院長ブログ

スクラロース、ステビア

2020.1.16


せっかく健康のために飲んでいるEAAやプロテインなのに、体に悪い添加物を摂っているとなっては、もったいない。
アスパルテームやアセスルファムカリウムがなぜ体によくないのかについては、以前のブログに書いたから、ここでは繰り返さない、
では、スクラロースやステビアについてはどうなのか。

『スクラロースは経口グルコース負荷に対する糖反応およびホルモン反応に影響する』
https://care.diabetesjournals.org/content/36/9/2530
「スクラロースなどの非栄養性甘味料(NNS)は、動物実験において代謝に影響を与えることが報告されている。しかしこれが人間でも同様であるのかについては明らかではない。そこで我々は、スクラロースの投与が、経口グルコース負荷の代謝反応にどのように影響するかを調べた。
血中のグルコース、インスリン、Cペプチドの動態を調べることにより、β細胞の機能、インスリン感受性、インスリンクリアランスを評価した。
結果、スクラロースの投与によって、血中グルコース濃度のピーク値が上昇し、インスリンのAUC(area under the curve)が20%増加し、インスリン分泌速度のピーク値が22%増加し、インスリンクリアランスが7%減少し、インスリン感受性が23%減少した。グルカゴン様ペプチド1、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド、グルカゴンのAUC、β細胞感受性に関しては、有意差がなかった。
結論
スクラロースの摂取によって、グルコース摂取時の血糖値およびインスリン動態が大幅に乱れる」

スクラロースよ、お前もか。
やはり甘味料というのは、ロクでもないのばかりだね。甘い話にはウラがあるもので、甘い味にもウラがあるんだな。
どうせステビアも有害なんだろうなと思いながら調べていると、、、なんと、体に悪いどころか、むしろ薬効があって、糖尿病、高血圧、肝炎、胃腸炎に対する効能が示されているという。
そもそも、ステビアは植物の名前(キク科ステビア属)で、原産地のパラグアイでは神聖なハーブとして崇拝の対象だった。甘味料である前に、まず、ハーブなんだな。
ステビアを抽出して(ステビオシド)初めて商品化したのは、意外にも日本で、当初は醤油の甘み付けなどに利用されていた。
砂糖の300倍の甘みがありながら、しかも体に何かとありがたい効果があるなんて!こんな都合のいい”甘い話”があっていいのだろうか^^
でも、実際多くの論文が、ステビアのハーブとしての優秀性を示している。
たとえばこういうの。
『ステビオシドの低血糖作用の機序』
https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/html/10.1055/s-2005-837775
「果糖を食べさせまくって糖尿病にしたラットを使って、ステビオシドがグルコースとインスリンの代謝にどのように影響するかを調べた。
ステビオシド(0.5mg/kg)の投与によって、血糖値が低下した(ピークは投与から90分後)。ステビオシドを1日2回投与すると、用量依存性の血統低下作用が見られた。
正常ラットにグルコース負荷テストをするとき、ステビオシドを投与するとグルコース上昇が抑制された。
ステビオシドの投与を15日続けると、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)とPEPCK mRNAが、用量依存性に減少した。
また、ステビオシドは糖尿病ラットのインスリン抵抗性を改善した。
結論として、ステビオシドは、インスリン分泌の促進と、インスリン利用効率を改善することにより、血糖値を安定化することができる。後者の作用は、ステビオシドが肝臓に作用することでPEPCK遺伝子の発現が減少し、糖新生のペースが遅くなることが背景にある」

甘いもの中毒で、「とにかく何でもいいから甘みが欲しい」という人は、ステビアならオッケーかもしれない。「かもしれない」というのは、個人的には話がうますぎて、にわかに信じがたいから^^;

健康のために積極的にステビアを摂る、というのはちょっと違うと思うけど、たとえばある商品の原材料を見て、甘味料としてステビアしか入っていないのであれば、アスパルテームやスクラロースより安心、ということは言えるだろう。
プロテインやEAAを飲んで糖尿病が悪化した、という人は、プロテインが悪いというよりも、それに含まれる添加物が悪影響を与えたということだろう。添加物にも気を遣いましょう。

