院長ブログ

スクラロース、ステビア

2020.1.16


せっかく健康のために飲んでいるEAAやプロテインなのに、体に悪い添加物を摂っているとなっては、もったいない。
アスパルテームやアセスルファムカリウムがなぜ体によくないのかについては、以前のブログに書いたから、ここでは繰り返さない、
では、スクラロースやステビアについてはどうなのか。

『スクラロースは経口グルコース負荷に対する糖反応およびホルモン反応に影響する』
https://care.diabetesjournals.org/content/36/9/2530
「スクラロースなどの非栄養性甘味料(NNS)は、動物実験において代謝に影響を与えることが報告されている。しかしこれが人間でも同様であるのかについては明らかではない。そこで我々は、スクラロースの投与が、経口グルコース負荷の代謝反応にどのように影響するかを調べた。
血中のグルコース、インスリン、Cペプチドの動態を調べることにより、β細胞の機能、インスリン感受性、インスリンクリアランスを評価した。
結果、スクラロースの投与によって、血中グルコース濃度のピーク値が上昇し、インスリンのAUC(area under the curve)が20%増加し、インスリン分泌速度のピーク値が22%増加し、インスリンクリアランスが7%減少し、インスリン感受性が23%減少した。グルカゴン様ペプチド1、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド、グルカゴンのAUC、β細胞感受性に関しては、有意差がなかった。
結論
スクラロースの摂取によって、グルコース摂取時の血糖値およびインスリン動態が大幅に乱れる」

スクラロースよ、お前もか。
やはり甘味料というのは、ロクでもないのばかりだね。甘い話にはウラがあるもので、甘い味にもウラがあるんだな。
どうせステビアも有害なんだろうなと思いながら調べていると、、、なんと、体に悪いどころか、むしろ薬効があって、糖尿病、高血圧、肝炎、胃腸炎に対する効能が示されているという。
そもそも、ステビアは植物の名前(キク科ステビア属)で、原産地のパラグアイでは神聖なハーブとして崇拝の対象だった。甘味料である前に、まず、ハーブなんだな。
ステビアを抽出して(ステビオシド)初めて商品化したのは、意外にも日本で、当初は醤油の甘み付けなどに利用されていた。
砂糖の300倍の甘みがありながら、しかも体に何かとありがたい効果があるなんて!こんな都合のいい”甘い話”があっていいのだろうか^^
でも、実際多くの論文が、ステビアのハーブとしての優秀性を示している。
たとえばこういうの。
『ステビオシドの低血糖作用の機序』
https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/html/10.1055/s-2005-837775
「果糖を食べさせまくって糖尿病にしたラットを使って、ステビオシドがグルコースとインスリンの代謝にどのように影響するかを調べた。
ステビオシド(0.5mg/kg)の投与によって、血糖値が低下した(ピークは投与から90分後)。ステビオシドを1日2回投与すると、用量依存性の血統低下作用が見られた。
正常ラットにグルコース負荷テストをするとき、ステビオシドを投与するとグルコース上昇が抑制された。
ステビオシドの投与を15日続けると、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)とPEPCK mRNAが、用量依存性に減少した。
また、ステビオシドは糖尿病ラットのインスリン抵抗性を改善した。
結論として、ステビオシドは、インスリン分泌の促進と、インスリン利用効率を改善することにより、血糖値を安定化することができる。後者の作用は、ステビオシドが肝臓に作用することでPEPCK遺伝子の発現が減少し、糖新生のペースが遅くなることが背景にある」

甘いもの中毒で、「とにかく何でもいいから甘みが欲しい」という人は、ステビアならオッケーかもしれない。「かもしれない」というのは、個人的には話がうますぎて、にわかに信じがたいから^^;

健康のために積極的にステビアを摂る、というのはちょっと違うと思うけど、たとえばある商品の原材料を見て、甘味料としてステビアしか入っていないのであれば、アスパルテームやスクラロースより安心、ということは言えるだろう。
プロテインやEAAを飲んで糖尿病が悪化した、という人は、プロテインが悪いというよりも、それに含まれる添加物が悪影響を与えたということだろう。添加物にも気を遣いましょう。