院長ブログ

コロナウイルス対策9

2020.3.12

コロナウイルスで世間がいまだに騒がしい。
学校の休校のみならず、各種イベントの中止が相次ぎ、果ては、春の選抜高校野球が中止になるなど、影響は大きい。
甲子園が中止になるのは第二次大戦のとき以来だというから、今回のコロナ騒動は「戦争並みのインパクト」ということになる。
しかし、、、
自粛傾向がやや行き過ぎのようにも思う。
本当にこれほど大騒ぎするほどのことなのだろうか。

ライブハウスのような狭い空間なら感染リスクはいくらか高いかもしれないが、青天井の甲子園球場がコロナウイルスの感染源になり得るだろうか?
学校を休校にしておきながら、空気の淀みがちなパチンコ屋の営業を放置しているのは、矛盾していないか?
いろいろと疑問に思うところはある。
ネットで拾ったこの画像。

コロナウイルスで亡くなった人を茶化しているようで申し訳ないけど、統計的な事実として、現時点では、コロナウイルスによる死者数は、餅以下、である。

日本ばかりではない。目線を世界に転じても同様のことが言える。やはり、拾った画像。

感染症による1日あたりの死者数。結核やB型肝炎の方がよほど多い。

あくまで現時点、ということで、今後のことはわからない。
ただ、個人的には、そろそろ”正体”が透けて見えてきたようにも思える。
何県で何人のコロナ陽性者が出ました、というニュースはやるが、何人が回復しました、ということをマスコミは言わない。不安を煽ることで視聴率が稼げる、というのがメディアの構造だから、そのあたりを割り引いて報道を見ないといけない。

「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」という言葉がある。
現状、明日にも世界が終わろうかというほどの悲観一色で、楽観的に対処しようという姿勢が、なさすぎると思う。過度に不安になることはない。普通の健康的な生活をしていれば、かかる病気ではない。

もし不安なら、少し意識的にうがいをするといい。
上気道感染症のリスクがうがいによって軽減するかどうかについては、意外にも最近までエビデンスがなかった。「うがいで風邪が予防できる」となったところで、製薬会社の利益にならないからだろう。
うがいの有効性が初めて確認されたのは、2005年、以下の日本の報告による。
『うがいによる上気道感染症予防〜無作為試験』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16242593
18歳から65歳の健康な被験者387人を、水うがい群、ポビドンヨード(いわゆるイソジン)うがい群、特に指導せず通常通り過ごしてもらう群(対照群)の三つに無作為に振り分け、ひと冬(60日)風邪の罹患の有無をフォローした。なお、両うがい群には、1日に少なくとも3回うがいをするよう指示した。
結果、風邪の罹患率は、対照群で0.26、水うがい群で0.17、イソジン群で0.24だった。
つまり、水うがい群が一番風邪にかかりにくかった、ということ。うがいをしないよりしたほうがいいのはもちろん、変にイソジンとか使わないほうがいい。
さらに、風邪をひいた場合にも、水うがい群では、気道症状が軽症化する傾向があった。
【結論】
水でうがいするだけで風邪の予防になる。しかもタダだし、オススメ。

風邪(上気道感染症)に有効だった、という研究だが、新型コロナウイルス感染にだけは無効、と考える理由はない。当然、効くだろう。
イソジンでうがいをすると、むしろ予防効果が落ちていた、というのもおもしろい。このあたりは、常在細菌の重要性を示唆していると思う。「何でもかんでも殺菌」ではアカンのよ。

単なる水うがいではなく、どうしても一工夫したい、ということなら、塩水うがいは推奨できる。

Does Gargling with Saltwater Really Help a Sore Throat?