オーバーチョイス

2020.1.16

少子高齢化が、ゆっくりと、しかし着実に、進行している。「このままでは国力が衰退していく。この国の未来は明るくない」と多くの学者が警告している。
個人的には、この警告には同意しかねる。経済的に衰退することが、そのままイコール「暗い未来」だとは言えないと思う。
ただ、年度末の確定申告の時期であり、自分が納める税金の額を意識する時期でもある。「こんなに引かれるのか!」と思う。これが、「少数の若者が多くの高齢者を支える」ということの意味なんだな。
重税国家。
引かれる税金の重さから、国家の焦燥感がひしひしと伝わってくるような気がする。未来に備えるために、お役人も必死なんだろうな。
ちゃんと納税するから、天下り官僚の退職金とかにはあてず、ちゃんとした用途に使ってね^^

そもそも、なぜ、少子化が進んでいるのか。
いろいろな原因が言われている。女性の社会進出、価値観の変化などを挙げる人もいれば、シャンプー、歯磨き粉、化粧品、ワクチンなどに含まれる不妊成分や内分泌撹乱物質(環境ホルモン)の影響を挙げる人もいる。
「少子化ではなく、少母化である」という記事があった。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/post-92140.php
この記事を短く要約すると、「結婚した女性が産む子供の数は、この30年でそれほど減っていない。減っているのは、結婚する女性の数である。つまり、結婚さえすれば、女性は子供をちゃんと(30年前と同じように)産んでいる。問題は、少子化というよりは、母になる人が減っている”少母化”である。従って、女性の未婚化を抑えることが、少子化への有効な対策である」

では、なぜ、結婚しない(できない)のだろうか。

選択肢が多すぎるせいじゃないかな。
インターネットのなかった昔、世界はずいぶん狭かった。就職した女性は、会社の男性社員と結ばれるのがお決まりだったし、見合いで結婚する人も多かった。女性たちは分不相応を心得ていて、変に高望みすることがなかった。
一方、今はマッチングアプリで恋愛を探す時代である。無数の選択肢の中から、好みの男性を選ぶことになる。
一見、多くの選択肢があることは、好ましいことのように思えるが、単純にそうとばかりは言い切れない。

『選択肢の数をパラメーターとする関数としての購買行動』
http://avnimshah.com/wp-content/uploads/2013/04/Shah-A.M.-Wolford-G.-2007.pdf
この論文に、こんな研究が紹介されている。
「多過ぎる選択肢は、生産性にとってかえって逆効果である。このことを示すエビデンスが近年多く報告されている。P&G社は、商品の種類を減らすことで、主力商品の売り上げが10%増加することに気付いた (Goldstein, 2001)。
Iyengar and Lepper (2000) は、被験者に少数の選択肢(6個)のなかからものを買う場合と、多数(24個とか30個とか)の選択肢のなかからものを買う場合の、被験者心理を研究した。被験者は多くの選択肢のなかからものを選ぶことを好ましいと思ったが、購買数が多く、かつ、自分の選択への満足度が高かったのは少数の選択肢から購入したときだった」

なかなか興味深い人間心理だと思いませんか。
希望としては、多くの中から選びたいと思う。その方が、質の高いものを入手できる可能性が高まるわけだから。でも、多くの選択肢を比較考量することは、大変な作業で、実はけっこうめんどくさい。食べログとかの評価サイトがはやるわけだよね。選択肢が無数にあっては、もはや自分で考えることもできないから、他人の評価を目安にするんだな。

まさに、マッチングアプリを使う男女の心理の研究もある。
『パートナー探し〜オンラインでのパートナー探しにおける選好』
https://www.researchgate.net/profile/Alison_Lenton/publication/3230508_Shopping_for_a_Mate_Expected_versus_Experienced_Preferences_in_Online_Mate_Choice/links/0c96052249e6fe4acc000000/Shopping-for-a-Mate-Expected-versus-Experienced-Preferences-in-Online-Mate-Choice.pdf?origin=publication_detail
「現代のテクノロジーの進歩によって、衣食住あらゆる分野で、選択肢の数が増加している。それは配偶者探しにおいてもそうである。しかし、選択肢は多ければ多いほどよいものだろうか。
オンラインでのパートナー選びに際して、選択肢が増えると選好にどのような影響が生じるかを検証するため、実験を行った。
被験者は、事前の予想として、少ない選択肢の中から選ぶよりも多くの選択肢からパートナーを選ぶときのほうが、楽しく、満足度が高く、後悔も少ないはず、と考えていた。しかし実際には、理想的とされる選択肢数から選択しても満足度は向上せず、むしろ、少数の選択肢を提示されたときよりも記憶の混乱を来たしていた。
被験者は事前に「選択肢の数が増えると、コスト(比較考量のためのエネルギーや時間)がかかる」ことを予想しており、この点では正しかったが、どの程度の選択肢数でこのコスト増加が起こるのかについて、予想が甘かった。「いっぱいの中から選びたい」と欲張るけど、頭の良さがついていかないのだね^^;
このような乖離が起こるのは、人間の認知フレームワークによるものだ。このフレームは人間が進化の過程で得てきたもので、頭でわかっていてもこの傾向を是正するのは難しい。こうした知見は、マッチングアプリの設計に生かすことができるだろう」

