院長ブログ

肉と癌

2020.1.27

古くはアトキンス・ダイエット、最近ではケトジェニック・ダイエット、パレオダイエットなど、食事法には様々なブームがあるが、これらのダイエットにおおよそ共通するのは、”低糖質高タンパク”である。
低糖質食に関しては、おおむね同意する。砂糖などの精製糖質や小麦製品の摂取量は、一生ゼロでもいいと思う。ただ、米から適度な炭水化物を摂るのはかまわないと思うし、「野菜にも糖分が含まれている」として根菜類(人参、ゴボウなど)やかぼちゃまでダメ、とするのはさすがにやりすぎじゃないかな。
高タンパク食についての個人的な考えは、「保留」ということにしている。
「肉や卵をたっぷり食べて、プロテインも飲んで、不調が改善しました」という患者の声を実際に聞く。タンパク不足が不調の背景にあれば、効く人もいるだろう。
ただ、だからといって、「高タンパク食万歳!」とは思わない。
原住民の食事の研究からプライス博士は肉食の効用を説いたが、現代の畜肉と原住民が食べている天然の肉では、同じ「肉」と言っても意味合いが全く違うだろう。
以前のブログで、生の羊肉だけを10年食べ続けて健康を維持している人を紹介したけど、ああいう肉なら体にいいとしても、一般の日本人にはあんな食事法は真似できないだろう。
それに、個人的には牛乳は体に悪いと思っているから、そこから精製したプロテイン(ホエイプロテイン)が体にいいと考える理屈がない。
「低糖質高タンパク食で体調がよくなりました」と言っている人は、案外、高タンパクというか低糖質のおかげで元気になったんじゃないかな?現代病の大半は、砂糖と小麦をやめるだけで治っちゃうものだよ。砂糖や小麦をやめることで腸の炎症がなくなって、消化吸収能力が改善して、結果、各種栄養素(タンパク質も含め)の吸収も高まるから。
もともと肉が好きでもないのに無理やり食べて体調を崩している人を臨床で見ていることもあって、安易に高タンパク食を勧める気持ちになれないんだな。

はたして、肉は体にいいのか悪いのか。科学的研究は、一体どのように言っているのだろうか。
いくつかの論文を紹介しよう。

『赤身肉、加工肉の摂取と癌リスクの関係性についての前向き研究』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18076279
「赤身肉と加工肉はいくつかの部位での腫瘍発生に関与しているが、これらの肉の摂取と癌の悪性度を調べた前向き研究は存在しない。そこで、赤身肉、加工肉の摂取が体の様々な部位で癌リスクを上昇させるかどうかを調べた。
50歳~71歳の男女50万人を8.2年間追跡したところ、53396件の癌が確認された。赤身肉の摂取量が最も多い群と最も少ない群を比較すると、食道癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌に関して、統計的に有意な癌リスクの上昇(20%~60%)が見られた。また、加工肉の摂取に関して、摂取量が最も多い群では、大腸癌のリスクが20%、肺癌のリスクが16%増加していた。
【結論】赤身肉、加工肉の摂取のいずれも、大腸癌と肺癌のリスクと正の相関がある。さらに、赤身肉は食道癌と肝臓癌のリスク上昇とも関係している」

これだけ見ると、「もう肉を口にするのはやめておこう」と思っちゃうかもしれない^^;
でも、こういう研究もある。
『肉と癌』
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0309174009001764
「ますます多くの研究が、肉の摂取量(特に赤身肉と加工肉)と癌リスク(特に大腸癌)の上昇の関連性を示している。
しかし、この癌リスク上昇は、肉それ自体のせいというよりは、肉の摂取に伴う高脂肪摂取の影響、かつ(または)、様々な調理方法による発癌物質の生成の影響が、関係している可能性がある。また、癌リスクにはある種の遺伝子型が関係しているかもしれない。肉の摂取量との相関が見られる癌は、肉の調理時(あるいは摂食時)に抗癌作用のある食品と一緒に食べたり、調理法に一工夫して、発生率が減少する可能性がある。
また、そもそも、肉には抗癌作用物質(オメガ3系多寡不飽和脂肪酸、共役リノール酸など)が含まれているものである。特に赤身肉は、抗癌作用のある微量栄養素(セレン、ビタミンB6、B12、Dなど)の重要な供給源である。肉を食べる際には、他の食品との食べ合わせや肉の調理法の工夫によって、潜在的な癌リスクから身を守ることが重要である」