塩を入れたぬるま湯でうがいをすると、風邪によるのどの痛みが軽減し、かつ、風邪の予防効果もあった、という。
その機序は、塩水の浸透圧によるもの。高張液によってのどの粘膜細胞から水が引っ張り出されて、そこに付着する細菌やウイルスが一緒に剥がれるのではないか、という。
しかし、単なる浸透圧というなら砂糖水でも予防効果があるのでは?ツッコミたくなるが、そこはスルーしてあげよう。

コロナ騒動の影響で、一部地域でエキナセアが爆売れしているという。
たとえば以下のようなサイトが、予防に効くサプリとして、エキナセアを挙げた影響らしい。
https://examine.com/topics/coronavirus/
中程度のエビデンスとして、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、弱いエビデンスとして、ニンニク、エキナセア、エルダーベリー、アフリカゼラニウム、NAC(Nアセチルシステイン)が挙げられている。
エキナセアについては、以前のブログで風邪予防に有効として紹介したことがある。
結局、新型コロナウイルスだといっても、従来のコロナウイルス(風邪の原因ウイルスのひとつ)の亜型に過ぎないのであって、個人でできる予防としては、従来通りの風邪対策をしていれば充分だし、それ以外のことなんてできない。変に不安になっても意味がない。
仮に、だよ。仮に、新型コロナウイルスにかかっても、致死率は2〜3%とそれほど高くない。
今必要なのは、楽観的に対処するんだ、と腹を決める勇気だろうね。

真菌、コレステロール、癌28

2020.3.11

さて、カビ毒源を認識してその摂取を忌避することに加え、同時に始めたいのは、体内からカビ毒を排除することである。
“カビ毒吸着剤”として、James Yoseph氏は以下の栄養成分を挙げている。
・初乳(colostrum。哺乳類のメスが出産後、最初5日間に出る母乳はそれ以後に出るものと相当成分が違う)
・βグルカン(霊芝、アガリクスなどに含まれ、抗酸化作用、免疫賦活作用、制癌作用がある)
・グリシン(最もシンプルなアミノ酸)
・シリビニン(マリアアザミ抽出物シリマリンの成分のひとつ。肝保護作用、血糖値安定作用、抗癌作用がある)
・クルクミン(ウコンturmericの成分。抗酸化作用、肝保護作用、抗癌作用がある)
・クロシン(サフランやクチナシが色鮮やかなのはこの成分による。サプリというより着色料として利用されることが多い)
・ケルセチン(タマネギの皮に含まれている成分として、以前のブログで詳述した)
・甘草(licorice。漢方薬には欠かせない生薬。甘いのに何かと体にいい)
・マンノース(構造的にはグルコースに似ているが、抗アレルギー作用、抗癌作用あり。なぜか尿路感染症に著効する)
・カギカズラ(鉤葛。uncaria。林業的には雑草として嫌われるが、漢方的には薬草。抗けいれん作用、鎮痛作用、認知症改善作用がある)

続けてYoseph氏いわく、
「当社の製品『ニューロパチー・フィックス1』には、上記の成分がすべて含まれており、カビ毒からあなたを守ります」
ここは吉本新喜劇なら全員ひっくり返るところ。「結局、物売りかい!」っていう^^;
何かもったいないな。すごくいい本だから、変に商売っ気出さないほうがいいのにね。

著者氏の提供する知識は素晴らしいものだけど、別に著者氏オススメのサプリでないといけないわけでは、もちろんない。
個人的には、初乳は結局牛乳だから感心しないが、それ以外は確かに効くと思う。

βグルカンというのは、結局細菌や真菌の細胞壁なのに、それが抗菌作用を発揮するのはおもしろい。「毒を以て毒を制す」とはこのことだ。
βグルカンだけでいい、ということであれば、高額な霊芝やアガリクスでなくても、安いシイタケやマイタケで充分ということになる。
しかしやっぱり霊芝のほうが効くというのは、薬効はβグルカンだけによるものではない、ということだろう(ちなみに当院でお分けしている五井野プロシージャ―にも霊芝が配合されています^^)。

グリシンは以前のブログで、ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬の離脱の際に助けになると紹介した。
これは確かに効く。当院でグリシンとタウリンとイノシトールをブレンドしたサプリをオススメしているが、これで睡眠薬をやめれたという人もいる。
グリシンは非必須アミノ酸で体内合成可能だが、補うことで不調が改善する人もいるようだ。