多くの中から選びたい、というのが人間の本能で、マッチングアプリの出現は、その欲求を見事に叶えてくれた。しかし皮肉にもその結果、僕らは「選べなくなってしまった」。
30年前はそうではなかった。選択の自由なく、親の言うがままに見合いでさっさと結婚して、さっさと子供産んで、明るい家庭を築く。
どっちがよかったんだろう。
選択の自由は、結局僕らを幸せにしてくれたのかな?

有機ゲルマニウムと相乗作用

2020.1.15

今日の昼食は、浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司さんと同社営業マンの人とご一緒にさせていただいた。
食事の折、「最近、独自配合したキノコ茶(霊芝、サルノコシカケ、カバノアナタケ、ヤマブシタケ、朝鮮人参を細かく砕いたものをお茶パックに詰めたもの)を患者に勧めているところ、評判がいい」ことについて話した。
すると中村さんが、「そこに有機ゲルマニウムを併せてお勧めすると、ますます効果的かもしれません。たとえば、こんな論文があります」

『ヒメマツタケ(Agaricus blazei)熱水抽出物の、有機ゲルマニウム化合物Ge132と組み合わせたときの抗腫瘍効果』
https://www.researchgate.net/publication/281257804_Antitumor_Effect_of_a_Hot_Water_Extract_of_Agaricus_blazei_Himematsutake_Combined_with_an_Organogermanium_Compound_Ge-132
要約
ヒメマツタケ(Agaricus blazei)の子実体から得た抽出物の抗腫瘍効果を、二重移植腫瘍システム(double-grafted tumor system)で検証したところ、ヒメマツタケ抽出物は右側の原発腫瘍の成長を有意に抑制したが、左側の転移腫瘍に対しては効果を示さなかった。ヒメマツタケ抽出物を腫瘍内に注入することによる腫瘍転移抑制効果は、0.05% Ge132(ポリトランス-[(2-カルボキシエチル) ゲルマセスキオキサン])を含むエサを経口で自由摂食で与えたときに増強した。活性化マクロファージによって免疫抑制性酸性タンパク(IAP)が産生されることが発見された。ヒメマツタケ抽出物を皮下注射するとすぐに、血中IAP濃度が一時的に増加した。ヒメマツタケ抽出物とGe132を組み合わせて使うと、CD4陽性ヘルパーT細胞が体内で増加した。

「霊芝やサルノコシカケにも抗癌作用があることが知られていますが、この研究に見られるように、ヒメマツタケにも抗癌作用があります。一方、有機ゲルマニウムにも抗癌作用があります。
これらのキノコによる抗癌作用は、作用機序としては似通っています。つまり、併用しても相加作用が望めるだけですが、作用機序がまったく違う有機ゲルマニウムを併用することで、抗癌作用が相乗的に増加した可能性があります」
なるほど、おもしろい指摘だ。「違うものが協調すれば、効果が相乗的に高まる」ということか。
類似の作用機序のリガンドを併せて使っても効果は相加的(足し算)だが、違う作用機序でありながら同じ作用をもたらすリガンドを併用すれば効果が相乗的(掛け算)になる。
上記に引用した研究では、ヒメマツタケと有機ゲルマニウムの併用により抗腫瘍効果が増強することが示されたわけだけど、僕の配合したキノコ茶を有機ゲルマニウムと併用しても、抗腫瘍効果が増強する可能性はあると思う。

