には、酵母やキノコも含まれる。
「真菌と細菌、どちらも「菌」なんだから同じようなもんだろう」、と思われるかもしれないけど、分類的にはまったくの別物だ。
最大の違いは、核膜の有無。細菌は原始的で、遺伝情報を乗せた染色体DNAが細胞内にむき出しで存在するのに対して、真菌には染色体を包む核膜がある。この点で、真菌は人間と同じ真核生物だ。
だからこそ、抗生剤が問題になる。
抗生剤といえば、普通、「抗細菌剤」のことである。つまり、抗生剤の服用によって腸内細菌を含む全身の細菌叢が大ダメージを受けるが、真菌はまったくの無傷、ということになる。
様々な菌種が協調したり拮抗したりしているのが僕らの腸である。そこで、抗生剤によって腸内細菌が死に絶えると、抗生剤の効かない真菌の天下、という状況になる。
有名なのはCandida albicansである。これは本来、日和見菌(特に善玉でも悪玉でもなく、状況次第でどちらにもなり得る菌種)で、消化管、体表、女性の膣粘膜に普通に生息しているが、抗生剤の投与などによりバランスが崩れると、一気に増殖して、病原性を持つ。

一般の人が、カンジダ菌と聞いて思い浮かぶのは性感染症のほうの膣カンジダだろう。
しかしカンジダが存在するのは膣に限らず、おなかのなかにも肌にもいるし、そもそもカンジダ菌自体が病原菌であるというよりは、カンジダ菌に病原性を持たせてしまう習慣(乱れた食事、抗生剤の使用など)こそ、本当の問題なんだ。
もっと言えば、カンジダは食文化と切っても切り離せないものだ。
Candida etchellsiiやCandida versatilisなどは味噌や醤油の発酵に関係しているし、Candida stellataはワインの醸造に関係している。
日本酒はCandidaではなくて、Aspergillus(アスペルギルス)属のコウジカビの発酵を利用したものだが、両者とも真菌だ。

有名な造り酒屋の一人娘が、男と恋仲になり、結婚することになった。しかし娘の父は、その男の職業を知るやいなや、結婚に断固として反対した。なぜだと思いますか?
その男の仕事が納豆屋だったから、というのが答えです。
実話かフィクションかは知らない。ただ、話としてはおもしろい。
そう、納豆菌は酵母菌の大敵で、酵母の菌種のなかに混入すると、製品が全部だめになってしまうどころか、酒蔵自体、もうアウトかもしれない。
だから、どこの酒蔵も納豆に対しては大変な神経を使う。愛する娘の結婚となれば、父としてはうれしいが、納豆屋のせがれとの結婚となれば、酒屋家業が傾きかねない。父が反対するのはもっともなことだったのだ。

酒蔵見学に際しては、納豆を食べて行かない、というのが絶対のマナーだ。

1979年と古いけど、こういう研究がある。
『納豆菌(Bacillus natto)と大便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)がカンジダ(Candida albicans)の成長に及ぼす拮抗作用』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/119897
「納豆菌と大便連鎖球菌にカンジダの成長を抑制する作用があるかどうかを調べた。納豆菌(Bacillus natto系)を長期間培養した濾液にカンジダ(C. albicans RIMD 0301020)の保存株を植え付けたところ、カンジダの生存能力が完全に失われた。一方、臨床現場で採取した別種のカンジダ(C. albicans RIMD 0301011)ではそうした現象は起こらなかった。
静置ではなく、循環液の流れのなかで納豆菌と混合培養すると、どちらのカンジダも成長が抑制された。
バッチで培養すると、納豆菌はカンジダの成長を抑制しなかった。多剤耐性の大便連鎖球菌BIO-4Rもカンジダ(C. albicans RIMD 0301011)の成長を抑制したが、循環液の流れのなかで培養すると納豆菌と共存した。
これらの発見は、ヒトの腸管内において納豆菌は大便連鎖球菌BIO-4Rと協調して、カンジダの成長を抑制している可能性を示唆するものである」

納豆菌は100度で煮沸しても死なず、真空においても死なず、胃酸によっても死なず腸まで届く。
むちゃくちゃにタフな細菌だから、味方につければこれほ心強い細菌はいないよ。
しかし酒屋の杜氏としては敵視せざるを得ないから、納豆は一生口にしないって決めてる杜氏さんも多いという。
日本酒も納豆も同じ日本の食文化だけど、こんなにも「水と油」なんだねぇ。