アザミは漢方では利尿、解毒、強壮剤として、西洋でも古くからハーブとして使われてきた。ドイツでは消化不良、慢性肝炎に対する有効性が公的機関から認められている。
ノアザミの葉は普通に食べてもいいレベルだから、安全性としてはまったく問題ない。変な肝炎治療薬を飲むくらいなら、そこらへんのアザミを食べてるほうがマシ。

クルクミンにしろクロシンにしろ、どちらも染料・着色料なのがおもしろい。色というのはあくまで視覚的要素であり、体への生理作用薬理作用どうのこうのと無関係のように思えるけど、これは違う。たとえばアーユルベーダ医学では、色にパワーがあることは当然のこととされている。
黄や赤は暖色である。太陽の色である。光が自然界を活気づかせるように、暖色には循環系の働きを高め、強壮作用、抗うつ作用がある。
一方、癌は何色をしているか、ご存知ですか?
ほとんどの癌は白い(シモンチーニ氏は、この色調から「癌はカビである」との着想を得た)。
体内に存在する不自然なほどの「真っ白」に対して、「黄」や「赤」が本来の体の色に近づけようとする。抗癌作用は、このように「色と色の戦い」と言って言えなくもない。

マンノースが抗癌作用を示す機序は、なかなか独特だ。
マンノースは、分子構造的には、「ほぼグルコース」。この、ほぼ、というところが大事で、グルコースそのものであっては、癌細胞増殖のエサとなる。
しかし「似て非なるもの」だから、癌細胞は混乱する。増殖の栄養にしようにも、細胞内にうまく取り込めない。結果、抗癌作用を発揮するという。おもしろいね。
呼吸器感染症でもなく表皮感染症でもなく、特に尿路感染症に効く、というのも一風変わっている。ついには「尿路感染症対策に」という売り口上で、サプリまで販売されている。
食品としては、こんにゃく、果物、アロエなどに含まれているが、含有量としてはそれほど多くない。
こんにゃくをドカ食いするわけにもいかないから、サプリとして摂るのもありだろう。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)

Why

2020.3.10

男が男に惚れる、ということがある。
もちろん、変な意味ではない。
「この人のビジョンに共感した。自分に何かできることがあるのなら、是が非でもこの人に協力したい」
そういう衝動は、誰しも一度は感じたことがあると思う。

どういう人間が、人を惹きつけるのだろうか?
ルックス(アイドルみたいに恵まれた容姿?)、身体能力(誰にも負けない腕っぷしの強さ?)、宗教家的素質(持って生まれたカリスマ性?)。
いわゆる魅力には、様々な要素があり得るだろう。
しかし、Simon Sinek氏の分析は違う。
人を強く惹きつける人物は、ことごとく「Whyから出発している」。一方、俗物はWhatから始める。
非常におもしろい分析だと思った。

この視点で見れば、確かに、選挙で当選した議員は皆、演説で上手にWhyを主張していた思う。山本太郎しかり、立花孝志しかり。
「あなたを幸せにしたいんだ」「NHKをぶっ壊す」
どちらのメッセージも、簡潔で理解しやすく、”思い”が乗っかっている。冷静に聞けば、How(どうやって)に関して両者ともツッコミどころ満載なんだ。「できるわけないよ」批判することは簡単だろう。
それでも、彼らの主張が大衆の支持を得たのは、彼らのWhyに強い熱意がこもっていたからだ。
最近の立花さんはずいぶん迷走している印象だけどね^^;

キングコングの西野亮廣も、講演家の鴨頭嘉人も、上手にWhyを使っていると思う。西野氏は「ウォルト・ディズニーに勝つ」、鴨頭氏は「日本人全員を話上手にする」ということを目標に掲げている。
まず実現不可能な目標である。でも、それが現実的であるかどうかは、ほぼ関係ない。夢物語であってもかまわない。むしろ「ちょっと背伸びしたら叶うんじゃない?」ぐらいの卑近な目標であってはいけない。
一見荒唐無稽に思える目標の実現に向けて、夢を語り、真剣に活動する。そういう姿にこそ、人々は共感する。
西野氏や鴨頭氏が成功している理由がよくわかる。彼らは確かに、Whyから出発している。

