薬かサプリか、の二択である必要はない。両方飲んじゃえばいい。
そういう端的な例として、こんな記事があるのでテキトーに訳しつつ紹介しよう。http://www.schizophrenia.com/sznews/archives/002402.html#

「統合失調症の病理にはフリーラジカルが関与している、というのは複数の研究者が指摘しているところである。
本研究の目的は、非定型抗精神病薬および経口ビタミンCが統合失調症患者の血中マロンジアルデヒド(MDA)濃度、アスコルビン酸濃度、簡易精神症状評価尺度(BPRS)に与える影響を調べることである。
方法:40人の統合失調症患者を対象に、前向きプラセボ対照二重盲検を8週間にわたって行った。統合失調症患者はプラセボ群とビタミンC群にそれぞれ20人ずつ無作為に割り振られた。
血中MDAおよびアスコルビン酸濃度はそれぞれ、ニシャル法、エイエ法により計測した。
結果:統合失調症患者では血中MDAが高く、アスコルビン酸濃度は低かったが、これらの値は、抗精神病薬+プラセボ治療群と比べて、抗精神病薬+ビタミンCによる治療群では8週間後に有意に逆転していた。
つまり、血中MDAが低下し、アスコルビン酸濃度が上昇していた。8週間後のBPRSはプラセボ群と比べてビタミンC群で統計的に有意に改善していた。
結論:非定型抗精神病薬服用中の統合失調症患者にビタミンCを経口投与すると、アスコルビン酸濃度が上昇し、酸化ストレスが減少し、BPRSが改善する。
それゆえ、薬とビタミンCを組み合わせて統合失調症の治療に用いることは有益である。」

記事中、研究内容が何かと批判されている。
「標本サイズが小さい(ビタミンC投与群がたったの20人)し、研究期間も短い(たったの8週間)ことが欠点で、標本サイズが小さいことは統計的に有意かどうかが疑わしい。
それに、この研究はインドで行われたものだ(インドの大学は、西洋のトップレベルの研究機関と同一の研究水準とは言い難い)。
『ビタミンCは統合失調症に有効である』というこの研究の結果は興味深いが、最終的な結論というにはさらなる研究が必要だろう。
ただ、その最終的な結論が出るまでの間に、推奨量のビタミンCを飲むことは誰にオススメしてもいいだろう。ビタミンCを食品から摂取するのなら、オレンジ、イチゴなど、果物や野菜から摂ることができる」

個人的には、ビタミンCは患者にとても使いやすいサプリだと思う。
ビタミンCを患者に勧めて、何か困ったことがあるかっていうと、全然ない(この点、特に使い始めに慎重さが要求されるナイアシンと対照的)。
特に効果を実感するのは、高齢者に使ったときだ。
そもそも老化というのは、酸化の進行のことだから、抗酸化物質のビタミンCが高齢者に著効するのは当たり前といえば当たり前のことだ。
特に何らかの病気の人に投与すると、ビタミンCだけで症状が軽快してしまうことも多い。
たとえば初期の認知症の人に僕が好んで処方する組み合わせは、以下のようだ。
人参養栄湯 9g 朝昼夕食前
シナール 3g 朝昼夕食後
プロマック 2錠 朝食後、就寝前
この組み合わせは保険適用の範囲内で処方可能だ。だから金銭的に厳しくて自費診療とか無理な人も、この処方で認知症とけっこう戦える。
人参養栄湯に含まれている遠志(おんじ)という成分が記憶力の改善に効果がある、というエビデンスがある。http://www.jsom.or.jp/medical/ebm/er/pdf/070005.pdf
だから、遠志が含まれているなら別に人参養栄湯にこだわる必要は必ずしもなくて、たとえば帰脾湯とかでもいいし、何なら遠志の単剤が第3類医薬品(誰でも買える)で売ってるから、それを各自で試すのもいい。
シナールとプロマックの組み合わせは、要するにビタミンCと亜鉛のことで、抗酸化対策のベストコンビだ。認知症患者では亜鉛の血中濃度が低いから、それを補う意味もある。
今みたいな寒い季節には、このコンビは風邪予防にも効果がある。
何にせよ、効果がないとわかっている抗認知症薬を無意味に処方するより、シナールだけでも処方するほうがよほど有益だと思う。
やはりビタミンCは使い勝手がいい。