院長ブログ

炭、原子転換

2018.6.10

好炭素菌を寒天培地に散布し、恒温器内に数日置くと、培地上にコロニーを形成する。
ただし、培地にKClの1%溶液を加えると(これをストレス培地と呼ぼう)、コロニーはできない。
シャーレに張ったストレス培地の片側半分に炭の粉をまくと、炭の粉をまいた半分ではコロニーができたが、残り半分ではコロニーはできない。
驚くべきことに、この現象は、炭の粉が直接細菌に接していなくても起こる。
つまり、炭素をポリエチレンの袋に入れてストレス培地上に置くと、コロニーは炭素の入った袋の周囲から形成されていく。
しかし、シャーレをブリキの箱に入れたり、アルミ箔で覆うと、この現象は観察されない。
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/tanso1949/1998/184/1998_184_213/_pdf)

この現象を一体どう説明すればいいのか。
実験を行った松橋通生教授は、こう考えた。
炭素という生命を持たない物質が、何らかの外部エネルギー(たとえば太陽からの赤外線照射)を受けて、これを細菌の増殖シグナルに変えているのではないか、と。
教授はこれを生物細胞の音波、バイオソニックと名付け、国際的な学術誌に報告した。
しかし、、、まともに取り合ってもらえなかった。
松橋教授を待っていたのは、世界中の研究者からの冷笑、あるいは無視だった。
冷笑した研究者は、冷笑しただけであって、彼ら自身がそうした現象に対する彼らなりの仮説を提唱したわけでもない。
ただ、けなし、おとしめただけ。
建設的な議論も起こらないまま、この研究は空中に放り出されたような形になった。
後続の研究者が出ることもなかった。

僕はこういう埋もれた研究に、妙に心ひかれる。
それは、僕が「これでやっていこう」と決めた栄養療法も同じように不遇な目にあっていて、医学会の主流派から無視されているからかもしれない。

同じように闇に葬られた研究に、ケルブランの「原子転換」説がある。
たとえば、ニワトリにカルシウムを全く含まない食餌を与えると、そのニワトリが産む卵には殻がない。これは当然で、卵の殻は炭酸カルシウムが主成分なので、そのカルシウムが食餌から供給されないわけだから。
しかし餌のなかにケイ素をいれると、しっかりした殻のついた卵を産む。殻の成分は、もちろん炭酸カルシウムだ。
では、カルシウムは一体どこから来たのか。
「体内で原子転換、つまり、ケイ素がカルシウムに転換される現象が起こったのだ。もっとはっきり言うと、常温核融合が起こったのだ」というのがケルブランの唱えた仮説。
ケルブランは1975年にはノーベル化学賞の候補にあがったほどの人である。単に世間を騒がせて注目されよう、などというつまらない詐話師ではない。
しかし、理論に合わない、ということで、主流派からは黙殺された。
それどころか、1993年には、イグ・ノーベル賞を授与された。
主流派は、完全に彼をコケにしてみせたわけ。

オーケー、そこまでケルブランのことをバカにするぐらいだから、カルシウムを与えられていないニワトリが産む卵の殻のカルシウムがどこから来たのか、さぞ立派な説明があるのでしょう、と思うのだが、もちろん彼らに別の仮説があるわけではない。だから、この現象に対しては、現代科学ではいまだに謎とされている。

現象に対する説明になっているかどうか、という点こそがポイントであって、従来の理屈に合わない、というのは反論の根拠になっていないだろう。
反対派の人たちって、相手の理屈を潰すことに躍起で、相手を理解しようなんて気持ちは、さらさらないんだ。既存の理論を金科玉条にして、自分と違う新たな説に対して、異様に攻撃的になる。
ある意味、ピュアな人なんだろうけどね。
自分が習ってきた教育と違う!ということで、ある種の裏切りを受けたような気持ちになって、それで感情的になるのかもしれない。

炭の話に戻ると、炭素の性質について、未解明なことはまだまだ多い。
でも、炭は医療現場で実際に用いられている。
たとえば救急で、自殺しようとして農薬を大量に飲んだ人が運ばれてくることはよくあることだが、まず胃洗浄を行い、併せて活性炭の胃内投与も行う。これは、日本救急医学会に推奨された治療である。日本中毒学会も活性炭の効用を認めている。

民間療法ということになるのだろうが、炭を食べて、持病のアトピー性皮膚炎を治した患者の症例報告を見たことがある。炭がどういう作用を発揮して症状の軽快につながったのか、よくわからない。炭がそれ独自の波動を放ち、それが腸内細菌の生育に好影響を与えたのか。あるいは、炭の持つ有害物質排出作用によって、水銀などの重金属が排泄されたおかげだろうか。
改善の作用機序がどうであれ、そもそもこういう報告を、主流派医学は決して認めない。
ステロイドの処方、という薬害を延々垂れ流し続ける皮膚科医と、それを治療だと信じて律儀に医者の言いつけを守っている患者を見ると、胸が痛い。
経皮吸収されたステロイドは、体内に長くとどまり、酸化ステロイドとなって、活性酸素を生み出す原因となり、細胞内ではその影響でミトコンドリアがダメージを受ける。
皮膚のかゆみ、という当初の症状は、そもそも放置すれば自然軽快しているはずのものだった。しかしステロイドを塗ったがために、症状を不必要に遷延させ、むしろ増悪させた。
こんなデタラメが、堂々と治療としてまかり通っている。ガイドラインという学会公認のお墨付きのもとで。
「ただの皮膚病じゃねえか。死ぬわけじゃあるまいし」
その通り。
皮膚病で死ぬことはないかもしれない。
でもね、みにくい皮膚で生きていくことって、死ぬよりつらいんですよ。
アトピーだった僕が言うんです。間違いありません。