物理学的には、力は、強い力(核力)、弱い力、電磁気力、重力の4種類ある。
この四つのうち、一番強いのは核力、次に核力の100分の1くらいの電磁気力、それより10桁以上小さいのが弱い力、重力はもっと小さくて電磁気力の10のマイナス40乗ほど。重力は、実質的にはほとんど存在していないくらいに小さい。
こんなに小さいものを、他の力(強い力、弱い力、電磁気力)と等しく位置付けることは、本当に正しいのか。教科書を鵜呑みにしないで自分の頭で考える学者は、疑問を感じている。
そんな学者のひとりに、早坂秀雄がいる。反重力の発見者である。

1950年代に中国の物理学者がこんな実験を行った。コバルト60に上向きの磁場をかけると、コバルト60の原子核のスピンが外部磁場に対して逆向きにそろう。そしてコバルト60の原子核から出てくる電子の流れは、上向きになる。つまり磁界と同じ方向に出ている。
これは衝撃的な研究だった。弱い力のベータ崩壊に際して電子線がどの方向にも確率的に等しく飛び出すはず、というこれまでの考え方が成立しないことを示していたからだ。つまり、弱い力において、パリティ(等価性、対称性)が破れているのだった。
弱い力で左右の対称性が破れているのだから、それよりはるかに小さい重力においても左右の対称性が破れているに違いない。早坂はそう直感した。
『地球に対して垂直な軸で右回転するジャイロスコープでは重量が減少している』
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.63.2701
「ジャイロスコープ(重量は百数十グラム程度)を上から見て右回転させながら垂直落下させると、回転のスピードに比例して、ジャイロスコープの重量がミリグラム単位で減少している。しかし左回転ではそのような変化は起こらなかった」
実にシンプルな研究だ。しかしこの研究が持つ意味はとてつもないものだった。ニュートン力学でもアインシュタインの相対性理論でも、回転で生じる重力は右回りであれ左回りであれ、等しいとされている。この研究はニュートンとアインシュタイン両方に対して真っ向から疑義を呈するものだった。
なぜ重量の減少が起こるのか。右回転に落下させたときに重さが軽くなったということは、上向きの力が働いたということだ。重力場のねじれによって、真空が励起される。つまり、エネルギー状態がプラスの方向になる。ここから何か未知のエネルギーを取り出せないか。反重力の本質をつかみ、人為的な方法で反重力を発生させることができれば、物体を空間移動させることもできるし、エーテルエネルギーの利用も可能になってくる。石油や原子力に頼らない無尽蔵のエネルギー利用が可能になれば、すばらしい世界が実現するだろう。

こういうことを考える早坂の心の中には、明らかにUFOの残像があった。
昭和32年。まだUFOなどという言葉がなかった頃である。千歳空港の上空に、不思議な飛行物体が浮かんでいるのをは早坂は見た。
何も早坂一人の幻覚ではない。空港関係者や周囲の客たちもそれを見ていた。その物体は10分ほど上空で静止した後、突然ものすごいスピードでどこかへ消え去った。気になって翌日の北海道新聞を読んだところ「未知の飛行物体が千歳に現れた」という記事が出ていた。
早坂は根っからの研究者である。「なぜ、あんなふうに飛べるのだろう」あの物体の飛行原理に思索をめぐらせた。明らかに通常のジェット機やヘリコプターではない。あのように空中の一点に静止する技術は、どこの国にも存在しないはずだ。あれは「飛んでいる」というよりも「重力を消している」のではないだろうか。若い早坂はそのように推測した。

30年後、右回転するジャイロスコープの落下実験でこの推測の正しさを自ら証明することになった。さらに、「反重力の基礎研究」をベースにして、宇宙空間における新しい推進技術の開発に取り組んだ。非常に先進的な取り組みだった。しかし、あくまで個人である。理論を実際の技術として適応するには莫大な資金が必要になるが、国はこの研究の重要性を認識していなかった。つまり、国産UFOを生み出そうとする早坂の夢は、夢のまま終わってしまった。

一方、アメリカは国をあげて反重力の研究に取り組んでいる。
ただ、反重力に気付いたきっかけが、日本の場合と異なっている。日本は、早坂という一人の天才を得たことによるが、アメリカは墜落したUFOの残骸物の分析から反重力を発見した。
リバース・エンジニアリング(物体を分解したり解析することで、その動作原理や製造方法、構成要素などを明らかにすること)によって、UFOの飛行原理がモスコビウム(原子番号115)によって発生する反重力機構であることを突き止めた。もちろん、こうした技術は高度な軍事機密に属することから、一般の学会などで公表されることはない。

いつもこういう感じだなと思う。
日本にもちゃんと天才が出て、革新的なことをやろうとするんだけど、結局いろいろな力学が働いて、ぽしゃる。それでアメリカにやられっぱなし。何とかならないものかな。

参考:『反重力はやはり存在した』(早坂秀雄著)
Bob Lazar: Area 51 & Flying Saucers