肉を食べるほど癌になりやすい、というのが疫学の示すところだけど、この論文はそういう事実を踏まえた上で「肉食ったら癌になるぞ!」と脅すのではなく、調理法や付け合わせ次第で肉の癌リスクは軽減するはず、としている。理性的な、いい論文だね。
以前のブログで、ネギ科植物(ニンニクやタマネギなど)に抗癌作用があることを紹介したけど、ステーキの付け合わせにニンニクを添えたり、すき焼きにネギやタマネギのスライスを一緒に入れるのは、結果的に肉の発癌性を打ち消す格好になっている。食文化の知恵が、科学的にも理にかなった食べ方になっているというのは、おもしろい偶然だね。

Dr.Sebiは「肉の過食は体を酸性にして癌のできやすい体質にするが、野菜は体をアルカリ性にして癌のできにくい体質にする」と言っている。
西洋医学的には、肉=酸性とか野菜=アルカリ性といっても、何を言っているのか意味不明でお互い分かり合えないようだけど、結論は共通していて、どちらも「肉の過食は癌の可能性を高める」と言っている。
人間の本来の食性は、多分、雑食だから、何事もあまり極端に走らないのがいいと思うよ。

重曹、ニンニク

2020.1.26

『腹膜播種の除去に炭酸水素ナトリウム溶液が有用であった腹膜偽粘液腫の1例』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/77/12/77_3015/_pdf
日本語論文だから、みなさん読めます。
シモンチーニ博士が40年前からやっていた手技(重曹による癌治療)を、いまさら鬼の首をとったかのように論文にされても、日本の医療の後進性をアピールするだけだよね^^;
しかも、この論文はあくまで「腹腔内のゼリー状物質(腹膜偽粘液腫)の除去に炭酸水素ナトリウムが有効だった」ということの発見だけで、それが癌の除去にも有効であることに気付いていない。
シモンチーニ風にいえば、腹腔内のゼリー状物質はカンジダの産生する酸(あるいはカンジダの菌体そのもの)なので、ここに炭酸水素ナトリウム(アルカリ)を入れることできれいに洗浄できたわけだ。
考察部分にこうある。「粘液(ムチン)は炭水化物に富む糖タンパクを含む分泌液であり、アルカリで溶解し酸で沈殿する性質がある。炭酸水素ナトリウムにはアルカリ化による局所的な粘液溶解作用があり、腹膜偽粘液腫の粘液物質溶解にも作用したものと思われる。(中略)血圧低下が見られたが、機序としてはHCO3-が生体内でCO2になりPaCO2を上昇させ、血管を拡張させたものと考えられる」
そう、「万病は体の酸性化から起こる」というが、体をアルカリにすることで、たとえば高血圧も治る。
重曹で高血圧が治る機序としては論文に記載のある通りで、もう少し詳しく化学式を書くとこんな感じ。
HCO3- + H2O→H3O + CO2
血中の二酸化炭素濃度が上昇して血管拡張が起こる結果、血圧が下がる。
メイロンがめまいに効くのも同様の機序で、血管拡張によって内耳の血流が増加するおかげでめまい症状が軽減する。

重曹を飲む、などと聞くと、重曹になじみのない人にはちょっと抵抗があるかもしれない。
でも、日々の健康維持のために重曹を飲んでいる人や、重曹をクエン酸と混ぜて水にいれると簡単に炭酸水ができるので、これで自家製ハイボールを作る飲兵衛もいる^^
掃除にも使えて、変な合成洗剤で掃除するよりよほどきれいに落ちるし健康的だ。