しかし個人的には、最近見た動画で一番胸にグッときたのは、上記の誰の動画でもない。
レペゼン地球のDJ社長の動画『好きなことで、生きていく』に、素朴に感動した。
この人の他の動画はずっと前から見ていた。テキーラを一気飲みしたり、ドッグフードを食ったり食わせたり、しれっと差別用語を連発したり^^ハチャメチャで、おもしろかった。「テレビがユーチューブに負けている」ということの意味が、レペゼン地球を見ているとよくわかる。あんな芸、テレビで絶対放送できないよね^^;
下記の動画は、いつもの彼らと趣向が違って、DJ社長が一人で語る。どんな漫談を聞かせてくれるものだろうと口元に笑顔の準備をしつつ見ていたが、予想は裏切られた。いい意味で。この人がどんなふうに人生を切り開き、今の自分を確立したか、その秘訣を惜しげもなく公開している。
40分以上の長い動画だけど、見終わる頃には、この人のことを好きになっていた。
「人に使われたくない」ずいぶんチャラいWhyだと思う。キング牧師の「私には夢がある」の壮大さとは格が違いすぎる^^
それでも、感動した。人を信じたり人に騙されたり。苦境に陥ってもくじけず、何度でも立ち上がる。何て強い人なんだ、と思った。この人は、ユーチューブという時流に乗ってたまたま成功したのではない。他の分野に行っていたとしても、その芯の強さで、きっと成功していただろう。
Whyに共感すると、ファンになってしまうね。
しかし、こんなにコテコテの博多弁を長時間聞いたのは初めてだった。不思議と、神戸弁に似てるんよねぇ。

https://m.youtube.com/watch?v=PPnbEiXSYM8

僕のWhyは?
やっぱり「患者を救いたい」、これに尽きると思う。
この思いがなければ、お気楽な勤務医の身分を捨てて開業するなんてあり得なかった。毒みたいな薬を処方しないといけない罪悪感に耐えかねて、本当に人を救う医療を求めて、開業に踏み切ったんだ。
なかなか立派なWhyだと思う。でも、誰も共感してくれないけどね^^;

真菌、コレステロール、癌27

2020.3.10

健康とは何なのか、を知るためには、健常者だけを見ていては分からない。健康の意味は、病気との比較によって、明瞭に浮かび上がってくるものである。
このあたりの事情は、トルストイの言葉「幸福な家庭はすべてよく似たものであるが、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である」と通じている。作家は、不幸な人々が自分の逆境をどう生き抜こうとするかを描くことで、人生における幸せの意味を提示する。
トルストイの表現を踏まえれば、「健康な人は皆よく似たものであるが、病気の人は皆それぞれに病気である」と言える。
医者の務めは、様々に異なる病気を考察して、健康とは何なのかについて答えを提示することだろう。

これは弁証法的な思考そのものである。
生命とは何か。その対極とされる、死とは何か。一方だけを見つめても、答えは出ない。
しかし、ヘーゲルはそれらのテーゼを突き合わせることで「生命は、その内部に、死を宿している」という止揚(アウフヘーベン)を得た。
「アウフヘーベン?あのおいしいケーキのことか!」いや、それは恐らく、バウムクーヘンのことですね^^;

どういうことか?
生命は、生まれた瞬間から死に向かって走り始める。盛者必衰。生とは、致死率100%の病である。
死は、どこか遠くにあるのではない。僕らの内側にしっかり根っこを張っている。年々大きく膨らんで、やがて僕らを飲み込む。それが死である。
まるで比喩のように思われるかもしれない。しかしこれが比喩どころか、科学的に極めてリアルな実態描写であることを示したのが、ガストン・ネサンである。

