FDAの長官は大統領が指名することになっている。しかし事実上、ロックフェラー財団の代理人が選ばれることは、公然の秘密(public secret)である。
アメリカの大統領の権限は強大で、各省庁のトップを自由に罷免することさえできるが、FDA長官だけは例外である。
大統領が正義感を働かせ、FDA長官の不正行為を糾弾し、彼を罷免しようものなら、ロックフェラー様の怒りを買うことになる。そうなれば、よくても大統領職からの失脚、下手をすれば暗殺されることになる。リンカーン、ガーフィールド、マッキンリー、ケネディ。皆、アメリカ国民のことを真に思いやる本物の政治家だった。しかし、その”本物さ”ゆえにロックフェラーの不興を買い、暗殺された。
アメリカの歴代大統領はこのあたりの政治力学をよく知っている。誰だって(僕もあなたもアメリカ大統領も)、殺されたくはない。

つまり、ある意味でFDA長官は大統領よりも強い権限を持っている。
アメリカ国民の健康福祉のために奉仕する機関が、FDA長官個人の思いのままに(イコール、ロックフェラーの思いのままに)動くというのは、恐ろしいことである。
これは日本人にとって対岸の火事ではない。アメリカで認可された薬や医療器具は、遅かれ早かれ日本も追随して認可することが一般的だから。

2009年4月、FDA長官の横暴に対して批判の声を上げた人々がいる。それは意外にも、FDAの研究者たちだった。
FDAと一括りに語られるが、FDAは巨大な組織であり、強固な一枚岩というわけではない。
FDAの研究部門に勤務する職員たちは、長官を含む幹部クラスの度重なる不正行為に対して、怒りの告発に踏み切った。アメリカ大統領バラク・オバマに対して、FDA長官の不正行為を直々に訴える手紙を送ったのである。手紙は大手マスメディアにも同時に送信された。
『Dear Mr. President』
https://www.finance.senate.gov/imo/media/doc/prg040209a.pdf

告発されたのは、たとえば、新薬の許認可のプロセスにおける不正である。
新薬の許認可はOECD(医薬品研究評価センター。FDAの一部門)が行うことになっているが、事実上、CDERのトップには選択権がない。科学的データや法律に照らして考えればその新薬が不適切だったとしても、ノーということはできない。仮にその新薬の認可を却下するような正義感のある人がトップだったとしても、話は簡単で、その人を更迭して首をすげかえればいいだけのことである。金のために良心を捨てる研究者はいくらでもいる。
手紙の中にこういう一節がある。
「2009年1月7日にFDAの研究者有志がジョン・ポデスタ氏に直訴の手紙を書きました。『この手紙とあなたの行動によって、私たちは未来のFDA職員が、現在私たちがFDA幹部に対して味わっているようなフラストレーションや不安を経験することがないよう、切に祈っています。現在、FDAの研究室の雰囲気は異様です。誠実な職員が、不誠実な職員を恐れています。逆ではありません。FDA職員およびFDAの任務は、国民から誠実であることを求められています。しかし今や、誠実な職員は不誠実な職員からの報復を恐れて、まともな仕事もできない有り様です。早急にFDAを変革することが必要です。もはやFDAは財政的に破綻しており、適切な機能を果たしていません。この国の財政的健全さと身体的健全さのためには、FDAを再構築して、適切な機能を取り戻すことが必要です』」

具体的に、どのような不正があったのか。たとえば以下のようなものがある。
・いわゆるモーニングアフターピル(levonorgestrel) の認可にまつわる不正。経口避妊薬は本来”事前”に服用するものだが、予期せぬ事態(コンドームが破れるなど)があった場合に、”事後”の服用で妊娠を防ぐのがこの薬である。FDA職員はそのリスクを警告していた。
・医療機器·放射線保健センター(FDAの一部門)のトップが医療機器の科学的レビューを捏造したが、その不正を内部告発したFDA職員が報復にあった。
・乳癌を検知するために使われる医療機器について、関連部門のFDA職員が全員反対したにもかかわらず、認可された。医療機器評価事務局の局長ドナ・ベア・ティルマンに”不適切な政治的圧力”がかかったためである。FDAの専門職員の意見をすべて却下する決断は、コネティカット州議員クリストファー・シェイズから一本の電話があった直後に行われた。
・FDA高官はReGen Biologics社のロビー活動に屈して、同社の商品(Menaflex膝インプラント)を異例の短時間で認可し、同社に有利な契約を締結した。やはり、FDA職員の反対を押し切ってのことである。
・FDA長官フランク・トルティがFDA職員に送ったメール「FDA職員は守秘義務を守らなければならない。これにはFDA内部の他の職員とのメールのやりとりも含まれる。この規律を犯した者は懲戒処分あるいは刑事責任を負うことになるだろう」
・医療機器·放射線保健センター長官ダニエル・シュルツは、20人以上のFDA職員(科学者、医者、経営スタッフ)が全員一致で認可に反対する医療機器を認可した。FDA職員の全員一致の反対を押し切って認可を与えた例は、FDAの歴史上、初めてのことである。
・ドナ・ベア・ティルマンは、臨床的有効性がまったくなく、それどころか使用によって死亡リスクが高まる医療器具(Intergel)を認可した。これは外科手術時に使うと癒着を防ぐ効果があるとされたが、その臨床的有効性を示すデータはまったくなかった。認可から2年も経たないうちに、販売企業はこの商品を市場から引き上げることになった。患者のなかに、術後の疼痛、異物反応、癒着による再手術、死亡(3件)などの副作用が相次いだためである。

『FDA承認(FDA-approved)』という文言は、一般に、水戸黄門の印籠のように受け止められている。
しかし、上記告発にあるようなFDAの実態を知れば、それが全然ありがたいものではないことがわかるだろう。
FDAの研究者にはアメリカ国民の健康に心から奉仕したいと思って働いている人も多い。しかし腐敗した内情を知って、彼らは深く失望することになる。「科学が国民の健康に役立つどころか、企業を利する道具にしかならないのなら、一体自分の仕事には何の意味があるのだろうか」と。

さて、肝心のポイント。
この陳情の手紙に対して、オバマ大統領は一体どのように対応したのだろうか?
なーんにも動きません^^;おかげでオバマさんは殺されることもなく、無事、任期を終えました。
FDA長官は相変わらず不正を繰り返し、ロックフェラーの関連企業に延々お金が流れ続ける。
カビ毒のスタチン製剤がほとんどノーチェックで認可されたことなんか、ごくごく氷山の一角の話。
こういうのが現代社会の構造なんよねぇ。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)