シモンチーニ氏は外科医で、多くの癌患者の手術を行ってきた。自分の目で実際に癌腫を見ていくなかで彼が感じたのは、「癌は例外なく白く、まるで菌による感染症のようだ」ということだった。
この感想を単なる感想のまま終わらせなかったのが彼のすごいところで、乾癬や水虫に高濃度の食塩水を繰り返し塗布することで治した経験のあった彼は、癌治療に塩を使うことを考えた。「塩には強力な殺菌作用がある。癌が菌による感染症だとすると、塩による消毒が効くのではないか」
しかし実際にやってみたところ、うまくいかない。塩は体内にすぐに吸収されてしまって癌腫に届かない。また、皮膚などの体表への塗布は有効だったが、内臓の粘膜には刺激が強すぎて組織そのものを痛めてしまう。これでは治療に使えない。酢が水虫に有効であった経験から酢も試してみたが、失敗。様々な試行錯誤の末、ついに見つけた答えが、重曹だった。

個人的には、「重曹が、最終的にして唯一の絶対的解答」とまでは思わない。
シモンチーニ氏の仮説で含みがあるのは、「癌は真菌感染症ではないか」というところだ。だとすれば、真菌感染に効く他のハーブなども癌に効くかもしれない。
たとえばニンニク。
以前ブログに書いたけど、僕の父の話。
長年水虫に悩んでいた。市販の薬を様々に試したが、何をやっても効果は微妙。症状は一進一退、という感じだった。あるとき、ニンニクをしばらく酢に漬け、その酢が水虫によく効くとどこかで聞いて、試してみたところ、劇的に効いた。長年の症状がウソのように治ってしまった。
水虫は白癬菌つまりカビによる感染症であることが分かっている。ニンニクがカビに効いたということは、癌がカビによる感染症だとすると、ニンニクは癌にも効くのでは?

この可能性を念頭に論文を検索すると、さすが、世界は広くて、同じことを考える学者がすでにいるんだね。
こういう研究があった。
『ニンニクとタマネギ~その癌予防効果』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4366009/
「ネギ属にはニンニク、タマネギ、エシャロット、ニラネギ、チャイブ(アサツキ)などがある。これらの野菜は食材として世界中で使われており、また、医学的な効用のために珍重されている。
ネギ科植物の消費量を正確に評価していない難点はあるものの、疫学研究ではネギ科植物の摂取と癌(特に消化管の癌)リスクの減少には相関があることが示されている。この相関は介入研究によっても示されている。
ネギ科植物による癌予防効果を支持するエビデンスの大部分は、反応機構研究(mechanistic studies)で見出されたものである。これらの研究では、これらネギ科植物の抽出物や硫黄含有化合物がどのような作用機序で効能を発揮するかに焦点を当てている。具体的な機序としては、発癌物質の生物活性の低下、抗菌作用、酸化還元反応への関与などが示されている。ネギ科植物およびその化合物は、腫瘍発生の各段階に作用し、癌リスクに関係する多くの生物学的プロセスに影響している。本レビューではネギ科植物(特にニンニクとタマネギ)の癌予防効果と硫黄化合物の生物活性について議論している」

癌と診断されて以後、タマネギを生で食べるようにしたら、それだけで癌が治った、という話もある。
ネギ科植物に秘められたポテンシャルを、最近の科学は解き明かしつつあるようだ。

さらに、もっとズバリ、「ニンニクはカンジダに効くよ」と示した論文もある。
『生ニンニク抽出物がカンジダ・アルビカンスのバイオフィルムに対する効果』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4366009/
「生ニンニク抽出物がカンジダ属に効果があることはin vitroで示されており、この効果はアリシン(硫黄含有化合物)の作用によると考えられている。アリシンは生のニンニク一片につき約3~5 mg/gの濃度で含まれている。バイオフィルムを形成し付着するカンジダ・アルビカンスは、一般的な抗真菌薬に対して耐性を示す。
そこで我々は、生ニンニク抽出物がカンジダ・アルビカンス(バイオフィルム形成あり・なし)に対して有効かどうかを調べた。(中略)
【結論】:すごく効きました」

