男が男に惚れる、ということがある。
もちろん、変な意味ではない。
「この人のビジョンに共感した。自分に何かできることがあるのなら、是が非でもこの人に協力したい」
そういう衝動は、誰しも一度は感じたことがあると思う。

どういう人間が、人を惹きつけるのだろうか?
ルックス(アイドルみたいに恵まれた容姿?)、身体能力(誰にも負けない腕っぷしの強さ?)、宗教家的素質(持って生まれたカリスマ性?)。
いわゆる魅力には、様々な要素があり得るだろう。
しかし、Simon Sinek氏の分析は違う。
人を強く惹きつける人物は、ことごとく「Whyから出発している」。一方、俗物はWhatから始める。
非常におもしろい分析だと思った。

この視点で見れば、確かに、選挙で当選した議員は皆、演説で上手にWhyを主張していた思う。山本太郎しかり、立花孝志しかり。
「あなたを幸せにしたいんだ」「NHKをぶっ壊す」
どちらのメッセージも、簡潔で理解しやすく、”思い”が乗っかっている。冷静に聞けば、How(どうやって)に関して両者ともツッコミどころ満載なんだ。「できるわけないよ」批判することは簡単だろう。
それでも、彼らの主張が大衆の支持を得たのは、彼らのWhyに強い熱意がこもっていたからだ。
最近の立花さんはずいぶん迷走している印象だけどね^^;

キングコングの西野亮廣も、講演家の鴨頭嘉人も、上手にWhyを使っていると思う。西野氏は「ウォルト・ディズニーに勝つ」、鴨頭氏は「日本人全員を話上手にする」ということを目標に掲げている。
まず実現不可能な目標である。でも、それが現実的であるかどうかは、ほぼ関係ない。夢物語であってもかまわない。むしろ「ちょっと背伸びしたら叶うんじゃない?」ぐらいの卑近な目標であってはいけない。
一見荒唐無稽に思える目標の実現に向けて、夢を語り、真剣に活動する。そういう姿にこそ、人々は共感する。
西野氏や鴨頭氏が成功している理由がよくわかる。彼らは確かに、Whyから出発している。

しかし個人的には、最近見た動画で一番胸にグッときたのは、上記の誰の動画でもない。
レペゼン地球のDJ社長の動画『好きなことで、生きていく』に、素朴に感動した。
この人の他の動画はずっと前から見ていた。テキーラを一気飲みしたり、ドッグフードを食ったり食わせたり、しれっと差別用語を連発したり^^ハチャメチャで、おもしろかった。「テレビがユーチューブに負けている」ということの意味が、レペゼン地球を見ているとよくわかる。あんな芸、テレビで絶対放送できないよね^^;
下記の動画は、いつもの彼らと趣向が違って、DJ社長が一人で語る。どんな漫談を聞かせてくれるものだろうと口元に笑顔の準備をしつつ見ていたが、予想は裏切られた。いい意味で。この人がどんなふうに人生を切り開き、今の自分を確立したか、その秘訣を惜しげもなく公開している。
40分以上の長い動画だけど、見終わる頃には、この人のことを好きになっていた。
「人に使われたくない」ずいぶんチャラいWhyだと思う。キング牧師の「私には夢がある」の壮大さとは格が違いすぎる^^
それでも、感動した。人を信じたり人に騙されたり。苦境に陥ってもくじけず、何度でも立ち上がる。何て強い人なんだ、と思った。この人は、ユーチューブという時流に乗ってたまたま成功したのではない。他の分野に行っていたとしても、その芯の強さで、きっと成功していただろう。
Whyに共感すると、ファンになってしまうね。
しかし、こんなにコテコテの博多弁を長時間聞いたのは初めてだった。不思議と、神戸弁に似てるんよねぇ。

僕のWhyは?
やっぱり「患者を救いたい」、これに尽きると思う。
この思いがなければ、お気楽な勤務医の身分を捨てて開業するなんてあり得なかった。毒みたいな薬を処方しないといけない罪悪感に耐えかねて、本当に人を救う医療を求めて、開業に踏み切ったんだ。
なかなか立派なWhyだと思う。でも、誰も共感してくれないけどね^^;