以前のブログに、慢性疲労症候群に有機ゲルマニウムが効く、という論文を挙げた。
http://orthomolecular.org/library/jom/1988/pdf/1988-v03n01-p029.pdf
この論文中、有機ゲルマニウムを飲んでも効かない難治症例に対して、コエンザイムQ10やDMG(ジメチルグリシン)を併せて投与することで、ほぼ全患者が改善したという。
このメカニズムは、一体どのようなものだろうか。それぞれ分子構造がまったく違うのだから、当然作用機序も違うだろう。しかし、疲労改善という共通の目的に対して、3剤は協調的に働いたようなんだ。
「有機ゲルマニウムの投与量に対して、コエンザイムQ10、DMGをどの程度の割合で使ったのか、残念ながら論文中に記載がありません。この3剤の最も有効な投与量割合を決めるためにマウス実験をするとなれば、けっこう大変です。2剤ならともかく、3剤というのはちょっと。。このあたりの数字がクリアになれば、当社としても新商品が作れそうですが」

「違うものが調和することで、単なる相加作用だけではなく、相乗的な作用が生じる」という現象は、案外あちこちにあると思うんだな。
「悟空だけでも、ピッコロだけでも、ラディッツには勝てなかったけど、二人が協力して戦うことでラディッツを倒すことができた、みたいな感じですかね」
「すいません、その比喩はちょっとわかりません」
ジェネレーションギャップは仕方ない^^;
僕も、下の世代の人が何かのたとえで『ワンピース』をネタに使っても、全然反応できません^^;

NHK文化センター

2020.1.15

先月のこと。
朝、クリニックに行くと、スタッフから「今NHKから電話がありました」
言われた瞬間、頭がフル回転した。
NHKから電話?どういうこと?受信料の取り立て?いや、家にテレビがないんだから、払う義務はないだろう。しかしスマホを持っているだけで払わないといけないって話だっけ?だとする未払いだけど、クリニックに督促の電話があるかな?
不吉な予感が駆け巡る。まったく、心にやましいところのある悪人は、ささいなことにも始終このようにビクついているものである。「で、NHKが何やて?」

「コウザの依頼をしたいそうです。詳しいことは、後で院長に直接メールでお伝えする、とのことでした」
コウザというのは、講座だろう。僕は落語家ではないから高座ではないだろうし、どこそこに受信料を振り込めという口座の話でもないだろう。
青天の霹靂とはこのことである。どうせロクでもない電話だろうという予感は、まったく裏切られることになった。天下のNHKが、僕に講座を依頼するとは!
驚きとともに、ちょっとしたニヒルな思いも込み上げる。
よくわからないけど、NHKで講座を担当する先生というのは、何というか、もっと「ちゃんとした人」でないといけないのでは?笑
つまり、恐らくはオーソモレキュラー栄養療法の入門的な講座をして欲しい、ということだろうけど、オーソモレキュラー療法というのは、決してスタンダードな医療スタイルではない。というか、一般的な医療の側からは「ビタミンで病気が治ってたまるか!」とむしろ毛嫌いされている(保険医療が崩壊しそうな今、もうそんなこと言ってる場合じゃないだろうにね)。何事に関しても”正統”を好むNHKである。”異端”の僕に講座を依頼するなんて、本当に気は確かなのか?
数時間後、NHK文化センターの担当者氏から送られてきたメールには、時候の挨拶、自己紹介とともに、僕に講座を依頼したいと思った経緯が丁寧に綴られていた。まったくの正気だった。
たまたまブログで健康情報を検索していたところ、僕のブログがヒットし、読んでみると「あまりに面白く、またおひとつおひとつの記事が大変興味深く、その後一週間ほどで過去までさかのぼってすべての記事を読ませて頂きました。ちょうど多忙でストレスを感じていた頃だったのですが、記事を拝読してさっそくナイアシンアミドやロディオラを購入し服用を始めたところ、寝起きがよくなり、集中力も高まって、自分の変化に本当に驚きました」
ふむ、分かる人には、ちゃんと分かるのだね。栄養素のすばらしさが。そして、僕のブログのおもしろさが^^
「浜学園で講演をされたことがあるとのことですが、弊社でも一度お話を伺えれば、と考えています。
ただ、子供を持った親御様向けの講座では対象者が限られてしまうことと、弊社にお越し頂いている受講生は50~80代の女性が多く健康・美容、教養・文化的なことに対する知的好奇心の高い方々でいらっしゃること、また、先生が『オーソモレキュラー医学入門』の翻訳本をご出版されたタイミングでありますので、ぜひオーソモレキュラー医学の何たるかについて入門的な内容の1日講座をお願いできれば、と思っております。講座企画書をお送りさせて頂きます。
謝礼等条件面で厳しいところがあり、大変恐縮ではございますが、ご検討だけでもして頂けましたら大変幸いです」
いや、謝礼とかゼニカネの話じゃない。ノーギャラでもやらせてもらう。僕に声をかけてくれて、こんなに名誉なことはない。
最近のNHKはすごく柔軟だね。朝の帯番組で芸人(華丸・大吉)が司会してるとか、ひと昔前には考えられなかった。「私たちNHKには出れなかったの」っておすぎとピーコが言ってたけど、昔はオカマが出ることさえNGだった。ところが最近のNHKはお笑い番組があったりドラマがあったり、いい感じに”民放化”しているような雰囲気があって、これはすばらしいことだと思う。
NHK文化センターの担当者氏が、オーソモレキュラー栄養療法という”異端”を取り上げてくれたことは、こういうNHKの柔軟化と無縁ではないと思う。

