院長ブログ

ビタミンとIQ

2018.6.2

親は我が子に多くのものを望むものだ。
妊娠中は「五体満足、健康に生まれてくれさえすればいい」と謙虚に願っていたのが、ひとたび健康に生まれ育っていくと、「頭のいい子になって欲しい」とか「運動神経のいい子がいいな」とか「男前(美人)に育ってほしいな」とか、いろいろ要求過多になっていく。「這えば立て、立てば歩めの親心」って誰かも言ってたけど、こういう高望みは自然な親心だろう。

我が子の頭をよくしたい、と思っている皆さん!
実は、子供の頭をよくする方法があります。
それも、根拠のない俗説ではなくて、きっちり科学的なエビデンスの裏付けがある方法です(さらに言うと、これは「子供の頭を」と限定する必要はなくて、成人の知的活動の働きを高める方法でもあります。)

結論から先に言いましょう。
それは、すばり、栄養です。
もっと具体的には、精製糖質(砂糖)をやめることとビタミン(特にB群)の摂取がポイント。

これも”Orthomolecular Medecine For Everyone”に書かれていたことなんだけど、ざっと紹介しましょう。

子供の学習障害の原因は栄養の欠如である、ということをルース・ハレルという女医さんは何十年も言い続けてきた。
1943年に「チアミンの学習への効果」という論文を発表した。「チアミンにより子供の精神的・身体的技能が向上した」と述べている。
1956年には妊婦や授乳中の母親の食事が子供の知性にどのような影響を与えるのかを研究して、「妊婦、授乳中の母親が食事にサプリを補うことによって、その子の三歳時、四歳時の知能指数が向上した」という。
チアミンを与えられた子供は、プラセボを与えられた子供に比べ、学習能力が25%上回った。一方、砂糖は体内での代謝のプロセスでチアミンを消耗してしまう。ADHDや子供の学習障害の発症機序として、砂糖の過剰消費(およびそれに伴うチアミンの不足)が疑われる。

チアミンはじめビタミンB群というのは、神経機能に必須のビタミンだ。神経の栄養状態が不良でありながら学校の成績がいい、というのは、僕らの一般的な感覚からしても考えにくいよね。
実際、科学的にも、ビタミンB群の欠乏によって「神経機能喪失、記憶力低下、集中力低下、イライラ、混乱、うつ」が生じるということは、はっきり事実として確立している。
さらに、ハレル先生は、「チアミンはじめその他のビタミンB群は、一個のチームとして作用する」としている。彼女の用いた方法は、多くの種類のビタミンの大量投与療法だった。

彼女の論文はどれも研究として非常に緻密で科学的なものだったけど、残念ながら、つぶされてしまった。他の科学者がその論文の有効性を確認するために、追試を行った。でも、その科学者はものすごく少ない量のビタミンしか投与しなかった。多種類のビタミンを大量に用いる、というのがハレル先生の主張のキモなわけで、少量のビタミンでは効果がないのはやる前から見えていたことだったのに。学会はこの追試の結果を受理し、ハレル先生の論文は闇に葬ってしまった。だからハレル先生のこの研究は世間一般の人にはあまり知られていない。
なぜこんなことになったのか。
イやな話だけど、製薬会社の経済的動機が背景にある。
子供の学習障害というのは、製薬会社にとって大きな市場なんだ。だから、製薬会社にとっては、特許の取れないビタミンなんぞの投与で子供の学習障害が治ってしまっては困るわけ。金のなる木の邪魔をしてくれるな、と。それで、彼ら、この論文を抹殺した。

信じがたい話かもしれないけど、ビタミンによって、ダウン症の子供さえ知能が高くなった、という研究がある。
これもルース・ハレル先生の研究なんだけど、まぁ、反対派からは激しい批判にさらされました。「ダウン症というのは、21番染色体が3本ある遺伝性疾患であって、まさか、ビタミン投与によって3本ある染色体が2本になるとでもいうのか。ダウン症児のIQ低下はそうした染色体の過剰による影響であって、ビタミンの投与によって治るなどという主張は笑止千万。バカも休み休み言え」といった感じ。
ハレル先生が1981年に行った研究では、ダウン症児の栄養状態を改善させることによって、彼らの知能指数が明らかに向上した。
子供の変化に敏感に気付くのは誰だと思いますか。まず、親が気付くよね。さらに、学校の先生も気付く。IQにして10から15ポイントほど上昇すると、家族や教師も変化にはっきり気付いたらしい。
「単なるプラセボ効果だ」と批判者は言う。
でも、栄養が適切に補われることによって、遺伝子の働きが適正化する、ということは科学的にも十分証明された事実だ。たとえば、ビタミンEはダウン症患者の細胞内の遺伝物質に対して保護的に働くことが証明されている。抗酸化ビタミンは、ダウン症の人に有効であることは、科学的にも筋の通った話であって、ハレル先生の観察はこの事実と矛盾するものではない。
・・・はずなんだけど、学会はこういうことを全然認めません。
ただ、僕は個人的に思うんだけど、別にね、学会が認めようが認めまいが、どっちでもいいような気がする。
大事なのは、こういう情報が、必要な人のものとちゃんと届くこと。
ここが本質。学会の認める認めないはどうでもいい。
たとえば、我が子が学習障害を持っているために悩んでいる親御さんは世の中にたくさんいると思う。
そういう人にとって、こういう情報は福音になるかもしれない。
砂糖をやめる。ビタミンをとる。
バカみたいに簡単なことなんだけど、これだけで我が子の人生が救われるかもしれない、となったら、こんな貴重な情報はないよね。
この方法を実際に採用するしないは、親御さんの判断だろうけど、少なくとも、情報としては提供されるべきだよね。