院長ブログ

電子レンジ

2019.3.7

電子レンジの安全性(あるいは危険性)について、以下のサイトから興味深い箇所をピックアップして、訳しました。https://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2010/05/18/microwave-hazards.aspx

電子レンジによる調理によって、食品中に毒性物質が生じる。
『電磁波と健康〜電磁場および無線周波数の影響とその対策』(ケース・アダムス著)に以下の記載がある。
「カリフォルニアのローレンス・リバーモア研究所の研究によると、電子レンジによって食品中に複素環芳香族アミン(HCA)と多環芳香族炭化水素(PAH)が生じるとの結論が出ている。両者とも、発癌性が疑われている。PAHは肉を揚げることによっても生じる」
リタ・リー博士は1989年の著書『電磁波と電子レンジ』のなかで、オレゴンのアトランティス・ライジング教育センターの研究を引用しながら、「HCAとPAHがタンパク質に生じる一方、炭水化物(およびタンパク質)にはAGEs(最終糖化産物)が生じる」と述べている。同研究は、電子レンジによってほとんどすべての食品中に発癌物質が生じることを示したものである。
HCAやPAHとは別に、肉を電子レンジで調理することによって、d-ニトロソジエタノールアミンが生じるが、これも発癌物質である。
牛乳や穀物を電子レンジにかけると、食材中に含まれるアミノ酸が発癌性化合物に変化する。凍った果物を電子レンジにかけるだけでも、果物に含まれるグルコシドやガラクトシドが発癌性化合物に変化する。
同じことは植物性の食品にも言える。植物性食品に含まれるアルカロイドが発癌物質とフリーラジカルに変化する。話はそこで終わらない。
『電磁波と健康』によると、
・ランセットに1989年に掲載された研究によると、乳児用ミルクを電子レンジにかけると、トランスアミノ酸がシス同位体に変化するが、これには神経毒性および腎毒性がある。つまり、電子レンジにかけた乳児用ミルクを飲めば、神経系および腎臓に悪影響があるということである。
・スイスの科学者ハンス・ヘルテル医師は、1991年の論文で、電子レンジで調理した食品によって、血中に発癌作用が生じることを報告した。
この研究はボランティア8人による小規模なものである。ボランティアを生の牛乳、調理した牛乳、殺菌した牛乳、電子レンジにかけた牛乳を飲む群に分け、さらに彼らを、有機栽培の生野菜、一般栽培で(電子レンジを使わず)調理された野菜、凍結後に電子レンジで解凍した有機栽培および一般栽培の野菜、電子レンジで十分に加熱調理した有機栽培および一般栽培の野菜を食べる群に分けた。
食事を食べる前と後に、血液検査を行なった。
結果、電子レンジをかけた牛乳あるいは野菜を摂取した群では、血中ヘモグロビン、白血球(リンパ球)、赤血球が減少し、コレステロールが増加していた。リンパ球の減少は感染症や組織損傷のリスクを増大させる。
この研究は、被験者数が少ないことなど欠点があるものの、電子レンジの安全性について大きな問題提議を含むものである。
ヘルテルはまた、電子レンジによって食品の分子変形すると、放射線による分解による化合物が生成することを発見した。その後の研究によって、この物質も発癌性を持つことが示唆されている。

日本で電子レンジのない家庭はほとんどないだろう。外食産業においても、電子レンジは、それなしでは業務が回らないほど普及しているに違いない。
健康意識が高くて自宅で電子レンジを使わない人も、外食をすればまず間違いなく、電子レンジで加熱調理した食品を口にしているだろう。
そういう意味で、上記記事の意味するところは非常に大きいと思う。

妊婦あるいは授乳中の女性が、電子レンジで加熱調理した食品を摂取した場合、胎盤や母乳経由で発癌性物質が移行する可能性はないだろうか。電子レンジを、ただ単に『食べ物を温める機械』としか認識していないお母さんが、乳児用ミルクを電子レンジでチンして、子供に飲ませる、ということはあり得ることだと思う。というか、健康意識の高いお母さんででもない限り、普通にやっていることだろう。
原因不明とされる小児癌が、実は電子レンジによって生成した発癌物質が原因である可能性はないだろうか。

上記ヘルテルの実験を踏まえれば、僕ら医者は電子レンジの危険性を知っておく必要がある。たとえば、患者の採血結果で『ヘモグロビン、赤血球低値、コレステロール高値』のような異常値があった場合、「ひょっとして電子レンジで温めたものを毎日たくさん食べていませんか?」と聞けるかどうか。知識がない限り、『電子レンジの過剰使用』の可能性を鑑別に挙げることはできない(ちなみに、コレステロール高値を見てビタミンC欠乏を疑うことも大事だ)。
これだけ電子レンジが普及した世の中なんだから、電子レンジに起因する血液検査異常というのは、存在するに違いない。
医者のみならず、一般の人も電子レンジの危険性は絶対に知っておくべきで、学校教育で教わってもいいぐらいに重要なことだと思う。食品添加物の危険性を家庭科の授業で習った記憶がある。そういうのとワンセットで、電子レンジの危険性も教えるといい。
知った上で、使うか使わないかは、もう本人の自由だと思う。とても便利な文明の利器であることは確かで、一律に使用を禁じることはできないだろう。
でもその使用は、危険性を承知の上での使用であるべきだ。