院長ブログ

癌治療1

2019.3.17

先進国では癌による死亡は減少傾向にある。欧米では毎年おおよそ5%ずつ死亡数が減っている。
唯一、日本だけが癌の死亡数が増え続けている。
癌になるのは、十年前ほど前には3人に1人だと言われていた。それが今や、2人に1人だと言われている。
なぜか。
なぜ日本だけ、こんなに癌が増えているのか。

高齢化の影響?
なるほど確かに、高齢になるにつれ遺伝子変異が蓄積し、癌を発症する可能性が高くなる、と言われている。
実際、老衰で死亡した高齢者を解剖すると、あちこちに癌が見付かる。
しかしそうした癌はおとなしい。下手に検査で発見されて、抗癌剤で叩くようなことをしない限り、特に悪さはしない。
たとえばドイツ、イタリア、フランスでも高齢化が進んでいるが、これらの国で癌の死亡数は増えていない。

むしろ、検査のせいで癌が増えているのではないか、という話がある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15070562
『診断用X線による発癌の危険性~イギリスおよびその他14か国での評価』という論文。
診断用X線というのは、胸部レントゲン写真とかだけではなくて、当然CTも含んでいる。
衝撃的なのは、すべての癌に対して医原性被爆による発癌の占める割合が、日本では3%以上で、先進国で飛びぬけて多いことだ。
これは総合病院で勤務したことがある医者なら実感としてわかることだと思うけど、何でもかんでも、やたらめったら、CT撮ってるもんね。
救急に「おなかが痛い」って来た姉ちゃんがいた。ただの胃腸炎だろう、って思ったから「家に帰って安静にしてくださいね」で帰そうとしたら、上級医から待ったがかかった。
「一応CT撮っといて。念のために」
「なぜですか」
「胆石、アッペ、結石、急性膵炎。いろいろな可能性が考えられるから、それらを除外しなくちゃいけない。
急性膵炎で帰して、家で増悪して、君、責任とれるの?裁判になったらどうするの?」
若い女性だったから事前に妊娠の可能性の有無を確認し、CTを撮った。
結果から言うと、この人はやっぱりただの胃腸炎だった。無駄に被爆しただけのことで、この人にはCTなんて必要なかった。
「0.1%でも可能性があれば、その可能性を除外しなくてはならない」という大義のもと、そして訴訟のリスクを避けるという事なかれ主義のもと、医療現場ではCTがバンバン撮られることになる。
この上級医が特殊なのではない。むしろ、ガイドライン通りの医療を実践するスマートな医者だったと思う。
でも、こういう先生と分かり合うことって、なかなか難しいんだ。
点数がかさんで保険制度が崩壊する?知ったことか。被爆による発癌リスク?知らねえよ。
分かり合うことなんてハナからあきらめてたから、僕も勤務医時代には遠慮なくCTを撮った。良心の呵責を感じないよう、心の一部を麻痺させながら。
だからみなさん、病院なんてよほどのことがない限り、行くものじゃないですよ^^;

CTでなぜ癌になるのか?
これは活性酸素の影響だ。
放射線、毒物(薬、食品添加物、農薬など)、ストレスによって活性酸素が生じると、DNAに傷がつく。
そうして変異を起こした細胞が癌化するというのが、発癌のおおよそのメカニズムだ。
だとすれば、癌にならないためにはどうすればいいか。
まず、活性酸素を抑えることだ。
危険な薬や食品を摂取しない、放射線を避ける、といったことが重要だけど、この現代社会で暮らしている限り、完全に避けることは不可能だろう。
そこで、抗酸化物質の摂取が助けになる。
たとえば社内検診でどうしてもレントゲンを撮らないといけないとなれば、事前にビタミンCのサプリを摂っておいて、少しでも体内の抗酸化物質レベルを上げておこう。
検診の三日ほど前から、ビタミンC 1錠(1000mg)を毎食後摂っておくだけで、被爆のダメージは相当軽減されるはずだ。