人間が科学の力で作り出した抗生剤に対しては、耐性菌ができてしまう。それならば、と新しい作用機序を持った抗生剤を作っても、その努力をあざ笑うかのようにまたすぐに耐性菌が現れる。菌とまともにやり合っても、人間はまったく敵わないんだ。
しかし、生ニンニクを潰して水に溶いただけの液体に対しては、こんなにタフなカンジダ菌があっさり死滅する。
人知の浅はかさ、そして、自然の抗菌薬のすばらしさ。こんなに明瞭な対比ってなかなかない。

癌で人生が終わるくらいなら、生ニンニクを食べて職場の同僚から「口がくさい」っていう陰口に耐えるほうが、まだマシではないですか^^

癌の代替療法

2020.1.25

癌患者は、自分が癌にかかる前に、すでに自分の身内が癌によってどうなったかを見ているものである。
医者の言うがままにいわゆる癌の標準治療(手術、抗癌剤、放射線)を受けた。それで助かったのならまだしも、まず、治療の甲斐なく命を落としている。医者は「手を尽くしましたが、癌の病勢に打ち勝つことはできませんでした」と頭を下げる。そうして頭を下げられると、何も言えない。「いえ、こちらこそありがとうございました」と場を収める。
しかし内心は違う。「ほんまかいな」と思っている。抗癌剤治療をやりだしてから明らかに体調が悪くなった身内の姿を、すぐそばで見ている。「治療どころか、死期を早めたんじゃないのか?」それが心の奥深くに潜む本心である。
さて、今度は自分が癌の診断を受けてしまった。身内と同じ轍は踏むまい、と決めているから、とりあえず医者の勧める標準治療は拒否する。
問題はそこからだ。これから、どうしたものだろう?
代替療法の探索を始めることになる。

ビワの種には抗癌作用が確認されている(もっとも、これはビワに限らず、バラ科植物(リンゴ、アンズ、サクランボ、桃、梅など)の種全般に言えることである)。
『アミグダリンの抗癌・抗腫瘍作用は本物か』http://immunopathol.com/PDF/ipp-2-e22.pdf
この論文では、アミグダリン(ビワの種に含まれる成分)が抗癌作用を発揮する機序について考察されている。結論部分で、癌だけでなく、動脈硬化、糖尿病の治療にも有効だと述べられている。
こんなふうに、すでに有効性が実証されているビワの種だが、「ビワ 種」で検索してみるといい。トップに来るのは、なんと、日本医師会監修のこのサイトである。
https://www.med.or.jp/people/knkshoku/biwa/
実に丁寧な作りで、いかにビワの種が危険であるかが力説されている。これだけクソミソにけなされたら、杏仁豆腐の立場はどうなる^^;
すごくわかりやすいページ構成で、かつ、検索のトップに来るということは、相当なお金が動いてるに違いない。
お上が躍起になって「ビワの種、ダメ!絶対!」と強調するということは、つまり、ビワの種は癌に効くということです^^;
そもそもバラ科植物の種は昔から漢方や料理に使われている。桃の種はトウニン(桃仁)として漢方の生薬そのものだし、杏仁豆腐はその名の通り、アンズの種(アンニン)を風味付けに使っている。呼吸器内科には、咳止めにキョウニン水を好んで処方する先生もいる。メジコンやフスコデが全然効かない頑固な咳も、これ一発で治ったりする。
ビワの種も、漢方では枇杷仁として「肝臓病、浮腫、咳、関節痛、風邪予防」などに効果があるとされている。
大昔から利用してきた生薬なのに、いまさら日本医師会が「青酸が猛毒!」などと危険性をわめきたてても、説得力ないよね^^;
ビワの種がなぜ癌に効くかの機序までわかっているのだから、癌の人は上手に利用すればいい。
ただし「ビワの種で癌が治る!」みたいな過大な期待はしちゃダメだよ。癌になったからには、長らくの不摂生とか生活習慣のゆがみが背景にあるはずで、そこの改善に取り組むのは絶対の必要条件。
そのうえでプラスして、ビワの種とかその粉末がネットで売っているから、試してみるといい。

