院長ブログ

頭痛

2018.6.29

頭痛は最もコモンな症状で、医者をやっている限り、必ず診療現場で遭遇する。
でも、医者がやっていることは、別段大したことじゃない。
くも膜下出血とか髄膜炎とか、命に関わる可能性がある頭痛だけはきちんと除外する。
それ以外なら?
「じゃ、ロキソニンでも出しとけ」
ぐらいなもので、対症療法で抑えることしかやっていない、というのがほとんどの医者のスタイルだと思う。

栄養療法では、必ず患者の食生活にメスを入れる。
コーヒーとか乳製品とか、何らかの食餌性の要因が遅発型アレルギーを引き起こしている可能性はけっこう高くて、もしこのタイプだった場合、その原因を除去すれば見事に頭痛は消失する。
引き算で治るならそれがベストだ。
あえて何らかのサプリメントを投与する必要もないし、患者の財布にも優しい。

頭痛の分類法として、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛といった分け方があるが、大して意味ないと思う。
どれに分類されたところで、治療としては鎮痛薬の投与のほぼ一択だから。
西洋医学って、こういうパターン多いんだよね。
CTとか大がかりな検査をして、症状をやたら細かく分類して、診断するものの、治療としては結局ステロイドしかない、とか。
貧相な治療法しかないくせに、診断名だけは妙に細分化されているというパターン。
こんなの患者の利益にまったくつながってなくて、医者の自己満足に過ぎないと思う。

栄養療法的にアプローチするならば、実はこれらの頭痛には、どれもマグネシウムが一撃必殺級に効くことが多い。
副作用の多い鎮痛薬を投与するぐらいなら、無害なマグネシウムが好ましいことは明らかだろう。
今現在頭痛を感じている患者なら、硫酸マグネシウムか、マグネシウムを含むマイヤーズカクテルを静注すると、てきめんに効果がある。
数年間、他に何をやっても治らなかったという頭痛患者が、マグネシウムの注射でようやく救われた、という話もある。

なぜマグネシウムが効くのか。
生理的なメカニズムも分かっている。
血管拍動性であれ筋緊張性であれ、マグネシウムによって血管平滑筋や筋肉が弛緩して、それで頭痛が治まるという、実に単純な話。
なぜ一般の医療現場でルーチンにならないのか、不思議だ。

個人的な実感だが、頭痛が主訴の患者を問診していて、頭痛の原因としてかなり多いのは、アスパルテームではないかと思う。

アスパルテームとは人工甘味料で、清涼飲料水やガム、アメなどの菓子類、薬などにしばしば含まれている。砂糖以外の甘味料で、カロリーゼロ、しかも砂糖の何倍も甘いという、お菓子業界にとっては非常にありがたい甘味料だ。
しかし、体への害は、実は砂糖よりはるかに大きい。
頭痛、癌、糖尿病、肥満、ひきつけ、失明、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ADHD、不妊症、精子奇形など、健康に悪影響を与えることは、科学的に明らかに示されていた。
新たに食品添加物が開発された場合、その許認可を行うのはFDA(アメリカ食品医薬品局)なわけだが、1980年まではアスパルテームの使用を認めていなかった。
健康への悪影響は明らかなのだから、当然の判断だ。
しかし、1981年レーガン大統領になり、FDAの長官が変更されるとすぐに、アスパルテームの使用が許可された。
アメリカの動きには何でも追随するのが日本だから、日本でもアスパルテームの使用はすぐに許可された。

「国が認めてる添加物なんだから、大丈夫だろう」という考えは、ちょっと無邪気すぎるよ。
国民の健康を考えるなら絶対認めちゃいけない添加物が、政権の交代と同時に認められた、という流れは知っておくべきだと思う。
悲しいことだけど、政府は人々の健康を第一には考えていないんだな。

実は僕自身、アスペルテーム入りの清涼飲料水やお菓子を食べると、2,3時間後に頭痛が出る。左の後頭部がズキズキと痛む。
その日の夜は、妙に神経が高ぶって眠れない。ラーメンとか、グルタミン酸ナトリウムを多く含んだ食品を食べても同じような症状が出る。
もし、僕がこの症状を訴えて一般の病院を受診したとすれば、「片頭痛ですね、お薬出しておきますね」で終わりだろう。
「アスパルテーム誘発性頭痛」あるいは「グルタミン酸ナトリウム誘発性頭痛」とでも名付けるべき頭痛であり、一般の医者も知っておくべきだと思うんだけどなぁ。