今日は兵庫県高砂市にある公共施設で講演会を行ってきた。
講演会を聞きに行った、のではない。医師として、講演をやりに行ったのだ。
こんなことは僕の人生で初めてのことだ。

自分はまだまだ知識を吸収する側であって、偉そうに教えを垂れる側の人間ではないと思っている。
だから、最初にこの講演のオファーを頂いたときには、とても引き受けられないと思った。
院長ブログでちょくちょく医学ネタの話は書いているものの、実際の人様を目の前にして話すとなれば、ずいぶん勝手が違うだろう。
文章は何度でも書き直したり推敲できるが、講演というナマのしゃべり場では、そういう訂正はきかない。
自信をもって堂々と語りかけることができるだろうか。人々の視線が集中し、緊張のあまり固まってしまうことはないだろうか。
出席者に医学知識を持ち合わせた人がいて、議論を吹っ掛けられたら、どうするのか。
不安要素は無数にある。
できない理由をあげれば、きりがない。
でも、せっかくの機会なんだ。これも自分の成長に資する経験になるだろうと思って、お受けすることにした。

テーマは、『栄養の大切さ 栄養のとり方で人生が変わる』とした。
自分が実践しているオーソモレキュラー栄養療法の概要、栄養欠乏と病気の関係、食事の重要性、どんなビタミンがどういう病気に有効なのか、精製糖質や小麦、牛乳がどのように体に悪影響を与えるのか、栄養と子供のIQ、アダプトゲンの有効性など、自分の知識を広く浅く紹介する内容にしようと思った。
スライドを作るのはごうちゃんに手伝ってもらった。
3か月ほど前に講演の話を受けて以来、時間のすきまを見つけてはごうちゃんと共同で作業を進めた。

そして、今日、本番。
台風が近付いているにも関わらず、わざわざ来てくれたお客さんを前に、1時間話した。
ほとんど緊張しなかった。ロディオラを飲んでいるおかげで、ストレスにタフになっているのかもしれない笑
別段飾るでもなく、自分のしている医療、その背景となる理論について、できるだけ医学用語を使わずに説明した。
一通り話し終えると、フロアからたくさんの質問を頂いた。
たくさんの質問をされるということは、それだけ関心を持って聞いてもらった、ということで、ありがたいことだ。
たとえばこんな質問をもらった。
9カ月の乳児を抱っこしながら講演を聞いていた女性。「牛乳が体によくないということはわかりました。では、ヨーグルトはどうですか」
50代男性。「糖質のとりすぎはよくないっていうことだけど、じゃ、炭水化物として何を食べればいいのかな。パンはよくない?ごはんは?」
40代女性。「フッ素が危ないって言われてましたけど、歯磨き粉は当然フッ素入りのを使っているし、歯医者で歯のフッ素コーティングとかしてもらってるぐらいなんだけど、やばいですか」
別の40代女性。「検診は患者の掘り起こしっていうのは確かにそうかもしれないけど、市がやってる無料の検診をあえて行かないっていうのは、けっこう勇気がいると思いますが、どうでしょうか」

作ったスライドは、盛りだくさんすぎて、半分も紹介できないまま終わった。
お客さんからは、「もっと聞きたかった。まだ半分残ってるのなら、別の講演の機会にまたぜひ聞きたい」という声も頂いた。
初めての講演にしては、大成功というべきだろう。
しかしまぁ、高砂で好評を頂いても、わざわざ神戸のクリニックまで来てくれるわけでもなくて、集客には結びつかへんのよなぁ笑
でもそんなことは、もちろんどうでもいい。
日々の栄養の重要性や、安易に薬に頼らない意識を持つ人が少しでも増えれば、この講演会にも意味があったと思えて、僕はなによりそれがうれしい。