「夫が癌の診断を受けました。で、夫は、普通に手術を受けて抗癌剤治療をする、って言ってるんです。
私、どうすればいいか、悩んでいます。
インターネットを検索すれば、癌に対する標準治療がいかに危険か、情報がたくさんあります。
私としては、そういう危険な治療を受けて欲しくないと思っています。
でも、そういうのが世間の一般的な常識ではない、ということも分かっています。
夫はそういう意味で『常識』的な人で、私が『抗癌剤とか危険だよ』って言っても、『癌だから抗癌剤治療を受ける。当然のことだろう』と、相手にしてくれません。
娘が生まれたときもそうでした。
私はワクチンとか受けさせたくなかった。夫にも私の気持ちを理解してもらいたかった。
でも夫は『予防接種は病気を防ぐためのもので、国が打てと言っているわけだろう?それなのに打つな、だって?お前どうかしてるんじゃないか』
それで結局、定期接種のワクチンをすべて打ちました。自閉症とかアレルギーとか、特に問題は起きなかったですけど。
夫の言っていることは分かります。世間の常識からすれば、夫の言っていることが正しくて、私の言っていることはおかしい、っていうことになると思います。
でも、先生、これで本当にいいんでしょうか。
ワクチンは夫の言い分を受け容れて、娘にすべて受けさせました。
やはり抗癌剤に関しても、夫の言うがままに、標準治療を受けるのを許していいものでしょうか。
私、混乱しています。
何が正しくて何が間違っているのか、分からなくなってきて、、、どうすればいいのか、迷っています。
インターネット上の情報がすべて真実じゃないことはわかっています。事実もあれば、間違った情報も当然あると思います。
でも、私、夫が抗癌剤治療を受けて、いい結果になるとは、とても思えないんです。
内心でそんなふうに思いながら、同時に夫の闘病を心の底から応援するなんて、そんなこと、私にはとてもできません」

若くして癌に罹患した夫のことで、奥さんが苦悩している。
世間の『常識』と、ネットから得た情報。その内容が互いに矛盾するものであった場合、一体どちらを信じるべきか。
信じた方向が夫婦間で異なれば、衝突は避けられない。
こういう場合、どうすればいいか。
解決策は一つしかない。夫婦できちんと話し合うことだ。
なぜ、ワクチンがダメだと思うのか。抗癌剤がダメだと思うのか。その理由をきっちり説明する。
その説明が伝わって、相手が理解してくれたら、すれ違いは解消するだろう。
解消、とまではいかずとも、双方がある程度譲り合って、何らかの妥協が成立するはずだ。

この夫婦の場合、話し合いが不十分のようだ。
なぜワクチンはダメだと思うのか、抗癌剤はダメだと思うのか、理由の説明もなく、ただ「よくない」という結論だけを押し付けられても、旦那さんが納得いかないのは当然だろう。
奥さんの訴えに対して、医師として僕は、ひとまず共感的に傾聴する(どんな訴えに対しても、まずは傾聴)。
一通り聞き終えて、まずはねぎらいの言葉。「さぞ悩ましい、心苦しい状況ですね」と。
しかし全面的に奥さんを肯定して「抗癌剤は増癌剤。猛毒以外の何物でもありません。旦那さんは誤った選択をしようとしています。抗癌剤を試す前に、絶対に栄養療法をやるべきです」みたいなことは言わない。
栄養療法は打率10割、どんな病気も治す万能治療法、というわけではない。不必要に大きな期待を抱かせてはいけない。
それにこの旦那さんの場合、若くして癌を発症する背景には、食事など生活習慣の根深い偏りがある可能性がある。
点滴やサプリを行ったところで、肝心の日々の食事改善がおろそかでは、十全な効果は望めない。
「抗癌剤がなぜ好ましくないか、奥さんのほうから説明しにくいようであれば、旦那さんも一緒にご来院頂いた際に、僕のほうから説明することもできます」ぐらいのことしか、僕には言えない。

そう、健康に関するネット情報に対して常にアンテナを立てている人と、そうではない人(『情報源はテレビだけ』みたいな人)では、もはや話が通じないくらいに知識量に差がある。
情報通と情報弱者の差は、今後ますます開いていくことだろう。
夫婦間に情報格差がある場合、この奥さんのような悩みが生じる。夫婦が同じレベルなら、こういう悩みは生じない。

抗癌剤に強い副作用があることは、一般的な医者も含め誰しもが認めるところだろう。
であればこそ、ひとまずは副作用のほとんどない栄養療法から始めてみる、ということはオススメしてもいいと思う。
http://orthomolecular.org/resources/omns/v04n19.shtml
『オーソモレキュラー医学ニュースサービス』の記事(2008年10月31日)から、癌とビタミンCについての記述があったので、紹介しよう。