レイモンド・ライフやガストン・ネサンは、自身の開発した顕微鏡によって、生命の本質をCWDs(あるいはソマチッド、マイコプラズマ、どのように呼ぶのであれ)に見出した。
病気は、どこか遠くから来るのではない。すでに内側に、その種が用意されている。
体内環境の悪化(酸性化)が、休眠状態にある芽胞(CWDs)の発芽を促し、体の腐敗が始まる。本来健康体であれば7.4に維持されたpHが、病勢とともに低下し、死ぬ頃には7以下になる。
そう、CWDsは、生死を司る番人である。

繰り返すが、死はどこか遠くにあるのではない。
死と生のせめぎ合いは、僕らの体内で毎日行われている。
細胞が生まれては死に、また生まれては死に。
僕らはこの争いに負けるだろう。最終的には死の勢力が生を飲みこんで、僕らの体は腐敗し、土に還るだろう。
そう、「答え」は分かっている。それなのに僕ら、生きようとする。
なぜ生きるのか。
必滅の肉体である。仮の宿に一時泊まって、またどこかに去って行く。何の意味がある?一体人生とは、何なのか?

このテーマはおもしろいが、ここでは深入りしない。
ただ、色即是空 空即是色(実体は空っぽで、空っぽは実体である)を教える般若心経が、最後のほうで、真実不虚と説いているのは、希望のように感じられる。
そう、意味はあるんだよ。簡単にニヒルに陥ってはいけない。

必定の負け戦である。それでも、この人生を生き抜くことには、意味がある。
そして、よりよい生き方(あるいは死に方)というものが、確かにある。どのようにすればよいか?
そのヒントはCWDsにある。
どうすれば健康的に生きることができるか、CWDsの挙動はその答えを示唆している。

ネサンは搾りたてのニンジンジュースのなかに、無数の微小な分子(ソマチッド)が「踊っている」のを発見した。
彼が自家製の顕微鏡の下に見つめていたのは、生命の躍動だった。しかし農薬や化学肥料を散布されて育ったニンジンでは、ソマチッドの躍動が乏しいことにも、彼は気付いた。

野生の草食動物は、癌にならない。そればかりではない。野生動物の群れを観察してみるといい。どれが若い個体で、どれが老齢の個体であるか、ほとんど見当がつかないだろう。
一方、街に出て人間の群れを見よ。若者と老人の区別は、一目瞭然だろう。
ここには、よりよい食へのヒントが隠れている。
老いは不可避だと思われているが、そうではない。加齢(aging)によって、老け込む(senile)とは限らない。両者を分ける要因のひとつは、食事である。
ソマチッドを豊富に含むものを食べていれば、老けることはない。生き生きとした老年を迎え、穏やかな最期を迎える。ピンピンコロリの秘訣は、ソマチッドにあった。

胃潰瘍(および十二指腸潰瘍)は、ピロリ菌(Helicobacter pylori)によって起こるとされている。つまり、感染症であるから、治療として抗菌剤によるピロリ除菌が行われている。
本当だろうか?
1949~1952年にかけて、チェニーは100人以上の消化管潰瘍の患者に対して、生のキャベツジュースを飲むように指示した。
効果は劇的だった。キャベツジュースを飲み始めて6日から9日で、患者の全員が治癒した。
彼はこの治療効果を、キャベツに含まれる何らかのビタミンによるものと考え、それを”ビタミンU”と名付けた(UはUlcer(潰瘍)にちなむ)。
「キャベツを食うだけで、感染症が治ってたまるものか」一般の消化器内科医は言うだろう。
しかし、事実は事実である。「キャベツを食うだけで、感染症が治った」のである。
しかし彼らはこの事実を認めない。彼らにとって「胃潰瘍はピロリ菌感染症である」というのはもはや宗教的教義であり、いまだに堂々とピロリ除菌を行っている。
『胃潰瘍のビタミンU療法』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/13276831