難聴と栄養

2020.1.18

人間の様々な身体機能は20代がピークで、その後次第に衰えていく。
30代40代のうちは、まだその衰えを自覚していないかもしれない。しかし検査をすれば、老いの兆候がはっきり現れる。
たとえば、聴力。
老人性難聴、という言葉があるくらいだから、聴力低下は老人になってから、と思われるかもしれない。
しかしモスキート音(17 Khz程度の可聴域ぎりぎりの超高音)は、10代の若者には聞こえるが、20代30代の若者には聞こえない(このことを利用して、コンビニの前でたむろする10代の不良を撃退するために、こっそりモスキート音を照射するコンビニがある。害虫を追っ払ってるみたいだね^^)。
つまり加齢性難聴は、すでに20代あたりから進行が始まっているのだ。
この特性を利用して、耳年齢を判定するアプリがあるし、こういう動画を見ても耳年齢を大まかに知ることができるだろう。

僕は15 kHzでギブアップ。なーんも聞こえません!老いを認めざるを得ない^^;
加齢に伴って次第に可聴域が低下して、会話や生活音(1~8 kHz程度)まで聞こえなくなると、ようやく「耳が遠くなったな」と症状として実感するようになる

加齢によって次第に高音域の聞き取り能力から低下していく傾向は、人間だけではなく、他の動物とも共通している。マウスでも5~6か月齢あたり(人間の20~30歳相当)から高音域の聴力が低下し始め、次第に低い音域も聞こえなくなっていく。人間と共通しているおかげで、マウスを使って加齢性難聴の発症メカニズムや予防法の研究をすることができる。
たとえばこういう論文。
『C57BL/6J系マウスの加齢性難聴はBak依存性のミトコンドリアのアポトーシス(細胞自死)を経由して起こっている』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19901338
「加齢性難聴は、哺乳類の老化に広く見られる現象であり、老化集団に最もよく見受けられる感覚障害である。ありふれた病態でありながら、その分子的な発症機序は不明であり、従って治療法も存在しない。
しかし、C57BL/6J系マウス(マウス実験で使われる超定番のマウス)のミトコンドリアにあるアポトーシス促進遺伝子Bakを除去すると、蝸牛にあるらせん神経節と有毛細胞の加齢性アポトーシス(細胞自死)が減少し、加齢性難聴が起こらなかった。
蝸牛細胞にあるBak遺伝子は酸化ストレスによって発現が促進されるが、Bak遺伝子が存在しないことにより細胞のアポトーシスが起こらない。さらに、ミトコンドリアを標的としたカタラーゼ導入遺伝子は、蝸牛のBak遺伝子の発現を抑制し、蝸牛の細胞死を減少させ、加齢性難聴を防いだ。
ミトコンドリアの抗酸化のために、経口でアルファリポ酸、コエンザイムQ10を経口投与によっても、Bak遺伝子の発現を抑制し、加齢性難聴を予防することができた。
つまり、加齢性難聴の発症機序には、酸化ストレスに対する応答としてBak依存性ミトコンドリアアポトーシスが関与していることが示された」

要するに、
加齢性難聴には酸化ストレスが関係しているから、酸化を防ぐことで加齢性難聴を予防したり進行を遅らせることができる、ということだ。
研究で使われたのは、アルファリポ酸とコエンザイムQ10のサプリだけど、他の抗酸化サプリ(たとえばNAC、ビタミンCとかEとか)でも同じような効果があるんじゃないかな。

乳酸菌の摂取によって加齢性難聴の発症を遅らせることができたという研究もある。
『熱処理乳酸菌(Lactococcus lactis H61)の摂取によって、C57BL/6J系マウスの加齢性難聴の発症を遅らせることができる』
https://www.nature.com/articles/srep23556
「加熱により死菌となった乳酸菌(Lactococcus lactis subsp. cremoris H61:strain H61)をマウス(C57BL/6J系)に投与して、その摂取による効果を調べた。
strain H61を0.05%含む食事を6か月間与えられた9か月齢のメスのマウスは、対照群のマウスよりも、聴性脳幹反応において有意に低い閾値を保っていた。
(聴性脳幹反応というのは、音刺激によって生じる脳波を調べる検査で、本人の意思と無関係に生じる。だから、本当は耳が聞こえるのに病気を装って障害者認定を受けようとするのは不可能だ。でもサムラゴーチさんみたいに、聞こえるのに障害者手帳を持っている人もいたり^^;)
これはつまり、加齢に伴って起こる蝸牛の神経細胞や有毛細胞の消失が、strain H61の摂取によって抑制されたということである。糞便を使った腸内細菌解析によると、strain H61の摂取によって乳酸桿菌が増加しており、この数と聴力に正の相関が見られた。さらに、血中脂肪酸濃度は聴力と負の相関を示していた。
まとめると、6か月間のstrain H61(死菌)の摂取により、腸内細菌叢が変化し、脂肪酸などの血中の代謝レベルが変化したことによって、加齢性難聴の発生が遅れたものと考えられる」