さて、そういうわけで、NHK文化センターで1日講座を担当することになりました!
日時:令和2年4月19日(日曜日)13:00~14:30
場所:NHK文化センター青山教室(東京都港区青山1-1-1新青山ビル西館4階)
受講料は会員4004円、一般4697円、定員は50人前後。
予約は、青山教室にて、窓口、電話、ホームページにて受付。
WEB先行受付開始:2月14日(金)9:30~(NHK文化センター青山教室のHPよりお申込み※クレジット支払いのみ)
一般受付開始:2月19日(水)9:30~(都内の新聞朝刊各紙に折込し電話・窓口にて受付開始)

内容は、ごく初歩的な話(どのビタミンにはどういう働きがあって、どうのこうの)をしようと思っています。
東京にお住まいの方はぜひご参加くださいm(_ _)m

五井野プロシージャー

2020.1.14

五井野正(ごいのただし)氏は、自身の開発したゴイノプロシージャー(Goino Procedure; GOP)によってロシアのエリツィン大統領の心臓病を治癒させた。
そのことでエリツィン氏から絶大な信頼を勝ち得、「北方四島は五井野氏になら返す」とさえ言わしめた。以後、ロシアでは国賓級の待遇を受けるようになった。
また、画家としての技量もすばらしく、エルミタージュ美術館で個展が開かれたこともある。
18歳のときに磁力で飛ぶUFOの設計図を書き、20代で書いた『一念三千論』によりあらゆる宗教の根本を明らかにした。
科学者であり、芸術家であり、社会活動家。それが五井野博士なんだな。

何だかおもしろそうな人でしょ。
でも僕も含め、ほとんどの人は彼の名前を聞いたことさえないと思う。
その理由は、某宗教団体のトップとひと悶着あって、暗殺未遂もあって、日本にいられなくなったこと。しかしこれがきっかけで海外に活動の軸足を移すことになり、結果的にはこれがよかった。世界の多くの要人が彼のことを知るようになった。プーチンの来日したときに鳩山夫妻と引き合わせるなど、政界の裏フィクサーとしての顔を持つまでになった。
五井野氏の誕生会には、世界中からVIP(政治家や元宇宙飛行士など)が駆けつける。そんな人々からの裏話で、宇宙人が地球でどのような活動をしているかも知っていた。
影響力を持つようになると、皇帝ディビッド・ロックフェラーが放っておかない。呼び出しがあったが、なんと、その誘いをあっさり蹴ってしまった。実に、権力に媚びず、自由を愛する人なんだな。竜王に「せかいのはんぶんをおまえにやろう」と言われて、皆さん、断れますか^^
懐柔策にも強硬策にもどんな口封じにも乗らない五井野氏は、当局にとって極めて不都合な存在だった。何度も殺人未遂にあった。一度などはポロニウムの毒針で刺されて半身不随となった。しかしGOPで奇跡的に回復した。しかし2017年死去。享年67歳。
五井野氏の人柄や業績については『天才五井野正博士だけが知っているこの世の重大な事実』(ヒカルランド出版)を読むと、おおよそのところがわかるだろう。

五井野氏と某宗教団体のいざこざとか政治的な顔については、特に興味をひかれない。こういうゴシップはどうでもいいんだ。ただ僕は医者だから、彼が開発したというGOPには興味がある。
GOPが著効する疾患は、「万病」だという。「万病に効く」などというと、いかにもうさんくさいが、本当なのだから仕方ない。
世界各国の医療機関で、難病(癌、糖尿病、心臓病、高脂血症、エイズなど)に対する有効性が示されている。GOPはデンマークでは医薬品登録されているし、ロシア、中国、アメリカで特許取得されている。チェルノブイリ原発の被爆者にも有効性が確認されているから、福島第一原発事故で被害を受けた人にもきっと助けになるだろう。
http://www.goino-tadashi.com/Symposium/sym01.html

