院長ブログ

選好基準

2019.3.29

独身時代の福山雅治、あるインタビューで『結婚したい女の条件』を聞かれた。
それに対して、彼、どう答えたと思う?
「知らんよ。男前の考えてることなんてわからん」
ちょっとは予想してみなよ。
「うーん、やっぱり、美人?きれいな人が好きなんじゃない?自分と釣り合うだけのルックスを女性にも求める、みたいな」
遊びなら、ルックスだけでいいかもしれない。でも結婚となれば、外見は条件から外れるものだ。美しさなんて若いときだけの消耗品だから。
彼、見た目のことは何も言っていない。あえていくつかに絞るのなら、と前置きしながら、
・心身ともに健康であること
・感情の起伏が少ないこと
・料理が好きであること、この三つを挙げている。
「意外に普通だね」
そうかもしれない。しかし稀代のモテ男がたどり着いた究極の結論がこの三つなんだと思えば、なかなか深いものがあるじゃないか。
すごい美人だけど精神的に病んでる女とか、生理前に猛烈に不機嫌になる女とか、いろいろ見てきたはずで、そういう経験を踏まえての、心の健康とか感情の安定、なんだと思う。
料理が好きっていうのは、『あなたのために作ったの』みたいな妙に肩肘張った押しつけがましさではなくて、料理好きだから作ってるっていう、自然なスタンスで料理している人が好ましいということだ。
こういう自然体で料理に向き合える人は、結果的に料理上手でもあるだろう。
「確かに料理は重要だよね。毎日食べるものだから、料理が下手な嫁さんって他の面が満点でも、しんどいなぁ」
そう、食べ物は生きていく上での根本だ。俳優であれどんな職業の人であれ、毎日の食事をおろそかにして成功している人はいない。だから食事面できっちりバックアップしてくれる人は、伴侶として理想的だ。
「しかしまた、何の話?」
俺も伴侶の選択の際には、この『福山基準』を参考にしよう思って。
「まぁ、モテ男みたいなこと言うやんか!」
俺がモテるモテないの話じゃない。洗練された結論だから、俺みたいな素人にとっても参考になるところがあるはずだっていう、ただそれだけの話だよ。
「いや、君は最近調子に乗ってるところ、あると思う。
あのさ、誰も言ってくれないだろうから、俺が言ってあげよう。
君がモテてるんじゃないよ。モテてるのは君の医師免許だ。勘違いしちゃいけない」
勘違いするも何も、女が男の職業を見るのは当然だろう。素っ寒貧のニートに惚れる女がどこにいる。
「職業を見てあっちゃんに近付いてくるような女は、何とも認めがたいな。露骨だよ」
言ってることはわかる。わかるけど、そんなもんだろう。
逆に、伴侶の選択基準が愛情だけで、男の経済力を一切見ない女がいるとしたら、どれだけ幼いんだって思う。中学生の恋愛じゃないんだから。
医者の肩書きに釣られて寄ってきた?全然けっこうじゃないか。わかりやすくていい。むしろ、医者という仕事は今や俺のアイデンティティと不可分になっているから、そこを見ないで俺に近付いてきた女性に対しては、逆に警戒するところさえある。
「あっちゃん、朗報があるよ。
https://www.excite.co.jp/news/article/Ovo_1277168/
約8割の女性が「貧乏なイケメン」より「金持ちのハゲ」を結婚相手に選んだ。多くの女性にとって結婚相手選びで大切なのは、ルックスよりも経済力、とのことだ」
まだハゲてへんわい!しかし将来どうなるかは約束できないけど^^;
「しかし、女性を選ぶときに考えるのは、福山基準だけ?顔とかスタイルは見ないの?」
個人的な好みはさておき、男性が女性の容姿のどこを見ているのか、こんな研究がある。
『女性のウェスト・ヒップ比および胸のサイズに対する男性の選好の視線追跡研究』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19688590
要約
人間の身体的特徴と配偶者の選好の研究に際して、しばしば用いられるのは、参加者に写真の魅力度を格付けしてもらうアンケートである。女性のウェストとヒップの比率、胸のサイズ、顔の見た目はすべて、男性が女性の魅力を評価するときに関係していることがわかっている。
しかし、男性がそうした写真をどのようにしてきめ細かく評価するのか、詳しいことはほとんどわかっていない。
我々は『視線追跡法』を用いて、固視(visual fixation)の回数、視線の滞留時間、固視の変化(同じ女性の写真のウェスト・ヒップ比(0.7か0.9)と胸のサイズ(小、中、大)をコンピューター・モーフィングで連続的に変化させる)を測定した。また、男性はこれらの写真の魅力度を格付けした。
結果、最初の固視(毎回5秒のテストを行うが、その開始から200ミリ秒以内に起こる)には胸かウェストのいずれかが関与していることがわかった。これらの体の部位はいずれも、顔や下半身(恥部や脚部)よりも多くの固視を受けた。
男性はより高頻度に、かつ、より長時間、胸を見ていたが、これは写真のウェスト・ヒップ比と無関係だった。
しかし男性は、砂時計状の体型で、かつ、スリムなウェスト(ウェスト・ヒップ比が0.7)の写真を最も魅力的だと評価した。胸のサイズはこの評価に影響しなかった。
これらの結果は、男性が女性の写真の魅力度を判断している間に起こる目の動きに関する量的データを提供するものであり、男性は女性の砂時計型体型を非常にすばやく評価するということを示している。

男性も動物だからやっぱり生殖に適した体型が好みで、しかも理想的な体型を一瞬にして見抜く眼力が生得的に備わっているものらしいんだ。
しかし砂時計型体型(hourglass shape)って、すごい表現だ^^;
欧米の研究だからこそ出てくる表現で、こういうところにもお国柄が現れる。