腸内細菌にはビタミン産生能のある菌が多いから、腸相のいい人は、おなかのなかにサプリメント製造工場があるようなものだ。わざわざサプリを摂取せずとも、菌のほうで勝手にビタミンを作ってくれるんだから、こんなにありがたい話はない。
たとえば、この研究で使われたLactococcus lactis やLactococcus brevisはビタミンK、GABA、共役リノール酸を作るし、Bifidobacterium(ビフィズス菌)はビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ニコチン酸、ビオチンなどを作ることが知られている。
最近の耳鼻科学会では、腸脳相関ならぬ「腸・内耳相関」がよく演題に上がっている。
やっぱり、腸が大事、ということだな。

スクラロース、ステビア

2020.1.16


せっかく健康のために飲んでいるEAAやプロテインなのに、体に悪い添加物を摂っているとなっては、もったいない。
アスパルテームやアセスルファムカリウムがなぜ体によくないのかについては、以前のブログに書いたから、ここでは繰り返さない、
では、スクラロースやステビアについてはどうなのか。

『スクラロースは経口グルコース負荷に対する糖反応およびホルモン反応に影響する』
https://care.diabetesjournals.org/content/36/9/2530
「スクラロースなどの非栄養性甘味料(NNS)は、動物実験において代謝に影響を与えることが報告されている。しかしこれが人間でも同様であるのかについては明らかではない。そこで我々は、スクラロースの投与が、経口グルコース負荷の代謝反応にどのように影響するかを調べた。
血中のグルコース、インスリン、Cペプチドの動態を調べることにより、β細胞の機能、インスリン感受性、インスリンクリアランスを評価した。
結果、スクラロースの投与によって、血中グルコース濃度のピーク値が上昇し、インスリンのAUC(area under the curve)が20%増加し、インスリン分泌速度のピーク値が22%増加し、インスリンクリアランスが7%減少し、インスリン感受性が23%減少した。グルカゴン様ペプチド1、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド、グルカゴンのAUC、β細胞感受性に関しては、有意差がなかった。
結論
スクラロースの摂取によって、グルコース摂取時の血糖値およびインスリン動態が大幅に乱れる」

スクラロースよ、お前もか。
やはり甘味料というのは、ロクでもないのばかりだね。甘い話にはウラがあるもので、甘い味にもウラがあるんだな。
どうせステビアも有害なんだろうなと思いながら調べていると、、、なんと、体に悪いどころか、むしろ薬効があって、糖尿病、高血圧、肝炎、胃腸炎に対する効能が示されているという。
そもそも、ステビアは植物の名前(キク科ステビア属)で、原産地のパラグアイでは神聖なハーブとして崇拝の対象だった。甘味料である前に、まず、ハーブなんだな。
ステビアを抽出して(ステビオシド)初めて商品化したのは、意外にも日本で、当初は醤油の甘み付けなどに利用されていた。
砂糖の300倍の甘みがありながら、しかも体に何かとありがたい効果があるなんて!こんな都合のいい”甘い話”があっていいのだろうか^^
でも、実際多くの論文が、ステビアのハーブとしての優秀性を示している。
たとえばこういうの。
『ステビオシドの低血糖作用の機序』
https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/html/10.1055/s-2005-837775
「果糖を食べさせまくって糖尿病にしたラットを使って、ステビオシドがグルコースとインスリンの代謝にどのように影響するかを調べた。
ステビオシド(0.5mg/kg)の投与によって、血糖値が低下した(ピークは投与から90分後)。ステビオシドを1日2回投与すると、用量依存性の血統低下作用が見られた。
正常ラットにグルコース負荷テストをするとき、ステビオシドを投与するとグルコース上昇が抑制された。
ステビオシドの投与を15日続けると、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)とPEPCK mRNAが、用量依存性に減少した。
また、ステビオシドは糖尿病ラットのインスリン抵抗性を改善した。
結論として、ステビオシドは、インスリン分泌の促進と、インスリン利用効率を改善することにより、血糖値を安定化することができる。後者の作用は、ステビオシドが肝臓に作用することでPEPCK遺伝子の発現が減少し、糖新生のペースが遅くなることが背景にある」

甘いもの中毒で、「とにかく何でもいいから甘みが欲しい」という人は、ステビアならオッケーかもしれない。「かもしれない」というのは、個人的には話がうますぎて、にわかに信じがたいから^^;

健康のために積極的にステビアを摂る、というのはちょっと違うと思うけど、たとえばある商品の原材料を見て、甘味料としてステビアしか入っていないのであれば、アスパルテームやスクラロースより安心、ということは言えるだろう。
プロテインやEAAを飲んで糖尿病が悪化した、という人は、プロテインが悪いというよりも、それに含まれる添加物が悪影響を与えたということだろう。添加物にも気を遣いましょう。