ビタミンCは癌のスピードを遅らせるし、もっと言えば、治してしまう。
BBCが最近『高用量のビタミンC注射によって癌の進行を抑制できる可能性がある。このビタミンは、癌細胞の破壊を起こす連鎖反応を引き起こすのかもしれない』と報道した。
このビタミン注射によって、腫瘍のサイズが半減した、と米国科学アカデミーの報告にある。研究の著者らは、高用量ビタミンC療法によってマウスの卵巣癌、膵臓癌、悪性脳腫瘍の『成長速度が有意に減少』したと言う。このように癌の成長を止めるほどのビタミンC高濃度は『アスコルビン酸の静脈注射によって簡単に到達できる』。
『簡単に到達できる』だって?だとすれば、これは重要なことである。癌と闘病中、あるいは癌を恐れている数百万の人々にとって極めて重要なニュースだ。
こういう事実に対して、主要な癌研究所は何と言っているのだろうか。何も言っていない。がっかりすることではあるが、さして驚くべきことでもない。米国癌学会も英国癌研究所も、『ビタミンCが癌を止める』という報告や研究を数十年にわたって無視してきた。もっとひどいことに、これらの組織はいずれも、人々が癌に対してビタミンCを使わないよう、積極的にやめさせることさえしていた。
実際にご覧になるといい。米国癌学会のウェブページにはこうある。『高用量のビタミンCが癌治療として勧められているが、臨床試験の結果からは有効性を示すエビデンスはない』
英国癌研究所はこう述べている。『ビタミンCの注射および摂取が癌治療に有効であるとする臨床試験のエビデンスは今のところ存在しない』
『有効性はない』『エビデンスはない』と彼らは言う。
どちらの組織も間違っている。
どちらの発言も正しくない。
2008年韓国の医師が、経静脈ビタミンCは『いくつかのタイプの癌(特にメラノーマ)の増殖抑制に際して極めて重要な役割を担っている』と報告した。
2006年カナダの医師が癌治療における経静脈ビタミンCの有効性を報告した。
2004年アメリカとプエルトリコの医師が、癌に対してビタミンCが奏功した臨床症例を報告した。
1990年アメリカの医師が、ビタミンCを使って腎臓癌の治療に成功したと報告した。1995年と1996年には他の癌でも成功した。3万mgの経静脈ビタミンCを週に2回投与することで、彼らは『原発性腎臓癌患者の肺および肝臓への転移巣が数週間で消滅した。また、我々は原発性乳癌患者の骨転移に対しても、100gのビタミンC注射を週に1,2回行うことによって治癒した症例を報告した』。
1982年日本の医師が、ビタミンCによって末期癌患者の余命を大幅に延長できることを示した。
1976年(今から二十年以上前だ)スコットランドの医師が末期癌患者の生活の質と余命が経静脈ビタミンCによって改善されたことを示した。
米国癌学会も英国癌研究所も、なぜかこういう重要なエビデンスのことはすぐ忘れてしまう。
これらの報告は、ピア・レビューされた(学者の査読を受けて認められた)医学雑誌に掲載されたものだ。
米国癌学会も英国癌研究所も、ビタミンCが癌に効かないと述べたのは2008年8月のことだ。そう、2008年。過去22年間にわたって、説得力のあるエビデンスがますます多く報告されているにもかかわらず、どちらの組織もこの事実を受け入れようとしない。この代償は、人の命だ。ビタミンC治療によって救われたかもしれない数十万もの人々が、癌で亡くなっている。
この数十年間、彼らの主張する治療法は三つだけ。『切る、焼く、薬』つまり、手術、放射線、化学療法だ。高用量ビタミンCの使用は、徹底的に除外されている。
米国癌学会はいまだにこのように言っている。「サプリメントをとるのなら、最善の選択はマルチビタミン、マルチミネラルのサプリだ。ただし、その栄養含有量は『一日摂取栄養量』を超えるものであってはいけない」
これは有害なアドバイスだ。多くの臨床研究によって、高用量のビタミンCおよびその他の栄養素によって癌患者の生活の質と寿命が改善することが示されている。
ポイントは充分な高用量を、適切に投与することだ。オレンジジュースを多めに飲むだけではどうにもならない。
英国癌研究所も似たり寄ったりで、ビタミンCは、『放射線や抗癌剤に干渉することで癌治療の有効性を妨げる』と言っている。この発言は正しくない。
癌学者は抗癌剤と一緒に抗酸化物質もルーチンで投与しているが、有効性は減少していない。
両組織とも、ビタミンCが癌に効く臨床エビデンスはない、としている。彼らは医学文献を読むことから始めたほうがいい。彼らは時代遅れも甚だしい。
そして彼らは間違っている。ひどく間違っている。

十年以上前の記事だけど、癌治療をめぐる状況は今も同じようなもので、病院の標準治療は相変わらず、焼く、切る、薬、だ。ビタミンCは相変わらずイロモノであり続けている。
記事中、アメリカやイギリスの癌治療当局が批判されているけど、日本の厚労省も同じようなものだ。高濃度ビタミンCの有効性が認められ、保険治療になれば、きっと多くの人が救われると思うんだけど、いつかそんな日が来るだろうか。