日本医師会も患者を民間療法に走らせまいとして必死やのぉ笑
でもね、このネットの時代、もう情報の拡散は防げないと思うよ。
患者は、自分の家族が抗癌剤で死んでいくのを間近に見ている。こんなもんが治療じゃない、ということはわかっている。
というか、国(厚労省の役人)だってわかっている。抗癌剤は実は増癌剤で、こんなもんで癌が治るわけがないって、わかっている。
アメリカではその嘘がばれてきて、医者に言われるがままに抗癌剤治療を受ける人が減ってきたから、癌死亡率が減ってきた。

行き場のない抗癌剤の在庫処分場として、日本はいいように使われている格好で、世界で唯一癌死亡率が上昇している。
情報をきちんと仕入れて、自分の命は自分で守る、という意識がないとダメだよ。

前のブログで紹介したけど、重曹を使うのも有効だ。
『癌治療における緩和手段:炭酸水素ナトリウム~バカげた考えか、賢明な治療法か』
https://serval.unil.ch/resource/serval:BIB_197D722EF7F0.P001/REF.pdf
「医学の進歩にもかかわらず、癌は先進国の主要な死因であり続けている。結果、ますます多くの患者が代替療法に注目している。こうした治療法のなかでも、相当な関心を引いているのが、重曹(重炭酸ナトリウム)による癌治療だ。インターネット上にある自己治療報告によると、多くの患者は重曹を、簡単で、安く、しかも有効な抗癌剤だと感じている。これまでのところ、重曹の抗癌作用を実証する臨床研究はないが、多くの患者が自分の体で試した報告が、重曹による癌の進行遅延効果を示唆している。本稿において、我々は癌治療において重曹を利用する理論的妥当性を検証し、さらに、重曹の抗腫瘍活性の実験エビデンスを列挙している。
最後に、癌治療において重曹が果たす今度の役割について推測した」

重曹による癌治療を提唱したシモンチーニ博士は、40年以上にわたって多くの癌患者を救ってきたが、医学界から追放の憂き目にあった。
しかしこの方法は極めて簡単なので、その気になれば患者が自分で試すこともできる。そのため、世界中の癌患者が実際に自分で重曹を試し、その治療効果をネット上に発信している。
もう、そういう時代なんだ。医療のウソがばれて、患者に本当の情報が伝わる時代。すばらしいことだね。
そこで、シモンチーニ氏の方法をここで紹介しよう。
そもそも重曹は適量であれば無害だから、量的に厳密である必要はないけど、静脈点滴で行く場合は、5%炭酸水素ナトリウム溶液500㏄の投与でもって1回とする、というのが一応の目安。
でも、たとえば画像のようなメイロン8.4%を500㏄で行っても無害であることが確認されている。

この投与を6日間続け、次の6日間は休止する(あるいはこの休止中にビタミンC点滴をするのもいい)。
これを4~6サイクル行うと、ほとんどの癌は消滅する。部位や癌巣の状態にもよるが、通常は3~4日で退行を始め、5~6日でコロニーが崩壊するという。
飲用で行う場合は、10~20%の重曹水溶液を100~200mlくらい飲む。ざっと、コップ一杯に重曹を中さじ一杯いれる具合だ。
注意点としては、
・アルミニウムを含まない調理用の重曹を使うこと。
・1日に1回でいい。
・6日続ければ6日休むこと。
・癌が治ったらやめること。

ひとつの代替療法に猛烈に期待するのではなくて、効果があるとされている方法をいくつか組み合わせて使うといい。「救われるにはこれしかない!」という視野狭窄は危ういよ(「癌を治すには標準治療しかない!」という思い込みも含めてね)。
当院でも、癌患者にはビタミンC点滴やら各種ハーブやら、いろいろなものを使って対応している。
でもこのやり方でちょっと困るのは、癌が治っても「一体何のおかげで治ったのかよく分からない」っていうね^^;

