院長ブログ

定説

2019.7.18

世の中には定説というものがある。定説は、基本的にはくつがえらない。
それが定説の定義のようなものだ。
誰にも否定しがたい重大な新事実が明るみに出るとか、革新的な理論が既存のパラダイムにとって代わるとか、よほどのことがない限り、定説は定説であり続ける。

たとえば「911事件はウサマ・ビンラディン率いるイスラムテロ組織が起こした同時多発テロである」というのが定説で、これは将来、歴史の教科書にも事実として語り継がれていくことだろう。
「癌がビタミンCの静注で治るなどというデマが横行している。このようなデマにだまされて、癌の標準治療(手術、抗癌剤、放射線)で救われたはずの命が失われている」というのも定説。医学部でビタミンの効用が教えられることはない。ただ、欠乏症(壊血病、脚気、くる病など)に対するビタミン投与が説かれるのみである。

旅客機が突っ込んだWTCビルが垂直に倒壊したり(建築工学的にあり得ない)、そもそも旅客機が衝突してない第7ビルがやはり垂直に倒壊していることについて、アメリカの建築家グループが疑義を呈し政府に再調査を求めたが、もちろん再調査が行われることはない。定説だからだ。
ライナス・ポーリングが癌に対するビタミンCの有効性をRCTによって示し、その後も他の研究者によって同様の報告がされているが、医学部教育が変わることもなければ癌の標準治療が変わることもない。定説だからだ。

「大気中のCO2濃度の増加のため、地球はますます温暖化している」ということは、小学校でも教えられている定説。
しかしこれに異を唱える学者もいる。
https://www.express.co.uk/news/science/954841/ice-age-sun-nasa-noaa-space-weather-forecast-sunspot-solar-minimum-maximum
1940年代から1970年代にかけて、人間活動によるCO2排出量は増えたが、この30年間で地球の平均気温は低下傾向にあった。また、CO2排出量が増えたとはいえ、そもそも産業革命以前と現在とで大気中のCO2の割合を比べると、1万分の1%しか増えていない。
本当に地球の気温に影響を与えているのは、CO2濃度ではなく、太陽の活動度ではないか。太陽黒点の減少とそれに付随する磁気波の減弱には周期性があり、この周期性のほうが地球の気温とよほど相関が強い。
そこから推測すれば、太陽活動は現在がピーク。あと数年から数十年のうちに地球気温は次第に低下し、小氷期に突入する可能性が高い。

地球温暖化説を是が非でも推進したい人たちがいる。「CO2排出は地球温暖化の元凶である」という前提に立てば、人間の産業活動は地球の未来に対する罪悪であり国家間で規制すべきだ、という話が出てくる。発展途上国の産業を規制する大義名分にもなるし、CO2排出権なる権利を生む出す錬金術にもなる。

地球は温暖化しているのか、寒冷化しているのか。
御用学者の定説は温暖化を、異端の学者は寒冷化を、予測している。
この問題がおもしろいのは、911テロの真相やビタミンCの癌に対する有効性の話とは違って、誰の目にも否定しようのない形で真偽が明らかになるところだ。
夏が全然暑くならず、東京の冬が北海道並みの寒さになれば、世間はちょっとしたパニックになるだろう。どちらの説が正しいのか、世界中の人が肌で体感することになる。
そのとき、政府は、マスコミは、御用学者は、どう弁明するのだろう。小中学生に地球温暖化を刷り込んだ教科書はどうなるのだろう。
多分僕が生きているうちに答えが出るだろうから、今から楽しみなんだよね。

If global cooling will come soon – scientists will lose trust.