食品を電子レンジにかけると、自然界に存在しない物質が生成する。
一般に、こういう人工的な物質を体内に入れると(消化管経由であれ静脈経由であれ)、体はその代謝に四苦八苦する。
毒物の代謝といえば、肝臓の出番だ。
体はこの「電子レンジ毒」の流入に対して、肝臓に蓄えたグルタチオンやらビタミンCやらを総動員して、何とか毒性を丸め込もうとする、というのが以下の論文。
https://www.researchgate.net/publication/303589584_Impact_of_microwave_heated_food_on_health_Journal_Journal_of_Advances_in_Biology
要約
本研究の目的は、電子レンジで加熱した食餌をマウスに与えて、血液や臓器にどのような生物学的影響があるかを調べることである。
オスのスイスアルビノマウス(1か月齢と3か月齢)に同食餌を与えたところ、血中総タンパク質濃度が低下する一方、アルブミンやビリルビンが上昇した。
グルタチオンペルオキシダーゼやSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)が減少し、同時にマロンジアルデヒド(酸化ストレスのマーカー。生理学的異常の原因)が増加した。
本研究の結果は、電子レンジによるマイクロ波の照射によって肝機能に悪影響が生じ、組織学的障害や生理学的障害が起こり得ることを示唆している。

上記論文の本文(5.Discussion)にも興味深い記述があるので、抜き書きして紹介しよう。
Veneman et al(2004)によると、電子レンジで加熱した食餌を食べたマウスのみならず、電磁場に曝露したマウスでも肝細胞の損傷が起き、アルブミンとビリルビンが増加していた。
同様の研究はLohmann et al(2000)にもあり、ここでは50Hzの磁場にさらすことでマウスの血中アルブミン、ビリルビン、AST、ALTが増加することが報告されている。
本研究と同じ結果であるMoussa(2009)では、マウスを3.5GHzの磁場にさらすことでアルブミンとビリルビンの増加が確認されている。
処置をしたマウスにおいて、肝酵素のマーカー(AST、ALT)、アルブミン、ビリルビン、総タンパクで増加が見られる(Clark et al.2003)
本研究はBurgert et al(2006)と一致しており、ここではアルブミンとビリルビンの増加のみならず、肝細胞の損傷に起因するALP(アルカリフォスファターゼ)の増加を報告している。
本研究では血中総タンパク濃度は減少したが、これと同様の結果はBohr(2000)でも報告がある。これは、電磁波によるタンパク質の変性についての研究である。
Moussa(2009)の結果は、これとは逆で、マイクロ波に曝露させたマウスで血中タンパク濃度がむしろ増加していた。
本研究では肝酵素の変化を評価しているが、電子レンジで加熱した食餌を8週間食べ続けたマウスと同様、電子レンジから照射される2.45GHzのマイクロ波に照射されたマウスでも血中のALP、ALT、ASTの上昇が見られた。
本研究がPashovkina and Akoev(2001)と一致しているのは、肝細胞の細胞膜の透過性が変化しALPが有意に増加する、ということである。電子レンジ照射群で見られたALP活性の上昇は、肝細胞の損傷を示すものである。
Dufour et al(2000)は血中マーカーとして肝酵素(ALP、ALT、AST)を測定することは、肝細胞の損傷や壊死のみならず、肝機能不全を検出する上でも有用だと指摘している。
Abdel-Aziz et al(2010)は、ラットを電磁場に2週間さらしたところ、AST活性が有意に増加したことを報告した
Oh et al(2006)は、血中ALT濃度と非アルコール性脂肪肝(NAFLD)、心血管疾患の間には相関があることを報告した。Claek et al(2003)はALT増多の原因で最も多いのはNAFLDだと指摘している。
電子レンジで加熱した食餌を与えた後のAST、ALPの増加は、肝損傷の指標となるばかりではなく、その他の組織の損傷マーカーでもある。(Hajimehdipoor et al.2006)
本研究の結果は、実験群マウスでの血中ALT増加を示しているが、これはMaria and Stuchly(1995)とも一致している。

日本で、電子レンジがない家庭はほとんどないだろう。普及率は、ほぼ100%に近いに違いない。
しかし電子レンジで調理することで、食品中に毒性物質が生じることを知る人はほとんどいない。
人々の健康を守るべき医者でさえ、電子レンジが原因で病気になり得ることを知らない。
だから医者は患者の異常な採血結果を見ても、その原因が電子レンジの過剰使用によるものだなんて、疑うことさえできない。
でも実際の臨床現場では、電子レンジに起因する病気の患者が必ずいるはずだ。
電子レンジの普及率を考えれば、いないはずがないんだ。

「総蛋白もアルブミンも高くて、いいですね。しっかりタンパク質が食べれてて、肝臓が元気な証拠ですよ」
「ALPが高めで、いいですね。ALPの活性中心には亜鉛がありますから、これは亜鉛がちゃんと摂れてる証拠なんですね」
自戒を込めて言うんだけど、毎日電子レンジで加熱した食事をしているような患者を相手に、僕はこんなふうに説明していた。
知識がなかったら、的外れな読み方をしてしまう。
生かせないデータなら、とったところで意味がない。