参考
『ガンの新しい治療法』(シモンチーニ監修 世古口裕司著)

アシドーシスと病気

2020.1.23

前回に引き続き、癌は重曹で治癒できる、という研究を挙げる。

『癌細胞は重曹(重炭酸ナトリウム)によって打ち負かすことができるのか』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5954837/
「巨大な肝細胞肉腫(HCC)に対する肝動脈閉塞療法(TACE)の改良版のやり方について、Chao et al.が報告している。これによると、抗癌剤に5%の重曹(重炭酸ナトリウム)を加えて腫瘍に注入するのである。
小規模な無作為比較試験では、重曹を加えたTACEによる客観的反応率(ORR)は100%だった。TACE単独投与群のORRは63.6%であり、有意な改善率が示された (Chao et al., 2016)。
著者らは重曹によって腫瘍の乳酸アシドーシスが是正されることを期待していることから、この方法は腫瘍内乳酸アシドーシス標的TACE(TILA-TACE)と命名された。
著者らは以前、in vitro(試験管内)の研究で、乳酸アシドーシスがあると癌細胞はグルコース飢餓の状態になっても能率的に生存し続けることを示した(Wu et al.,2012)
乳酸アシドーシスという現象は、酸性度の上昇(アシドーシス)と乳酸の蓄積(ラクトーシス。乳酸血症)が特徴である。腫瘍に直接重曹を注入するTILA-TACE法によって、腫瘍内部の微小環境で乳酸濃度は変化させず、pHを上げてアシドーシスを改善することが期待できる。
この方法のキモは、乳酸アシドーシスの改善というよりは、アシドーシスの改善である。in vitroの研究では、ラクトーシスではなく、アシドーシスこそが、グルコース欠乏下の癌細胞の生存期間を延伸させることが示された(Wu et al., 2012)。
腫瘍細胞の生存にとってアシドーシスのほうがより重要であることを考えれば、重曹を腫瘍に注入して腫瘍内のpHを上げるだけで、腫瘍のアポトーシスが劇的に増えたことは、特別驚くほどのことでもないだろう」

上記の研究は中国のもの。
重曹を抗癌剤と併用することで有効性が高まった、という研究だけど、重曹の単独注入でも十分効果が出たに違いない。しかしそういう研究デザインでやってしまうと、製薬会社から研究資金提供が受けられない、というジレンマがある。「薬いらんやん」という研究を、製薬会社はスポンサーしない。
しかし重曹の有効性を確認しようという姿勢だけでも立派というべきで、日本ではこんな研究は望むべくもないだろう。

癌と診断された人は皆、インターネットでいろいろと調べるものである。そして「癌に甘いものは大敵」ということを知り、砂糖菓子はもちろん、厳しい糖質制限をしたりする。ここまではいいとして、でもそれだけでは充分ではない、ということを上記研究は示している。アシドーシスの条件下では、グルコースの供給を断っても癌細胞は死なないわけだから。

甘いものをやめることに加えて必要なのは、体をアルカリに保つ生活習慣を意識することだ。
体液をアルカリにすることの重要性は多くの医療者が言っている。
以前ブログで紹介したDr.Sebiもそうだし、ゲルソン療法で有名なマックス・ゲルソン医師も言っている。”alkaline diet cancer”で検索すると、多くの本がヒットする。癌の背景に体液の酸性化があって、癌の改善にはアルカリが重要だというのは、欧米では相当広く認識されているようだ。

実はアルカリが大事なのは、癌の治療に対してだけではない。Dr.Sebiは「すべての疾患は、体液の酸性化から起こる」とさえ言っている。
これは極論だとしても、一般の医学でも重曹の有効性を認めている疾患はけっこう多い。
メニエール病にメイロン(炭酸水素ナトリウム)を点滴するのは耳鼻科医には当たり前の知識だし、潰瘍や胸焼けに重曹が効く機序は小学生にも理解できる(胃酸が中和されるわけだから)。
しかし、たとえば自己免疫疾患にも重曹が効く、とまでいうと、多くの医者は眉をそびやかすだろう。しかしこんな研究がある。
『重曹の飲用により、安く安全に自己免疫疾患を治すことができる可能性』
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/04/180425093745.htm
「関節リウマチなどの自己免疫疾患による破壊的な炎症が、毎日重曹を飲むだけで軽快する可能性がある。本研究は、安価なOTC医薬品の制酸薬である重曹が、脾臓に作用することで抗炎症環境を作り出し、その結果、炎症性疾患に効果を発揮することを示した最初のエビデンスである」