では具体的に、GOPとはどんな薬なのか?
雰囲気としては、漢方に近い。マンネンタケ(黒霊芝)、カワラタケ(サルノコシカケ科)、竹節人参(栃葉人参)を細かく刻んだものを6gずつ混ぜ合わせ、800㏄の水で1~2時間ほど煮出す。それを飲む。それだけ。
https://cookpad.com/recipe/2924743

それだけのことで、万病に効く”エリクサー”が作れるのか!よし、僕も作ってみよう!
しかしすぐに気づくのは、黒霊芝、竹節人参がものすごくレアだということ。ほとんど市場に流通していないし、あってもかなり値が張る。竹節人参は苗木が安く売っているから、家に庭がある人は地植えして育てることができるだろう。しかしマンション住まいの僕には無理だ。さいわい、代用品として赤霊芝(栽培可能で比較的安価。それでもちょっと高いけど)、朝鮮人参(あるいは田七人参)でもオッケーだというので、そちらを購入した。
しかし代用品で作っているということで、本家のGOPよりも少し効果が劣る気がする。何かついでに薬効をプラスするような生薬を足せないか。
マンネンタケもカワラタケも、いわば”キノコ”である。そこで効果に定評のある他のキノコとして、カバノアナタケとヤマブシタケを入れてみてはどうか、と思いついた。
つまり、赤霊芝、サルノコシカケ、カバノアナタケ、ヤマブシタケ、朝鮮人参の5種類の生薬をミキサーで砕いて、等量ずつ混ぜ合わせ、お茶パックに詰める。
ぐつぐつ煮出して飲んでみたところ、味はちょっと苦い。おいしいものではないけど、飲めないくらいまずいかっていうと全然そんなことない。
効果に関しては、飲んですぐにどう、ということはない。さいわい健康体で特に不調はないものだから、何ら効果を感じないのかもしれない。
そもそも、GOPの有効性が確認されているのは、癌、糖尿病、心臓病などの慢性疾患なんだ。慢性疾患に効くということは、長く飲み続けてこそ、効いてくるということだ。
二か月ほど飲み続けて感じたのは、目が疲れにくくなったこと。電子カルテなので仕事中はパソコンの画面を見つめっぱなしだし、ブログを書くにもiPadの画面をずっと見ているから、目はブルーライトによるダメージを受けまくっていると思う。そういう疲れが、この”キノコ茶”を飲みだしてから明らかに楽になった。今のところ僕が感じた変化はそれぐらいかな。

二か月ほど前から僕の患者にもGOPを勧め始めた。そのフィードバックが、ぼちぼち出始めた。
「一番ひどいときは何もする気が起きなかったのが、散歩とか読書しようかなって思えるようになってきた」
抑うつ症状によく効くようだ。でもこれはある意味当然で、こういうキノコのちゃんぽんを飲まずとも、単にヤマブシタケを飲むだけでもうつ病や不安に効くことが分かっているんだけどね^^;
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biomedres/31/4/31_4_231/_article/-char/ja/
「毎年この時期必ず風邪をひくはずが、今のところなぜかひいていません。暖冬のせいかな」
「言い忘れてましたけど、軽いアトピーなんです。こう、肘の内側がたまにかゆくなって。でもそういうかゆさが、ぴったり治まっている気がします」
「頭痛がなくなってる。あと、肩こりが相当楽になってる。特に何もしていない。このキノコのお茶飲み始めた以外は何も」
劇的改善!っていう感じじゃないんだよね。「ああ、そういえば。あんなに気になってた症状がいつの間にか治ってる」みたいに治っていく。そういう効き方をします。

ところで五井野氏は、実は日本の学歴としては高卒。特に大学で医学や薬学を勉強した、という人ではない。しかしなぜ、そんな人が、GOPという”万病の薬”を開発することができたのか?
彼は「宇宙人に教えてもらった」と言っている。
ツッコミを入れればいいのか、笑えばいいのか、反応に困るでしょう^^;でも、彼はギャグではなく、大真面目に言っている。
まぁ僕としては、患者の治癒がこそプライオリティだから、宇宙人のレシピだろうが何だろうが、とにかく効けばいいんだけどね。