後の研究で、アブラナ科植物(キャベツ、ブロッコリー、カラシナ、チンゲンサイ、カブなど)に含まれるスルフォラファンには抗菌作用、抗酸化作用、抗癌作用があることが示されている。
何も分析的に難しく考えることはない。
新鮮な生野菜に含まれるソマチッドを補充する。結局、野生動物が当たり前に行っていることに立ち返った、というだけの話である。

菜食主義が健康に至る唯一の道、と主張しているわけではない。
ネサンは人間の血液やリンパ液のなかにも、躍動するソマチッドを見出した。
草食動物を屠る肉食動物を見よ。彼らも見事な”ピンピンコロリ”である。多くの現代人が加齢の果てに迎えるみじめな晩年など、彼らにはあり得ない。
飼い犬にはドライのドッグフードばかりではなく、ときどき生の鹿肉やラム肉をあげよう。それだけで”内なる野生”がよみがえり、健康的な老年を迎える一助になるだろう。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)

真菌、コレステロール、癌26

2020.3.9

忌避すべきマイコトキシン毒物源として、James Yoseph氏は以下の5つを挙げている。
1.マイコトキシン(カビ毒)に汚染された食材および建物
2.薬
3.職業曝露
4.血液の酸性pH(特にコーラなどの炭酸清涼飲料)
5.過剰なアルコール

具体的に見ていこう。
1.について。
神経難病(ALS(筋萎縮性側索硬化症)、パーキンソン病、多発性硬化症)の患者は、誤診を受けている。彼らの真の病名は、マイコトキシコーシス(真菌中毒症)である。
医者がしたり顔にいう「遺伝性疾患です」などという説明を、患者本人も家族も、真に受けて不安に思うことはない。
治療は、まず何よりも、カビ毒を含む食品を摂らないことである。

2.について。
カビ毒から作られる薬は多い。「毒を以て毒を制す」ことを意図したアプローチであるが、その結果は、治癒するどころか、「カビ毒にやられるだけ」である。
具体的に挙げるとなれば70種類以上にもなるが、特に以下のものである。
コレステロール降下薬(スタチン系)、降圧薬(メチルドパ、ヒドララジンなど)、抗菌薬(スルファジアジン、ミノサイクリン、イソニアジドなど)、抗不整脈薬(キニジンなど)、麻酔薬(プロカインアミドなど)、免疫抑制剤(シクロスポリンなど)、抗精神病薬(クロルプロマジンなど)

3.について。
マイコトキシンは「真菌由来生物学的防除剤(FBCA)」として、除草剤や殺虫剤として一般に流通している。
FBCAは「天然」の殺虫剤と銘打たれている(なるほど、カビ毒由来のものだから、天然と言って言えなくもないが)。
過去数十年にわたって、収穫後の作物に虫除けのために、果物の賞味期限を延ばすために、運動場の除草のために、我々はあらゆるところにこのカビ毒製品を噴霧している。
当然、FBCAと神経疾患の関係性を示唆する研究は多い。
『イタリアのプロサッカー選手間でのALS発症リスクの大幅な増加について』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15634730
1970~2001年にイタリア1部、2部リーグに所属した男性プロサッカー選手7325人を追いかけたコホート研究。
1980~1989年と1990~2001年にプレーした選手で有意にALSの発症が多かったが、1970~1979年にプレーした選手ではそのような傾向は見られなかった。
この統計をどう読むべきか?
「サッカー選手はヘディングをするせいで、後年神経疾患にかかりやすい」などと言われる。確かに、接触・転倒などでフィジカル面に激しい負担のかかるアメフトの選手ではそういう傾向があるようだ。
しかし、この傾向に、スタジアムの芝生管理に噴霧する除草剤が関与している可能性は?
「1970~1979年にプレーした選手ではそのような傾向は見られなかった」というのが大きなヒントで、80年代以降、けったいな除草剤が導入された可能性は?
スポーツが悪いのではなく、その周辺的な要素が病気の可能性を高めている可能性は、けっこう高いと思う。川渕チェアマン、そのへんも選手に気を遣ってあげて!