「酸性になると病気になるのだから、重曹を摂取してアルカリに戻してやればいい」というのは議論としては乱暴すぎるけど、深く考察してみる価値のあるテーマだと思う。

シモンチーニ

2020.1.23

イタリアの医師トゥーリオ・シモンチーニは「癌はカンジダ(Candida albicans)が原因であり、重曹(sodium bicarbonate)の投与によって治療可能である」という考えのもと、多くの癌患者を治療したという。
癌が重曹で治るとすれば、副作用の多い抗癌剤(というか、副作用で患者を死に至らしめる抗癌剤)を使う必要がなくなるわけで、極めて画期的な発見である。
しかし日本では彼の業績はほとんど知られていない。
いや正確には、知っている人は知っていて、それを広く知らしめようとするのだが、そういうことをすると当局から様々な圧力がかかる。
たとえば最近、世古口裕司氏が著書『イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法 重曹殺菌と真・抗酸化食事療法で多くのガンは自分で治せる』を上梓し、朝日新聞の広告欄に宣伝をしたところ、各所から「医学的事実に反する」との指摘が相次ぎ、朝日新聞は以下のような謝罪に追い込まれた。
https://www.asahi.com/shimbun/release/2019/20191114.pdf
この謝罪記事は、要するに、
・シモンチーニ氏はすでに医師免許を剥奪されているのに、そういう人物の呼称に「医師」と書いた点。
・「癌は重曹で治癒する」という科学的に認められていない事柄を宣伝した点。
この二点について謝罪してるんだけど、前者はゴミくずみたいに小さい問題だし、後者のせいで謝罪するくらいなら、もう本の宣伝なんて一切できないんじゃない?
既存の考えにとらわれない新しい治療法を考案しても、頭の固い学会はそれを認めなくて、「それでは広く世に問おう」ということで本を出版する、という先生はちょくちょくいる。こういう類の本は、今後宣伝できない、ということになるのでは?
朝日新聞は、南京大虐殺とか従軍慰安婦問題とか国際的に宣伝しまくって日本の国際的地位を貶めたことについてはいまだに全然悪びれる様子もないんだよね。謝罪すべき順番というか重要度が、ぐちゃぐちゃじゃないの?^^;

検索すれば、シモンチーニ氏の業績を紹介するサイトはたくさんヒットする(ボロクソにけなすサイトも同じくらいたくさんヒットする)。
しかしそういう二次情報ではなくて、シモンチーニ氏の生の声(一次ソース)に触れるのが一番説得力がある。
英語が読める人は、シモンチーニ氏の著作”Cancer is a Fungus: A Revolution in Tumor Therapy”(『癌は真菌である~癌治療における革命』)を読むといい。

しかし値段がとんでもなく高騰している^^;需要が大きいのに当局から出版を止められているものだから、こういうことになるんだね。
でもありがたいことに、ネットの時代である。
http://getmoldtested.com/uploads/Cancer_is_a_Fungus-Tullio_Simoncini_MD_Oncologist.pdf
なんと、無料で読めてしまう。英語が読めることが前提だけど、情報は開かれているんだ。

gogle scholarで「tullio simoncini 」で検索すると、シモンチーニ氏の論文も出てきた。
http://www.artikelkanker.com/download/Cancer/CANCER%20-%20Is%20the%20Cause%20of%20Cancer%20a%20Common%20Fungus.pdf

