アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)は地球上で最も毒性の高いカビのひとつである。
その芽胞は、ヒトに対して、他のどのアスペルギルス属よりも致死的な感染症を引き起こす。
数種類のカビ毒を産生するが、これらの多くにはコレステロール低下作用、細胞破壊作用、発癌作用がある。その有毒性のために、生物兵器として軍事的にも用いられている。
有毒な活性成分として、具体的には以下のものが含まれている。
Citreoviridin (Franck and Gehrken 1980)
Patulin (Draughon and Ayres 1980)
Emojin (Fujii 1982)
Terretonin (Springer 1979; Li 2005)
Geodin (Kiriyama 1977; Ronnest 2011)
Territrems (Ling 1979)
Gliotoxin (Lewis 2005; Kupfahl 2008)
Cytochalasin E (Fujishima 1979)
Citrinin (Sankawa 1983)
Statin:Compactin/Monacolin-K/ML-236B (Endo 1978)

発見者の名前を見てわかるように、日本人研究者が多い。食文化として発酵の恩恵に預かってきた国民性もあるのかもしれない。
ただ、彼らの研究成果が日本の軍事力に貢献しているならまだしも、外国の軍隊に吸い上げられているわけだし、それどころか、日本はスタチンを売りたい製薬会社の格好の標的になっている。
何ともやるせない気持ちだ。

最初のスタチンはcitrininを産生するカビ(Penicillium citrinum)から発見されたことは先述した。
citrininは細胞毒性、発癌性が強すぎたためヒトに対する医薬品として実用化できなかったが、代わりに構造的には類似したプラバスタチン(プラバコ―ル)がコレステロール降下薬として売り出された。
しかし、citrininとその他のスタチン製剤は、分子量としてはほぼ同じである。スタチン製剤から有毒なカビ毒成分が正確に分離されているという主張には、相当無理がある。
実際、最近の研究によると、自然発酵した赤米の酵母から精製したとされるスタチン製剤の3分の1から、citrininの混入が確認された。

citrininが毒性を発揮する機序(リダクターゼ阻害)は、不可逆である。このせいで毒性が強すぎて、遠藤先生はcitrininの商品化をあきらめざるを得なかった。
現在一般に処方されているスタチン製剤はリダクターゼに対して可逆的で、それほど毒性がないとされているが、ある報告によると、スタチンの服用を中止した後にも筋細胞の損傷が続いていたという。
たとえば、この症例報告。
『フルバスタチンによって生じた致死的ループス様症候群と急性呼吸窮迫症候群』
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(98)85019-8/fulltext
「67歳女性。
8週間続く多発性の関節痛と筋肉痛および全身の発疹のため入院した。
既往症として高血圧があり、アテノロール(50 mg/day)を服用していた。また、入院の2年前から網膜の静脈塞栓を指摘されていて、以来アスピリン(75 mg/day)も服用していた。
入院の6か月前に定期健診を受け、そこで血中コレステロール高値(278 mg/dl)を指摘された。食事の改善を指導されたが、数値が低下しなかったため、フルバスタチン(20 mg/day)を処方された。
服用開始から1週間後、全身の掻痒感を伴うエリテマトーデス様の皮疹が出現し、さらに右膝関節と両手関節に腫脹と痛みが出始めた。約10週間後にフルバスタチンの服用を中止したが、中止から1か月以上経っても症状が改善しないため、入院となった。」

膠原病の専門医でなくとも、医学生でもわかるくらいの明らかなSLE症状である。
軍事関係者ならば「経口投与でこれだけのダメージを与えられるのなら、食品に混入させるなどして敵軍の兵力を大幅にそぐことができるのではないか」と発想するだろう。
もはや因果関係は明らかである。しかしなぜ薬の服用をやめても改善しなかったのだろう?
可逆性のカビ毒だけを使っているのなら、このような症例はあり得ないのではないか?citrininあるいは類似のカビ毒が混入していた可能性は?

誰にも確かなことは分からない。
現代は、医療の闇の時代(the Dark Age of Medicine)なのだ。莫大な金が、盲目の信頼の上を行き来している。
FDAは、製薬会社を信用している。
現場の医者は、FDAを信用している。
患者は、医者を信用している。
しかし、信用と金は、本来混じり合ってはならないものだ。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)