『スウェーデンにおける職業とALS』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1887762
オフィスワーカー(会社員)、農業従事者、医療従事者、いずれも職業環境からカビ毒に曝露する可能性はあるだろう(会社のエアコン、農業なら殺虫剤・除草剤、病院など)。

『イタリアフェララ州における農業従事者とALSについて(1964~1998)』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15995797
農業をやっていた人では有意にALSの発症率が高かった。
農家よりもまず、一般の消費者の意識改革が必要だろう。
一般消費者が「虫食いのない、きれいに大きく育った野菜が欲しい」などと言うものだから、農家のほうでも、売れる野菜を作るため、農薬や化学肥料を山ほど使う。
結果、そういう野菜を食べて一般消費者が健康を害するのはもちろんだが、農家のほうでも悪影響を受けずには済まない。
木村秋則さんは、奥さんがリンゴに散布する農薬で体調を崩すことをきっかけに、有機栽培の道を模索し始めた。この話から僕らが汲み取るべき教訓は多いと思う。

『職業曝露とALS~集団ベースの症例対照研究』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9199537
農業従事者におけるALSと農業化学物質(agricultural chemicals)曝露によるALSの増加がはっきり示されている。疫学の威力がこれでもかというくらい説得力を持った研究だと思う。
しかし、誰もこの研究のことを知らない。「これでもか」というくらい黙殺されている。消費者もだけど、農薬の害をモロに受けるのは農家さんだよ。

4.血液の酸性pH
厚労省は、日本国民の健康を思うのなら、妙な薬を許認可するよりも先にまず、コーラの販売を禁止すべきだろう。ダイエットコーラもあかんぞー。
コーラに含まれるリン酸の含有量は飛びぬけていて、健康な血液の1万倍の酸性度である。そもそも心臓はアルカリ性の血液を供給されて機能するアルカリ電池のようなものである。
甘い炭酸飲料を、特にすきっ腹で飲めば、胃壁からすばやく吸収されてすぐに血流に乗る。
「胃液の酸性度はコーラよりも高いんだぞ」などと得意げに説いてコーラの危険性を軽視する人がいる。まったくわかっていない。空腹時に飲むコーラが恐ろしいのは、膵液が分泌されないことだ。
普通の食事を摂りつつコーラを飲むのであれば(それも関心しないが)、消化管の蠕動運動が刺激されて、胃酸が分泌され、次いで膵液が分泌される。膵液は強いアルカリ性酵素を含み、コーラや胃酸などの酸性物質を中和する。
そういうバッファーなしに血中に一気に酸性物質が流入すれば、骨や筋肉に蓄積されているミネラル(カルシウム、マグネシウム)を切り崩して中和に努める。この状態が慢性的に続けばどうなるか?
ミネラルが骨から流出して骨粗鬆症に、筋肉から流出して線維筋痛症を来す。骨や筋肉がダメになって、神経は大丈夫という道理がない。糖尿病からくる末梢神経障害や多発性硬化症、果ては癌も起こり得る。
大人はともかく、子供は癌にならないだろう、と思いますか?とんでもない。身近に白血病のお子さんがいれば、尋ねてみるといい。「一日にどれくらいコーラを飲んでいましたか?」と。
コーラを10秒で一気飲みするハイキングウォーキングのあの芸人さんとか、絶対ヤバいと思うんよね(´Д`)

5.過剰なアルコール
これは僕のことですね^^;機会飲酒者だけど、飲むとなればとことん飲んでしまう。
アルコールの代謝プロセスでビタミンB群や各種ミネラルが消耗するリスクはもちろん、たとえば穀物から醸造したアルコール(ビールなど)であった場合、穀物に付着するカビ毒がそのまま製品に混入している可能性がある。

James Yoseph氏が提唱する「防御」法は以上である。
次回は、「攻撃」、つまり、積極的に摂取したい栄養成分について紹介しよう。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)