シモンチーニ氏の方法に対して、「既存の医学で認められていない」という生産性のない批判ではなくて、真っ正面から検証すればいい。それが科学者同士のやりあい方でしょ。
と思って調べていると、こういう論文があった。
『癌の治療戦略として腫瘍の酸性度に対するアプローチ』
http://cancer.cytoluminator.com/cancer-photodynamic-therapy/Manipulating%20pH.pdf
この論文では、「癌はカンジダによって起こる」ということは一言も言っていない。ただ、癌細胞周辺では乳酸産生が亢進して酸性になっているものだから、アルカリ性の重曹を投与してはどうか、という切り口からアプローチしている。
カンジダが関与しているかどうかはともかく、治療として重曹を使うという点はシモンチーニ氏と共通している。患者の治癒こそが最優先事項だから、理屈の違いは本質じゃない。あとですり合わせていけばいい。
要約をざっと訳してみよう。

「癌の治療として、腫瘍の細胞外(あるいは細胞内)のpHに介入することは、かなりのポテンシャルを秘めている可能性がある。ほとんどの腫瘍の細胞外液は軽度の酸性である。これは腫瘍が乳酸を大量に産生するためである。
腫瘍の低酸素状態や好気的解糖は、主に低酸素誘導因子-1(HIF-1)の慢性的活性化によって引き起こされるが、これらが腫瘍酸性化の背景にある。腫瘍の酸性度は癌の進行度と相関する傾向があるが、これは、ひとつには、HIF-1が浸潤や血管新生を促進する能力を反映しているためである。
細胞外液の酸性度それ自体が癌細胞の浸潤と転移を促進し、さらに、この酸性度こそが多くの抗癌剤(軽度のアルカリ性である)に対する耐性を高め、免疫系が腫瘍を排除する働きを阻害している、ということについて、近年ますます多くのエビデンスが出てきている。
従って、腫瘍に対して細胞外液のpHを高めるアプローチは、治療戦略として充分な有用性を持ち得るものである。ネズミの実験では、重曹(炭酸水素ナトリウム)の経口投与によって腫瘍の細胞外液pHが上昇し、転移抑制と細胞毒性因子に対する反応性改善に効果があった。この治療戦略を実際の臨床現場で適用することは充分可能であると思われる。
別のアプローチとして、癌細胞のプロトンポンプを抑制する薬によっても、腫瘍の細胞外液の酸性度を緩和することが可能かもしれない。というのは、癌細胞の細胞内pHも低下することで、腫瘍の増殖を抑制し、様々な癌細胞系のアポトーシスを促進することができるからである。ヒトのメラノーマを移植したヌードマウスでは、プロトンポンプ阻害薬(エソメプラゾール)の投与により、腫瘍の成長が抑制され、生存率が高まった。
最後に、癌の好気的解糖を利用した高酸性化療法(hyperacidification therapy)の可能性について紹介しよう。これは、高血糖状態にし、さらにプロトンポンプ阻害薬(場合によってはジニトロフェノールも一緒に)も合わせて投与し癌細胞の内部を強い酸性にすることで、癌細胞を直接殺そうとする治療アプローチである。化学療法の補助的な手段として使うことも可能だろう。
プロトンポンプ阻害薬を使わない同様のアプローチとして、腫瘍の細胞外液の酸性度を極限まで高めて、そこにpH感受性のナノ分子に細胞毒性薬を詰めて、腫瘍選択的に攻撃する方法もあり得るだろう」

この論文を読んで、食物の保存技術のことを思った。
生ものを保存する、つまり、細菌による腐食から守るには、どうすればいいか。細菌の生育に適さないような極端な環境を作ってやればいい。干物(水分の完全喪失下では、菌も活動できない)、砂糖漬けあるいは塩漬け(高濃度溶液のなかでは、菌体が浸透圧を保てない)など、人間の生活の知恵は様々な保存法を編み出してきた。
上記の論文は、カンジダについて一言も言及していない。でも、極端な環境(アルカリ状態あるいは強酸性状態)にすることが、結果的には、カンジダ(=癌細胞)を叩くことにつながっている。
シモンチーニ氏の理論と全然矛盾していないところが、おもしろいね。