眼科の先生。
「先天性緑内障で生まれた赤ちゃん。医者が病気に気付けば治療することになるが、気付かなければその子、失明するだろう。
でも、それはそれでかまわないとも言える。なぜか。
それはね、最初から光のない世界に生まれた人は、それを当然のこととして受け容れるからだ。
『あら、あの人、生まれつきの盲目なのね、かわいそうに』
などと世間の人は言うかもしれないが、それこそ偏見であり、差別というべきだろう。
むしろ本当にかわいそうなのは、成人してから光を失う人のほうではないか、と思う。
とはいうものの、先天性緑内障を見落とした、我が子が失明したとなれば、親は『子供を不幸にしてくれたな』と激怒して、裁判沙汰になること必至だろう。
だから見落としちゃいけない疾患なんだ。
ハナから与えられなかったものに、執着なんてわきようがないが、与えられたものを取り上げられるとなれば、人間の執着はすさまじい。
たとえば70歳のおじいちゃんが、白内障の手術をしようかどうしようか、悩んでいるとする。
相談に応じると、彼、こんなことを言う。
『目を手術するのが、怖くて怖くて。局所麻酔だから、手術中、意識があるっていうじゃないか。せめて全身麻酔でこっちが何もわからないうちにやってほしい』
いえ、白内障の手術は基本的には局所麻酔で行います。認知症があって動いてしまうなど、やむを得ない人には全身麻酔もありえますが、例外的です。
『頭ぼけたフリすれば、全身麻酔でやってくれる?』
いえ、しっかりしている方だともう分かっているので、ダメです笑。痛みはほとんどないので、その点は心配しないでください。
『もうね、いっそ見えなくなってもいい、とも思うんだ。でもせめて、あと十年、見える状態で過ごせたら、と思う。もうすぐ孫が生まれるんだが、失明するのはせめて孫の顔を見て、孫の成長を見守ってから、と思う』
謙虚なじいさんだな、と思ってはいけないよ。十年たってみなよ。
80歳になったおじいさん、『あともう十年』と言うに違いないんだ。
『人生80年。美しいものも醜いものも、もう充分、この目でたくさん見てきた。心をかき乱す視覚の世界から解放されて、余生は心の目を開いて生きていこうと思う』なんて、マンガみたいなこと、言うわけがないんだ。
仏教では執着を煩悩の一つだとしているが、視覚への執着は、人間として当然だろう。
緑内障、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症など、成人になってから失明を来す疾患は数多いが、自分が失明するなんて、想像するさえ恐ろしい。
もっとも、白内障が原因で失明することはまずない。手術で治る病気だからね」

そう、白内障は手術で治る病気かもしれないが、栄養療法がお助けになる病気でもある。
そもそも白内障は目の水晶体が濁る病気で、濁りの原因としては、アトピーなどの外傷、薬剤、放射線、その他の炎症が挙げられる。
外傷を除けば、要するにどれも、酸化が根本にある。だから、抗酸化力のあるビタミンの投与が白内障に有効なはずだ。
ただし、白内障になってから急にあせってビタミンCのサプリ飲みだしたところで、それで白内障がすぐ治癒する、ということはさすがに難しいけど。
https://academic.oup.com/ajcn/article/66/4/911/4655981
10年以上ビタミンCのサプリを飲み続けた人は、そうじゃない人に比べて水晶体がクリアだった、ということが示されている。
いろんなサプリがあるけど、健康維持のために毎日どれか一つだけ飲むとすれば、ビタミンCがおすすめだよ。