癌の研究をするには、まず、実験室レベルで癌細胞を作製することが必要だ。
しかし、正常な細胞をどうやって癌化させたらいいものか、世界中の研究者が頭を悩ませていた。
そうしたなかで、1915年世界で初めて癌細胞の作製に成功したのが、山極勝三郎博士である。
ウサギの耳にコールタールを塗ることで、癌を引き起こすことに成功した。
このおかげで、世界中の研究所で癌細胞の作製が可能となり、癌の研究が飛躍的に進むことになった。

山極博士の発見から百年余りの時が流れた。
癌について、かなり多くのことが分かってきた。
正常細胞がどのように癌細胞になるのか、もう少し具体的に見ていこう。

まず、最初の段階で関与しているのは活性酸素だ。この悪影響を抑えるのが体内にある抗酸化物質だが、活性酸素の封じ込めに失敗すると、DNAに傷がつく。
DNAの傷が癌に直結するわけではない。人間には損傷したDNAを修復する仕組みが備わっている。
しかしあまりにも強いストレスや、毒物摂取の多い不摂生な生活によって、修復能力を上回るほどのDNA損傷が蓄積すると、やがて細胞は突然変異を起こす。
ここでもまた、突然変異が細胞の癌化に直結しているわけではない。
突然変異した細胞には、自らの異常を認識するメカニズムがあって、これによって異常細胞は自殺する。これをアポトーシスという。
しかし、異常細胞のなかには、アポトーシスを起こさず、とことん生きようとする細胞がいる。それどころか、彼らは無限に増殖する能力を持っている。これが癌細胞だ。
それでも、癌細胞の発生が、そのままイコール癌の発症、というわけではない。
「健康な人も1日数千個くらいは癌細胞ができているが、免疫のおかげで発症しない」という説を聞いたことがあるだろう。体内には癌細胞を異物として排除する免疫の働きが備わっているわけだ。
この免疫細胞による抑制をも振り切って、異常増殖に歯止めがきかなくなった状態、これが癌の発症である。

上記のように、癌が発症するまでに人間は多くのセーフティネットを張り巡らしている。
ここに、癌治療のヒントがある。
セーフティネットをすべてかいくぐられたせいで癌の発症に至ったわけだから、どこかでこの流れをきっちりシャットアウトできれば、癌を止めることができるはずだ。

たとえばビタミンCがなぜ癌に効くのか。
・まず、ビタミンCは抗酸化物質だから活性酸素の軽減に寄与する。
・DNAの修復酵素の活性化や異常細胞のアポトーシス促進にも関与している。
・さらに、ビタミンCは免疫系を活性化する。ビタミンCを取り込んだ白血球は有走能や貪食能が高まり、癌細胞をも貪食する。
・また、ビタミンCによってコラーゲンの生成が促進され、癌細胞をいわば『コラーゲンの壁』で封じ込め、転移を抑制する。
・癌細胞に対する直接的な作用は、実はビタミンCが酸化剤として働く点にある。
「ビタミンCが酸化剤として働く?抗酸化物質じゃなかったの?」と思うかもしれない。
ビタミンCは還元作用(たとえば3価の鉄イオンを2価にするとか)を発揮した後には、モノデヒドロアスコルビン酸ラジカルになる。
このとき還元された金属が酸素への電子供与体として働く。そのとき、活性酸素種のスーパーオキシドラジカルが発生する。
これはSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)によって過酸化水素になる。この過酸化水素が、癌細胞に対する特異的な酸化剤として作用する。
正常な細胞にはカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼがあって過酸化水素を分解できるが、癌細胞にはこうした酵素が少ないため、過酸化水素による毒性をもろに受ける。
そのため、癌細胞内のミトコンドリアが障害を受けATP産生が減少し、細胞死が誘導される、という仕組みだ。
https://www.aimsci.com/ros/index.php/ros/article/view/149

丸山ワクチンって聞いたことありますか?
「ゴキゲン中飛車に対する居飛車側の対抗策のことでしょ」と答えた人は将棋ファンに違いない^^;
そうではなくて、医学でいうところの丸山ワクチンというのは、「結核患者は癌にならない」という観察から、丸山千里博士によって研究開発されたワクチンのことだ。
本来皮膚結核への適応だったが、癌への有効性(しかも副作用がまったくない)が示されている。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnms1923/38/5/38_5_267/_article/-char/ja/
しっかりしたエビデンスがあるにもかかわらず、やはり、一般の医療では認められていない。「知る人ぞ知る治療法」といった存在になっている。
国立がん研究センターで所長を務めた某医師は、患者には一般の抗癌剤を投与しながら、自分が癌になったときには丸山ワクチンを使っていた、なんていう話もある。
丸山ワクチンの抗癌作用は、ビタミンCの効き方と似たところがある。
まず、免疫系に作用する。つまり、マクロファージを活性化して癌細胞の貪食を促進し、NK細胞が活性化して癌細胞を攻撃、排除する。
また、こうした白血球から分泌される様々なサイトカインが、癌の増殖を抑制する。
もう一つ、丸山ワクチンにはコラーゲンの増殖作用があり、癌を封じ込める。このあたりもビタミンCと似ている。

一般に認められてない癌治療としては、他にゲルソン療法、アミグダリン(梅、ビワ、アンズなどの種の成分)療法、重曹、ホウ素、ヨウ素など複数あるが、共通していることがある。
これらの治療法はみな、活性酸素の発生からDNA傷害、免疫系の機能不全、そして癌の発生に至るプロセスのどこか途中で、きっちりと流れを断ち切る点だ。
しかもどの治療法も安価で、比較的容易に実行できる。
ひるがえって、一般のいわゆる三大療法(手術、放射線、抗癌剤)はどうか。
三大療法は要するに、「切る、焼く、殺す」治療法であって、いずれも、上記の癌の発生プロセスをまったく無視している。
癌の発生メカニズムに関する仮説など、研究現場で培われた知見が、臨床現場ではまったく生かされていない。
「癌は一度できたら自然に治ることはない」という考え方のままで、何十年も経過している。こんなおかしな話はない。
術式の変更(腹腔鏡を使いだしたり)とか新しい抗癌剤(分子標的薬など)とか重粒子線治療とか、技術的な変化はあっても、同じパラダイムのなかの変化であって、患者にとって有害無益な治療であることは変わりない。

コールタール塗布によって癌細胞の作成に成功したという山極博士の発明は、本来であればノーベル賞級の発見だった。この発明のおかげで、飛躍的に癌研究が進歩することになったのだから、人類への貢献は計り知れない。
しかし、この発明を断じて容認できない人たちがいた。
石油および石炭由来の製品の販売によって、莫大な富を得ている人たちである。
西洋医学の薬というのは、ほとんどすべてが石油や石炭からできている。石油から精製したベンゼン環や石炭の乾留から得たコールタールに、様々な修飾をほどこして、多様な薬効を持つ薬を作り出し、人々に売るのが彼らの仕事だった。
だから、コールタールによって発癌させることに成功したという山極博士の発明は、彼らにとっていかにも不都合だった。
『自然療法による癌の治癒』を認めることも、彼らには到底できかねることだった。
こうして、今なお、僕らは体にいいはずもない薬を飲み続け、癌の標準治療を受け続けている。