今年もまた、神戸の花火を見ることができた。
去年と同様、陸地の混雑を避けて、船の上から眺めた。

ただ、去年は1万5千発だったのに比べ、今年はたったの6千5百発。
去年の半分以下のスケールということになるが、例年これが普通なんだ。
去年は兵庫県政150周年ということで神戸市も気合が入っていて、むしろ例外的だったんだ。
しかし去年の花火のすさまじさを知ってる自分としては、ショボくなったなという感想は否めない。
でも、打ち上げの数が減っただけで、花火の質は変わらない。
真っ暗な夜空に咲く一瞬の花は、恐ろしいくらい美しかった。

写真を撮ったところで実物よりも見劣りするのが普通だけど、夜の海が花火を反映して鮮やかに光って、まるで印象派の絵のようだ。
この写真には、逆に実際では見えない美しさがあると思う。
僕が撮ったんじゃないけどね^^;

相変わらずだったのは、花火の美しさだけではなく、船酔いする姉の姿も同じだった。
去年ひどく船酔いしている姉を見て気の毒に思ったものだけど、今年もまた同じようにぐったりしていた。

ただ、去年と違うことがある。
この一年間、僕は自分のクリニックの患者から、あるいは文献から、いろいろなことを学んできた。知識と経験の点で、去年の自分より優っているつもりだ。
船酔いへの対応となれば、去年はせいぜい一般的な処方薬を出すことぐらいしかできなかったが(そしてまったく効かなかったが)、今の僕には別の知識がある。
CBDオイルだ。船酔いに限らず、乗り物酔いに著効することには、エビデンスがある。
しかし去年と変わらないのは僕のうっかりな性格。
そういう船酔いの特効薬があることを知りながら、姉に事前に飲ませるのを忘れていたっていう^^;

『乗り物酔い、ストレス、内因性カンナビノイド系について』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2873996/
要約
陸路、空路、海路、いずれの道中であれ、乗り物酔いが原因の嘔気・嘔吐に困っている人は相当数いる。
乗り物酔いは非常にわずらわしいものではあるが、なぜ乗り物酔いが起こるのか、その神経学的な機序は未だ明らかではない。
内因性カンナビノイド系(ECS)は、ストレスおよび嘔気・嘔吐の調整に際し重要な役割を担っている。嘔気・嘔吐を抑制するECSの効果は、内因性カンナビノイド受容体の活性化が関与している。
ボランティア21人に放物線飛行操縦(PFs)を行ってもらい、その間のECSの活性具合を調べた。PFsの間、微小重力の状態がおよそ22秒生じ、それが大きな動的刺激となる。採血をPFsを行う前、10回、20回、30回行った後、PFsの終了直後および24時間後に、それぞれ行い、内因性カンナビノイド(アナンダマイドと2-アラキドノイルグリセロール; 2-AG)の血中濃度を測定した。
急性の乗り物酔いを発症した7人のボランティアでは、PFsの間、ストレススコアが有意に高く、かつ、内因性カンナビノイド濃度が有意に低かった。
PFsを20回した後では、乗り物酔いになったボランティアの血中アナンダマイド濃度が有意に低下していたが(from 0.39±0.40 to 0.22±0.25 ng/ml) 、症状のない人では上昇していて(from 0.43±0.23 to 0.60±0.38 ng/ml) 、血中アナンダマイド濃度は有意に高かった (p = 0.02)。
血中 2-AG 濃度は、乗り物酔いをする人では実験期間中、低いかほとんど変わらなかったが、乗り物酔いをしない人では著明に上昇していた。
また、乗り物酔いをするボランティアでは、実験から4時間経過した時点で白血球のカンナビノイド受容体1(CB1)のmRNAの発現量が、乗り物酔いしない人よりも有意に低下していた。
これらの発見は、ストレスと乗り物酔いの背景には内因性カンナビノイドの活性化障害があることを示している。
ECS伝達を高めることは、現在の乗り物酔い治療が効かない人に対して有効な治療手段となる可能性がある。

抗癌剤治療による吐き気に対してCBDオイルが著効することは有名だ。
抗癌剤によるものであれ乗り物酔いによるものであれ、そもそも吐き気という現象には内因性カンナビノイドの不具合があるのだと思う。

花火を終えて、船を走らせて船着き場に戻り陸に上がった後も、姉は回復せず、ぐったりしていた。
車に置いていた僕のカバンにCBDオイルがあったから、それを姉に見せて、「吐き気に効くやつ。今からでもいいから飲んで」と勧めた。胸がムッとするから要らない、と拒否する姉に、強いて飲ませた。
すると、、、
本当ね、びっくりしたんだけど、一瞬で効いた。表情がさっと晴れ渡って、すぐ元気になった。
CBDオイルはしばしば、こんなふうに劇的に効く。
船乗る前にこれを飲んどいたら、酔わずに花火をちゃんと楽しめたのになぁ。